その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今はクラシック音楽、美術、映画、本などなどについての個人的覚書

エリアフ・インバル指揮/ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団/マーラー交響曲第5番ほか

2017-03-24 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 久しぶりに海外オケの演奏会に。厳しい予算をやり繰りしながらのコンサート通いの私には外オケはなかなか手がです、昨年は一つも行けてません。今回は、まだ実演に接したことの無いベルリン・コンチェルトハウス管、インバルさんの指揮、比較的リーズナブルな価格設定と3拍子揃ったこともあり、気合を入れて東京文化会館5階席に着席。

 前半は、上原彩子さんによるモーッアルトのピアノ協奏曲第20番。上原さんのピアノは10年以上前にN響と共演したの聴いて以来です。発せられる音は、軽やかで、優しく、美しい。第二楽章の美しさは天にも昇る気分でした。モーツァルトってホント神。そして、それを奏でる薄青色と白の混ざったドレスを纏った上原さんも神々しいほど。体を45度傾けて指揮者やオケを常に確認しながら、ピアノを操る上原さんの姿勢も好感度大でした。

 後半は、いよいよインバル先生の十八番とも言えるマーラーの交響曲第5番。この曲を生で聴くのは7年ぶりです。冒頭のトランペットのソロから、突き刺すような音の閃光がホールを突き刺します。通して感じたのは、外オケらしい弦楽器の重厚なサウンドと金管陣のストレス抜ける吹きっぷりが組み合わされた、量りがあれば針が振りけれそうな音圧。5階席に座っているとは思えない迫力。正直、全体のアンサンブルの美しさは、聴き慣れているN響に間違いなく軍配が上がりますが、ある意味無秩序なほどのこの迫力は、在京オケでは感じられません。東洋系の演奏者もちらほらいるのですが、西洋人の体のつくりは違うとしか思えないですね。

 インバル先生の解釈は、この曲を聞き込めていない私には、恥ずかしながら良くわかりませんでした。重厚さと美しさが両立した第4楽章には胸を打たれましたが、全体としては音のパワーに押されまくって、ただただ感心と驚きばかり。インバル先生は81歳らしいですが、指揮台の上でジャンプしたり、唸り声(と思われるる)が5階席まで届くなど、とても81歳には見えません。あんな風に年を重ねたいものです・・・。



2017年3月22日
東京文化会館
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
指揮―エリアフ・インバル 
ピアノ 上原彩子

●モーツァルト…ピアノ協奏曲第20番
●マーラー…交響曲第5番

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新国立オペラ 「ルチア」/ガエターノ・ドニゼッティ (指揮 ジャンパオロ・ビザンティ)

2017-03-22 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 前半は、愛し合った男女が家の事情で結ばれないという、典型的メロドラマの展開でやや退屈。主要歌手陣のオルガ・ペレチャッコ=マリオッティ、イスマエル・ジョルディ、アルトゥール・ルチンスキーはいずれも一定水準以上なのだが、オケや合唱を含めた舞台としての一体感がどうも感じられず、ピントが合ってない写真を見ているようなもやもや感が残った。

 が、第2部第2部で大逆転ホームラン。ドラマ最大の山場である「狂乱の場」。泣く泣く政略結婚に応じたルチアが、結婚初夜に新郎を刺し殺し、気が触れてしまう。題名役のマリオッティの演技と歌が凄まじい。もともと美形で姫役にもってこいなのだが、白いドレスのような寝巻が返り血で赤く染まり、サロメばりに切り落とした新郎の首を槍のような棒で突き刺し、振り回す。やや乾いた声質ではあるが、高音が美しいマリオッティのソプラノは、緊張感たっぷり。更にそんなルチアに呼応するように、奏でられるグラス・ハーモニカの音は、「サロメ」でヨカナーンの首を求めるサロメの喘ぎ声を表現したとされる超高音コントラバスに似た緊迫感を演出する。トータルで15分はあると思われる場での独演なのだが、聴衆全員が固唾を飲み、信じられない静けさと張り詰めた空気が劇場全体を覆った。私も心臓バクバクで、このシーンを見られただけでだけで、この日この場に居られて良かったと心底思った。マリオッティの名演に大拍手。

 ピットに入った東フィルは後半持ち直したものの、前半は金管が不安定かつ切れも悪くもう一つ。また、このオペラ、前半は話のシリヤスさや暗さの割には、明るい音楽や美しい歌が多く散りばめられているのが、私にはアンマッチに感じ落ち着かなかった。まあ、終わりよければすべてよしということで。


2016/2017シーズン
オペラ「ルチア」/ガエターノ・ドニゼッティ
Lucia di Lammermoor / Gaetano DONIZETTI
全2部(3幕)〈イタリア語上演/字幕付〉
オペラパレス
【共同制作】モンテカルロ歌劇場

スタッフ
指 揮 ジャンパオロ・ビザンティ
演 出 ジャン=ルイ・グリンダ
美 術 リュディ・サブーンギ
衣 裳 ヨルゲ・ヤーラ
照 明 ローラン・カスタン
舞台監督 村田健輔

(指揮)
ジャンパオロ・ビザンティ

(演出)
ジャン=ルイ・グリンダ

キャスト
ルチア:オルガ・ペレチャッコ=マリオッティ
エドガル:イスマエル・ジョルディ
エンリーコ:アルトゥール・ルチンスキー
ライモンド:妻屋秀和
アルトゥーロ:小原啓楼
アリーサ:小林由佳
ノルマンノ:菅野 敦

合唱指揮:三澤洋史
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【グラスハーモニカ】サシャ・レッケルト


2016/2017 Season
NEW PRODUCTION

Music by Gaetano DONIZETTI
Opera in 2 Parts (3 Acts)
Sung in Italian with Japanese surtitles
OPERA HOUSE

Staff
Conductor Giampaolo BISANTI
Production Jean-Louis GRINDA
Set Design Rudy SABOUNGHI
Costume Design Jorge JARA
Lighting Design Laurent CASTAINGT

Cast
Lucia Olga PERETYATKO-MARIOTTI
Edgardo Ismael JORDI
Enrico Artur RUCINSKI
Raimondo TSUMAYA Hidekazu
Arturo OHARA Keiroh
Alisa KOBAYASHI Yuka
Normanno KANNO Atsushi

Chorus New National Theatre Chorus
Orchestra Tokyo Philharmonic Orchestra
Glass Harmonica Sascha RECKERT
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映画 『レンブラント 描かれた人生』 (監督アレクサンダー・コルダ、1936年)

2017-03-19 15:30:00 | 映画


 西洋絵画の巨匠レンブラントの半生を描いた伝記映画。波乱万丈のレンブラントの人生を追体験できる。

 欧州在住時にレンブラントの自画像はいくつも鑑賞し、若き野心に満ちたレンブラント、絶頂期の自信一杯のレンブラント、老齢期の絶望的なレンブラントを見てきて、彼の人生は何となくわかったようなつもりになっていたが、こうやって映像で半生を追うとまた違った面が見えてくる。絵でも描かれる最初の妻サスキア(映画には登場しないが)や後妻のヘンドリッキエといったレンブラントを支えた女性たちや息子ティトゥスなど、レンブラントの絵が描かれた周囲に居た人達を知ることで、より複視眼的に絵も見れる気がする。俳優陣も好演。

 時代考証がどこまで正確かはわからないが、当時のアムステルダムの活気、宗教の位置づけ、地方の風俗なども興味深かった。たまたま図書館の視聴覚コーナーにDVDがあったのを見つけ視聴したのだが、レンブラント好きの方にはお勧めできる一本。


スタッフ
監督アレクサンダー・コルダ
脚色ジューン・ヒード
原作カール・ツックマイヤー
製作アレクサンダー・コルダ
撮影ジョルジュ・ペリナール

キャスト
チャールズ・ロートンRembrandt van Rijn
ガートルード・ローレンスGeertje Dirx
エルザ・ランチェスターHendrickje Stoffels
エドワード・チャップマンFabrizius
ジョン・ブライニングTitus van Rijn

作品データ
原題 Rembrandt
製作年 1936年
製作国 イギリス
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ティツィアーノとヴェネツィア派展 @東京都美術館

2017-03-12 09:00:00 | 美術展(2012.8~)


 昨年の秋に「アカデミア美術館展」があったばかりなのに、半年も経たないうちに再びヴェネツィア派の名画を見れる機会に巡り合えた。所蔵のコレクションが少ないのは致し方ないにしても、居ながらにして世界の名画が鑑賞できる美術マーケット東京って、ホント凄いと思う。

 今回もティツィアーノを中心にヴェネツィア派の絵画が多数展示されている。フィレンツェのウフィツィ美術館、ナポリのカポディモンテ美術館、ヴィチェンツァのキエリカーティ宮絵画館の所属作品が中心となっている。70点ほどの作品が展示していあるが、やっぱりティティアーノの作品は光を放っている。《フローラ》、《復活のキリスト》、《ダナエ》(冒頭のポスターの絵)、《マグダラのマリア》は特に素晴らしい。

 とりわけ《フローラ》の繊細なタッチはポスター・チラシやPC画像からでは絶対分からない。PCスクリーンで眺めている際は「この絵のどこがそんなにいいのかなあ」と首を傾げていたのだが、絵の前に立った時、これまでの印象との格差に愕然とした。柔らかいタッチや匂ってくるような色香はホンモノならでは。近づいて見るほど、この作品に引き込まれる。




 初来日という《ダナエ》(ナポリ、カポディモンテ美術館)は《フローラ》よりもさらにエロチック。 ダナエの恍惚の表情は正視するのが恥ずかしいくらいだった。ティツィアーノに加え、ジョルジョーネ、ヴェロネーゼの絵があるのも嬉しかった。

 会場は思いのほか空いていて、余裕を持ってみることができた。贅沢な時間、空間である。4月2日までなので、まだの方は是非。


《構成》
I 1460-1515|ヴェネツィア、もうひとつのルネサンス|Venice, Another Renaissance
II 1515-1550|ティツィアーノの時代|The Age of Titian
III 1550-1581|ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ ─ 巨匠たちの競合|Titian, Tintoretto and Veronese: Rivals in Venice
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東響 東京オペラシティシリーズ 第96回/ 指揮:秋山和慶 ショスタコーヴィチ 交響曲 第9番ほか

2017-03-09 08:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 立川でハーフマラソンを走った後、急ぎオペラシティに駆けつけ、東響のオペラシティシリーズを鑑賞。この日は、東響の70周年記念シーズンとかけて、ハイドン、クロンマー、ショスタコーヴィチの其々作品場号70番を取り上げた面白いプログラム。会場はパッと見、7割弱の入りで空席が目立つのが残念だったが、良質で、熱い拍手を伴った気持ちの良い演奏会だった。

 ハイドン、クロンマーは、古典派らしい清明かつ優雅な音楽。秋山さんの指揮は、自然体で力みが無い。作品の美しさそのままを東響が瑞々しく演奏し、ホールに響く。クロンマーでは、独奏陣の音もきらびやかに輝き、独奏同士の息もぴったり。

 後半のタコは、前半と雰囲気ががらりと変わって弦、金管、木管がパワフルに全開。独奏のファゴットの音色が、味わい深い。秋山さんの指揮は、ここでも整然としていて、聴く者に分かりやすく訴えてくる。派手なところはないけど、職人芸だなあとしみじみ感じ入った。初めて聴く曲だったけど、全く迷うことなく、投入することが出来た。

 ハーフを走った後なので、疲れに耐えられず爆睡してしまうのを恐れてたけど、充実の演奏を始終集中して聴くことができた。実り多い一日で大いに満足。


東京オペラシティシリーズ 第96回
Tokyo Opera City Series No.96


東京オペラシティコンサートホール
2017年03月05日(日)14:00 開演 

出演
指揮:秋山和慶
フルート:相澤政宏
クラリネット:エマニュエル・ヌヴー
ヴァイオリン:水谷 晃

曲目
ハイドン:交響曲 第70番 ニ長調 Hob.I-70
クロンマー:フルート、クラリネットとヴァイオリンのための協奏交響曲 変ホ長調 作品70
ショスタコーヴィチ:交響曲 第9番 変ホ長調 作品70

Title
Tokyo Opera City Series No.96

Date
Sun.5th March 2017, 2:00p.m

Hall
Tokyo Opera City Concert Hall

Artist
Conductor = Kazuyoshi Akiyama
Flute = Masahiro Aizawa
Clarinet = Emmanuel Neveu
Violin = Akira Mizutani

Program
J.Haydn : Symphony No.70 in D major, Hob.I-70
F.Krommer : Sinfonia Concertante in E flat major, op.70
D.Shostakovich : Symphony No.9 in E flat major, op.70
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学生ランナーに引っ張られて自己新達成! @2017立川シティハーフマラソン

2017-03-06 08:00:00 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 2014年以来3年ぶりに立川シティハーフマラソンに出走しました。3年前は肌寒く冬天気だったのですが、それとはうって変わって、春を感じる最高のマラソン日和。スタート時点で10℃とのことでしたが、途中で相当上がっていたと思います。


《集合は昭和記念公園》

 この大会は日本学生ハーフマラソン選手権も兼ねていて1500名近い全国の大学陸上部のランナーたちも一緒に走ります。名簿を見ると、箱根駅伝のランナー達も。さらに、応援部の応援が入ったりで、いやがおうでも気分が盛り上がります。


《東京農大の応援団の方々》

 スタートは陸上自衛隊の立川駐屯地。一般人は普段は入れないところだし、滑走路がスタート地点というのも珍しい。


《自衛隊のヘリコプター》


《素晴らしい青空》


《スタートラインに向かう学生アンナ―たち》

 滑走路を2周弱走って、外周道路に出ます。スタート後しばらくはランナー渋滞で走りにくかったけど、外周道路に出て、既に途中の折り返し点から戻ってくる学生ランナー達の綺麗なフォームを見ると、自分のペースも次第に上がってきます。最初の5キロはキロ5分30秒のペースでしたが、どんどんピッチが上がり、5キロ以降はキロ5分ペースで走り続けました。



 12キロ地点を過ぎると、外周道路から昭和記念公園に戻って来て、園内を周回。小さなアップダウンはありますが、走りやすいです。途中、公園内でも2周めの学生ランナー達と並走するところがあって(並走というより抜かれるだけですが)、自分としては早すぎるペースを落とさず走ることができました。


《ゴール地点》

 結局、キロ5分ペースを最後まで継続し、タイムは1時間45分台で、自己新記録!ぴちぴち学生ランナーの刺激のおかげです。

 これで次はいよいよシーズン締めくくりの長野マラソン。残り1か月10日ですが、今日のレースはとってもいいステップになりました。
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櫛田健児 『シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃』 (朝日新聞出版、2016)

2017-03-04 10:30:00 | 


 シリコンバレー発で生じているクラウド化、AI、IOT、フィンテックなどなど、イノベーションによる産業のうねりの根底にあるものをアルゴリズム革命と名付け、現状をリポートした本。「いま起きているのは、ソフトウエアによる「自動化」である。ソフトウエアのアルゴリズムによって人間の活動をキャプチャ(取り込み)し、トランスフォーム(変形)し、それをどれだけリプレイス(置き換え)できるか。あるいは、どれだけ人間の能力をオーグメント(拡張)できるか。それがアルゴリズム革命の本質なのである。」(p21)という。

 最終章の「日本企業がこれからすべきこと」が、スタンフォード大学のアジア太平洋研究所リサーチアソシエートとして、シリコンバレーと日本の橋渡しを仕事とする筆者のオリジナリティだろう。例えば、「外部の力を取り込むオープンイノベーション」でシリコンバレーとタッグを組むのが良いと言う。中でも「IOTは、ソフトウエアのアルゴリズムのみではなく、もの(ハードウエア)と連動しているので、スピード感や言語などの課題をクリアすれば、日本企業とシリコンバレーの組み合わせはかなりの成果をあげるものと期待できる」(pp200-201)とのことだ。

 シリコンバレーで起こっていることが平易で分かりやすい記述でレポートされ、首肯もできる。私自身の限られた経験とも符合する。しかし、内容は他の書籍、雑誌、ネットなどで、どこかで一度は目にしたような既知感がある。もう一つ新鮮味とパンチに欠ける気がするのが残念だ。IT分野に関わる仕事をしている人には強くはお勧めできないが、この世界のことを知りたい人には良い導入本になる。


【CHAPTER 1】アルゴリズム革命とAIのインパクト
●シリコンバレーは世界の姿を一変させる
●アルゴリズムで人間の活動を置き換える
●人工知能は人の仕事を奪うのか
●スケールしないビジネスは生き残れない
●次に破壊されるのはどの業界か
★シリコンバレーの強さの秘密1——循環する人材

 【CHAPTER 2】クラウド・コンピューティングの本質とは
●クラウドで人類の情報処理能力が豊富なリソースへ
●クラウドは巨大な設備投資で実現
●インフラとしてのクラウドの可能性
●クラウドは安全なのか
●豊富な情報処理能力はコモディティ化の波を作る
●大企業がクラウドを使いこなす日
★シリコンバレーの強さの秘密2——資金調達+インフラ環境

 【CHAPTER 3】IoTとビッグデータの真価とは
●あらゆるものが計測可能になる
●売りっぱなしモデルからの脱却
●日本的「ものづくり」とIoT
 ●ロボットのいる生活
●「規制」に関する幻想と事実
★シリコンバレーの強さの秘密3——失敗を次に活かす文化

 【CHAPTER 4】フィンテックの恩恵はあらゆる企業に及ぶ
●スタートアップが切り開く新しい金融サービス
●企業の資金調達が様変わりする
●決済手段が多様化する
●仮想通貨の技術で「信用確保」
●ロボアドバイザーの時代
★シリコンバレーの強さの秘密4——産学連携

 【CHAPTER 5】日本企業がこれからすべきこと
●外部の力を取り込む「オープンイノベーション」
●シリコンバレーで人脈をつくる
●トップがコミットし、現場に裁量を与える
●デザインとコンセプトを買うという発想
●ロボティクスに活路を見出す
●日本のものづくりの真の強みは何か
★シリコンバレーの強さの秘密5——政府が果たす役割
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東京バレエ団〈ウインター・ガラ〉 「ボレロ」ほか @オーチャードホール

2017-02-25 08:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


今回のお目当ては、「中国の不思議な役人」と「ボレロ」。いずれも、演奏会では何度か聴いているが、舞台は観たことなく、舞台(舞踏)音楽であるこの2作品を音楽と踊りで一緒に観てみたかった。

ただ、これは確認していなかった自分が全くもって悪いのだが、会場に着いて、この2作品はテープ音楽と言うことを知り茫然。ショックをリカバーする間もなく、「役人」が始まってしまった。バレエそのものは、作品が持つ怪奇さが上手く表現されたものだと思ったが、あのバルトークの複雑な音楽を音楽ホールでテープ(録音)で聴く違和感は個人的に払拭しがたく、残念ながら踊りに没入できず仕舞い。

逆に、次の演目「イン・ザ・ダーク」は、ショパンのピアノ生演奏と踊りがしっかり融和しており、心落ち着くパフォーマンス。三組の男女ペアが順番に踊り、最後には三組揃って踊ったが、特に一組目の沖香菜子さんの踊りが何とも優雅で美しく、幸せな気分に浸らせてくれた。期待値以上の感動は嬉しい誤算。

最後の「ボレロ」は、テープショックからも立ち直り、集中。オレリー・デュポンさんがセンターに設けられた円柱型舞台の上で、多くの男性ダンサーに囲まれて踊る様子は、古代の宗教的儀式を思い起こさせる神秘感が漂う。邪馬台国の卑弥呼ってこんな感じではなかったのか。音楽と踊りが絶妙に組み合されて、エネルギーがホール一杯に充満した。

生音がピアノに限られていたのは残念だったけど、三作品三様の踊りが楽しめ、出鼻こそ挫かれたが最後は大満足の公演だった。



東京バレエ団<ウィンター・ガラ>


「中国の不思議な役人」 振付:モーリス・ベジャール 音楽:ベラ・バルトーク
 首領:森川茉央、娘:入戸野伊織、中国の役人:木村和夫、ジークフリート:ブラウリオ・アルバレス、若い男:二瓶加奈子


「イン・ザ・ナイト」(東京バレエ団初演)
振付:ジェローム・ロビンズ 音楽:フレデリック・ショパン
 沖香菜子-秋元康臣
 川島麻実子-ブラウリオ・アルバレス
 上野水香-柄本弾 

「ボレロ」 振付:モーリス・ベジャール 音楽:モーリス・ラヴェル
 オレリー・デュポン
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DVD ヴェルディ: 歌劇 《マクベス》 /指揮リッカルド・シャイー

2017-02-19 15:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 地元図書館の視聴覚コーナーにヴェルディのオペラ「マクベス」のDVDがあるのを見つけ借りてきた。舞台の上演を録画したものではなく、ロケを行い撮影しているものなので、オペラ映画と言って良いだろう。

 シャイ―指揮、ボローニャ市立歌劇場管弦楽団による演奏は、陰影のはっきりした実にドラマチックな「マクベス」である。DVDながら鬼気迫るものを強く感じる。映像もベルギーの古城を使ったもので、リアル感抜群だ。

 歌手はマクベス夫人を演じたシャーリー・ヴァーレットのソプラノが群を抜いている。悪女ぶりをいかんなく発揮し、ドスの利いたソプラノは迫力満点。題名役のレオ・ヌッチのバリトンも悩める武人マクベスを、歌と演技でうまく表現していた。

 アマゾンを確認したところ、海外盤が手の届く値段で売っていたので、買おうか買うまいか、悩んでいる。


《マクベス》:歌劇 全曲/ヴェルディ 

シャーリー・ヴァーレット, ソプラノ (マクベス夫人) ;
ヴェリアーノ・ルケッティ, テノール, フィリップ・ヴォルテール, 演技 (マクダフ) ;
アントニオ・バラソルダ, テノール (マルコム) ;
レオ・ヌッチ, バリトン (マクベス) ;
サミュエル・ラミー, バス, ヨハン・レイゼン, 演技 (バンクォー) ;

ボローニャ市立歌劇場管弦楽団・合唱団 ;
リッカルド・シャイー, 指揮 

Macbeth
4幕からなるオペラ映画
歌唱: イタリア語 (日本語字幕付)
台本: F.M. ピアーヴェ
演出: クロード・ダンナ
ロケ地: the fortified castle of Godefroy de Bouillon in the Ardennes, Belgium
制作: 1986年 (音声), 1987年 (映像)

出演: Leo Nucci, Shirley Verrett, Johan Leysen, Philippe Volter, Antonio Barasonda
監督: Claude d'Anna
脚本: Giuseppe Verdi, Francesco Maria Piave, William Shakespeare
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映画 「キンキーブーツ」 /監督 ジュリアン・ジャロルド (2006年公開)

2017-02-17 08:00:00 | 映画


 父親の急死で、家族経営の紳士靴製造会社を引き継いだ若社長が、倒産の危機を乗り越えるため、起死回生の一手を打つ。ロンドンで偶然知り合ったドラァグクイーン(派手な女装趣味の男性)にデザインを依頼し、ドラァグクイーン向けのブーツの生産を始めるのである・・・。ハートフルコメディのお手本のような展開だが、実話に基づいているとのこと。

 主な舞台は、ロンドンから100k程北西にあるノーザンプトンという街。列車で近くを通ったことはあるが、行ったことは無い。でも、イングランド中部の田舎町の雰囲気がとっても懐かしかった。

 映画は終始、ドラァグクイーン、ローラ役のキウェテル・イジョフォーの個性が光る。周囲の偏見と戦うというよりも、折り合いながら、自己主張するローラを好演。彼(彼女)抜きに本作はありえない。

 笑いと少しのドキドキがあって、最後はほっこり。万人に受ける佳作で、見て損はない。


スタッフ
監督:ジュリアン・ジャロルド
脚本:ティム・ファース、ジェフ・ディーン
撮影:エイジル・ブリルド
衣装:サミー・シェルドン

キャスト
ジョエル・エドガートン:チャーリー・プライス
キウェテル・イジョフォー:ローラ
サラ=ジェーン・ポッツ:ローレン
ユアン・フーパー:ジョージ
リンダ・バセット:メル

原題
Kinky Boots
製作年;2005年
製作国:アメリカ・イギリス合作
配給:ブエナビスタ
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