後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔110〕「いわゆる『教育密告サイト』から警察への情報提供に反対する請願」、清瀬市総務文教常任委員会は採択するでしょうか。

2016年09月05日 | 市民運動
  ブログ〔105〕で、今の日本の危機的状況の1つとして、「教育密告サイト」のことを取り上げました。「情況への発言」ということで、この問題を清瀬市に請願することにしました。提出した請願は以下の通りです。

  いわゆる「教育密告サイト」から警察への情報提供に反対する請願
      
  紹介議員 ふせ由女
〔請願の趣旨〕
「学校教育における政治的中立性についての実態調査」が自民党のサイトに登場し、寄せられた情報を警察に提供しようとしている。これは「密告」を是認するものであり、看過できない。政府や文部科学省はこうした活動に注意を促し、再発防止の指導徹底をはかるよう、市議会としての意見勧告を要請したい。

〔請願の理由〕
まずは、事実経過を確認するため次の新聞記事を引用する。

●自民、「政治的中立を逸脱」した教師の事例をネット募集(朝日新聞、2016年7月9日) 自民党が党公式ホームページ(HP)で、教育現場での「政治的中立を逸脱するような不適切な事例」を募るネットアンケートを始めた。18、19歳に選挙権が拡大されたことを受け、「主権者教育が重要な意味を持つ中、偏向した教育が行われることで、生徒の多面的多角的な視点を失わせてしまう恐れ」があることを調査理由に挙げている。ネット上では「この調査こそ教育への政治的介入」と批判の声も出ている。(略)
 HPには当初、教育現場で「子供たちを戦場に送るな」と主張する教員がいるとする表現があり、その後、「安保関連法は廃止にすべきだ」と訴える教員がいるとの表現に変えられたが、いずれも削除された。

「紛れもなく警察国家である。」「子どもたちに密告を奨励するのか。」「まるで戦前・戦中の思想統制だ。」などとネットで批判が渦巻いたのは当然のことである。太平洋戦争時代の「非国民」密告の隣組を想起させられたのは私だけではないだろう。治安維持法(1925年施行)は、こうした密告によって「国体変更」などを目的にした運動・団体を摘発、28年の改正で政府批判も弾圧対象になった。
そもそも、教育基本法16条には「教育は不当な支配に服することなく…」とあり、この調査は違反の疑いが濃厚だ。
教育現場における、教員の教育実践への萎縮(自己規制)が狙いではないかと思わざるを得ない。

                             2016年8月29日
  清瀬市議会議長
  渋谷のぶゆき様
                                     清瀬・憲法九条を守る会   
                   福田三津夫

 市議会の事務局から連絡があり、この請願は総務文教常任委員会で議題にされることになりました。2016年9月9日(金)、朝の10時頃に委員会は開始されますが、いつもなら10時半頃から請願は扱われます。興味がおありの方は、清瀬市役所においでください。4階です。
 資料として、以下の新聞記事を引用しておきましょう。

〔資料〕
●自民「政治的中立調査」、警察に一部提供 部会長が意向(朝日新聞、2016年8月2日) 自民党がホームページ(HP)で実施した「学校教育における政治的中立性についての実態調査」について、木原稔・党文部科学部会長は1日、投稿された情報のうち明らかに法令違反と思われるものなど一部を警察当局に提供する考えを示した。いじめや体罰など政治的中立と関係のない通報があったといい、こうした情報も対象という。

 この件に関して調べ始めると、いろいろ憂慮すべき事柄が判明してきました。箇条書きにして記録しておきます。

・「学校教育における政治的中立性についての実態調査」自民党HP開設、6月25日から7月18日。(学校名、教員名、具体的な授業内容)を知らせるよう要求する。
・結果は警察当局に提供予定。
・「紛れもなく警察国家である。」「警察国家の到来だ。」ネットで批判。
*教育基本法16条「教育は不当な支配に服することなく…」違反。
*「子どもたちに密告を奨励するのか。」「まるで戦前・戦中の思想統制だ。」との声多数。
*太平洋戦争の時代の「非国民」密告の隣組の想起。治安維持法(1925年施行)こうした「調査」によって「国体変更」などを目的にした運動・団体の摘発、28年の改正で政府批判も弾圧対象。
*教育現場の萎縮が狙いという指摘あり。

  少し思い起こしてみれば、〔政府側の教育にまつわる危険な言動〕は山ほどあります。列挙してみましょう。

・教育基本法改悪、教育委員会制度の改編、教科書検定制度の強化…。
・国立大学の卒業式など行事に国旗・国歌を位置づけること。
・教員の政治的中立「違反に罰則」。
・「岐阜大学で、卒業式などに君が代を歌わないのは恥ずかしい」馳発言。
・森元首相の教育勅語は良いことが書いてある、「オリンピックで選手が国歌を歌わないのはみっともない」発言。

 最後に、この自民党のサイトを立ち上げた木原稔という人物は、文化芸術懇話会座長、百田尚樹「沖縄の2紙は潰さないと。」発言の仕掛け人でした。(2015年6月)そのことで役職を更迭されています。
 さらに、2014年10月2日 チャンネル桜に出演、護憲を教える教師を否定、「憲法の成立過程を説明し、自主憲法を志向する教師でなければならない。」との趣旨の発言をしているのです。
  なるほど、すべてが繋がりました。





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