後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔131〕「横浜事件国賠 控訴審」傍聴から「東京弁護士会・トークセッション」へ梯子しました。

2017年02月22日 | 市民運動
  横浜事件国賠の控訴審第2回弁論が東京高裁の825号法廷で開かれました。2月20日(月)の午後3時開始です。連れ合いは何回か参加しているのですが、私はこの裁判の傍聴は初めてのことでした。(この訴訟に関してはブログ〔100〕をご覧ください。)
 今回はどうしても足を運ばなければと思ったのは、現在安倍内閣が「テロ等準備罪」を画策しているからです。この法律は名称を変えて口当たりを良くしてもかつて三度廃案になった「共謀罪」の再来に違いありません。そして共謀罪はまさに現代の治安維持法です。 この治安維持法の問題点をえぐり出し闘っているのが「横浜事件国賠 控訴審」です。傍聴は権力を相手に一歩も引かずに渡り合っている原告と弁護団に敬意を表するという意味合いもありました。その「現在進行形」を、自分の目で確かめたいという想いからの傍聴でした。
 この日の日程を今一度整理しておきましょう。

■横浜事件国賠 控訴審第2回弁論
開始: 2017/02/20 15:00
終了: 2017/02/20 15:15
・2月20日(月)15:00~ 横浜事件国賠 控訴審第2回弁論  東京高裁 825号法廷
・口頭弁論の終了後、弁護士会館509号室において、報告集会。

  傍聴席は14席の4列がほぼ満席でしたから50人程度の傍聴者でしょう。
 口頭弁論の開始から十数分での結審です。しかも裁判長の声は小さく聞きとりづらいだけではなく、専門用語の連発です。傍聴を許可しているにもかかわらず、傍聴者にことばを決して届けようとはしていないのです。日本の裁判というのはこの程度だったのですね。 次回の日程を確認して散会しました。

〔控訴審第3回弁論 2017年5月22日 午前10時30分開廷 東京高裁 825号法廷〕

  口頭弁論の終了後、弁護士会館509号室において、報告集会が開かれました。部屋は立錐の余地がなく、満席で立っている人も数人いました。静岡や前橋からも駆けつけている人がいるということでした。弁護士さんや原告の木村まきさんの話もわかりやすく、まさに顔の見える集会でした。とりわけ最後の挨拶に立った、横浜事件国賠を支える会の代表の塚本春雄さんの話が力強くて心地よかったです。


 4時半に散会して、エレベーターのところに気になるチラシを発見しました。同じ建物のイベントだし、参加費は無料です。治安維持法を告発する訴訟から現代の治安維持法を考える集会への梯子です。これは早めに食事をして参加するしかありません。

■東京弁護士会・トークセッション
〔チラシ〕私たちは『秘密』の壁にどう向き合うか~秘密保護法と共謀罪がある日本社会を考える~

 北海道警察本部の「裏金」追及(北海道新聞)や、陸上自衛隊の非公然組織「別班」の暴露(共同通信)など、調査報道が警察の違法や自衛隊の違憲行為の現実を白日のもとに晒した。調査報道があってこそ、わたしたち市民は主権者として必要な情報を知り、国や行政を監視し批判することができる。
 それがいま、特定秘密保護法による「特定秘密」の壁と、共謀罪(複数の人が話をしただけで犯罪になるおそれがある)の成立によって、取材の自由が今以上に侵害され、私たち国民の主権者としての地位と権限が形骸化していくおそれが極めて大きい。
 今回のシンポジウムでは、調査報道の現場でご活躍されている高田昌幸氏、石井暁氏を講師として招き、秘密保護法と共謀罪の危険性を考えたい。
*2017年2月20日(月)午後6時~午後8時(開場:午後5時40分~)
場所 弁護士会館2階講堂クレオA
内容
(1)問題提起「秘密保護法と共謀罪の今」
   東京弁護士会秘密保護法対策本部委員
(2)トークセッション
   ゲスト:高田 昌幸氏(高知新聞記者)
       石井 暁氏(共同通信編集委員)
   コーディネーター:清水 勉氏(東京弁護士会秘密保護法対策本部委員)


  たぶん椅子の数としては350席ぐらいあったはずですが、300人くらいの参加だったでしょうか。初めて聞くことも多く居残って良かったと思いましたが、とりわけ石井暁さんの「マスコミは権力を監視するものである。」ということばに合点がいきました。
  以下のようなチラシも配られていましたよ。

■シンポジウム「国家緊急権は危ない!憲法に緊急事態条項の創設は必要か?」のご案内

 国会の衆参両院の憲法審査会が活動を再開し、具体的な憲法改正事項を検討しようとしており、中でも「国家緊急権(緊急事態条項)」の創設が、大規模自然災害対策等を名目に押し進められようとしています。
 しかしながら、自民党憲法改正草案でも明らかなように、国家緊急権は非常事態を理由に国家権力を行政権(政府)に独占集中させ、法律に基づかずに行政の判断で強制的に人権制約を可能にするもので、人権侵害のリスクが極めて高く、過去の歴史を見ても濫用による重大な人権侵害の事態が引き起こされています。
 このような観点から、憲法改正による「国家緊急権(緊急事態条項)」の創設の問題点と危険性を検証し、市民の皆さんと共に考えるシンポジウムとしたいと思います。
*日時・場所
 2017年3月15日(水)午後6時~午後8時(開場午後5時30分)
 弁護士会館2階講堂クレオABC
*内容
 基調報告「弁護士会における国家緊急権の検討の状況」
       川上 詩朗(日本弁護士連合会憲法問題対策本部事務局長) 
第1部 基調講演「今、憲法に緊急事態条項の創設は必要か?- ドイツとの比較の視点から」 水島 朝穂 氏(早稲田大学法学学術院教授) 
第2部 パネルディスカッション 
 テーマ「国家緊急権は、どのように使われるか - 歴史と現実」
 パネリスト 石田 勇治 氏(東京大学教授)
 パネリスト 水島 朝穂 氏(早稲田大学法学学術院教授)
 コーディネーター 伊井 和彦(東京弁護士会憲法センター委員長代行)

参加費・予約
 参加無料・予約不要(先着350名)
主催 東京弁護士会 第一東京弁護士会 第二東京弁護士会
共催(予定)日本弁護士連合会 関東弁護士会連合会
お問い合わせ
 東京弁護士会人権課 TEL:03-3581-2205

 
  最後に鎌田慧さんのコラムを紹介しておきましょう。

 ◆米日共謀の罪   鎌田 慧 (ルポライター)
 国民の良識など鼻先で笑っているような最近の安倍政権のゴーマン、ますます強まっている。戦争は憲法に違反、だから衝突と言い換える防衛相の不安そうな表情には怒りよりも、むしろ、痛々しさを感じさせられる。
 南スーダンに送られた自衛隊員が心配だ。戦争放棄の憲法下で、不幸にしてはじめての戦死者がでたとしたら、「衝突死」として扱うのだろうか。
 安倍首相がいう「犯罪集団」と「一般集団」とのちがいはなにか。いまでも、平和団体がピケを張って逮捕されたら、事務所が捜索され、犯罪集団扱いされている。
 「幸徳(注)が此の事件に関係のない筈がないと断定した、松室(検事)総長も幸徳を共犯と認定する意見でありましたから、証拠は薄弱ではありましたが、幸徳も同時に起訴するやうになったのであります」(平沼騏一郎『回顧録』)。これが12人を処刑した、明治末期の大逆事件の根拠だった。
 「世界一安全、安心な国」が安倍首相のうたい文句だ。秘密保護法、改定盗聴法、さらに「五輪テロ」で脅かしての共謀罪。国内では言論、集会の自由が制約されよう。
 国外では「仮想敵」の恐怖を煽(あお)り立て、イージス艦、ミサイル、オスプレイ、ステルス戦闘機F35などを米国から超高額大量購入。安倍首相はトランプ大統領に、輸出兵器を割引してもらってありがとう、といって帰国した。 (2月21日東京新聞朝刊29面「本音のコラム」より)


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