後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔54〕年金の正しい使い方-伊方原発再稼働反対行動に参加してきました。

2015年11月07日 | 市民運動
 原発はどう考えても人類とは共存できません。即刻再稼働作業を止めて、廃炉にしなければなりません。ところがアベ政治は、原発を次々と再稼働しようとしています。鹿児島の川内原発を皮切りに、愛媛の伊方原発まで再稼働しようとしています。それどころか原発をインドやトルコなどに輸出する構えなのです。 
 私たち夫婦は川内原発に続き、伊方原発反対集会に参加することにしました。交通費や滞在費はばかになりませんが、私たちの子や孫のためにも、そして世界中の人びとのためにも四国に出かけることにしました。
 羽田から松山空港まで飛び、バスで1時間半、伊方原発に近い八幡浜市で「再稼働阻止全国ネットワーク」の全国相談会・交流会に駆けつけました。八幡浜市松蔭公民館が会場です。机を四角く二重に向かい合わせるなかで、すでに共同代表の柳田真さんの話が始まっていました。机の前や後ろの壁はびっしりと色とりどりの、それぞれの団体のアピールコメントで覆い尽くされています。会場は参加者150人の熱気がむんむんでした。
 その時の様子を地元紙から引用してみましょう。

●愛媛新聞「伊方再稼働阻止へ抗議継続」 八幡浜で全国団体相談会2015年11月1日(日)

 脱原発を訴える「再稼働阻止全国ネットワーク」(東京)の全国相談会・交流会が31日、愛媛県八幡浜市内であり、地元同意の手続きを終えた四国電力伊方原発3号機(伊方町)の再稼働をさせないよう抗議行動を継続する方針などを確認した。
 ネットワークは全国16カ所の市民団体などで構成。31日は北海道や鹿児島など各地から約150人が集まった。愛媛からは「伊方原発をとめる会」の草薙順一事務局長らが、中村時広知事の同意表明や伊方原発の運転差し止め訴訟などの状況を説明。八幡浜市で再稼働の是非を問う住民投票の実施を目指した署名活動が行われていることも紹介し、協力を呼び掛けた。
 ルポライターの鎌田慧さんもマイクを握り「原発の運動は全て負けたわけではなかった。計画があったが原発が建たなかったところは幾つもある。勝った記憶も呼び起こして頑張っていきたい」と訴えた。

 東京・清瀬から今回も鎌田慧さん、市議の布施由女さん、そして私たち2人と合計4人が参加しました。「相談会」のあとの「交流会」では川内原発再稼働阻止集会で出会った人たちとの再会を悦び合いました。
 翌11月1日(日)は、いよいよバスで伊方原発ゲートに向かいました。120人はいたでしょうか、ギターを持ったミュージシャンに合わせて反原発の歌を唱和しました。長年伊方原発反対闘争を担ってきた方の遺影を掲げ、その同志や広瀬隆さんの話、原発職員に対面しての抗議文の読み上げと手渡し、シュプレヒコールなどと続きます。
 原発ゲート前抗議行動のあとバスで松山市まで戻って、数千人の大集会です。そのときのようすを再び愛媛新聞に語ってもらいましょう。保守的な土地柄といわれることが多い愛媛にあって、愛媛新聞の革新性には目を見張りました。自由民権運動の歴史を抱える高知の高知新聞の物足りなさと比較すると面白いかもしれません。

●愛媛新聞「4000人再稼働ノー 伊方原発再稼働反対全国集会」2015年11月2日(月)

 四国電力伊方原発の再稼働に反対する全国集会が1日、愛媛県松山市堀之内の城山公園であった。10月26日に中村時広知事が伊方3号機の再稼働に同意したことを受け、参加者は「断固許さない」との決意を胸に、市内をデモ行進した。
 主催の市民団体「伊方原発をとめる会」(松山市)によると、北海道、福島、鹿児島など全国から約4千人が参加した。
 集会でとめる会の草薙順一事務局長は、中村知事の同意に対して「理性も倫理も投げ捨てた行為」と批判。再稼働の阻止に全力を挙げると宣言した。
 会場の参加者は「原発再稼働ゆるさん」と書かれたメッセージを一斉に掲げてアピール。市内のデモ行進では「命を守れ」「再稼働反対」とシュプレヒコールを上げて、買い物客らに訴えた。

 最後に、参加者である吉田照勝さんの優れたレポートを紹介します。

●たんぽぽ舎メルマガ2631号
┏┓
┗■1.伊方原発は危険な立地にある、誰もが疑問を持つ
 |  原発事故の責任を取るなら閣議決定したらどうか
 |  四国五十一番霊場、石手寺の仁王門には「集団的自衛権」不用の立看板
 └──── 吉田照勝(たんぽぽ舎会員)

 伊方原発3基を現地で目前にすると、何故こんな危険地形に原発があるか誰もが疑問を持つ。
 写真や映像から、地形の危険性の全体像を把握することはできにくい「百聞は一見に如かず」である。
 原発は険しい山、急な岩場、尾根筋の地滑りしそうな国道から180mも海岸沿いに降りていかなければならない。原発の崖上の樹木を伐採していた、ヘリポートを建設しているらしい。原発周辺に平地はなく、福島原発のような広い汚染水タンクの設置場所は見当たらない。もしもの時、全て瀬戸内海に流すしかない。漁業・生活全て壊滅的な事態が予想できる。30キロ圏内の避難計画も具体化できていない。
 伊方原発ゲート前抗議集会は、山肌を背に、88年6月米軍ヘリ墜落で乗員7名が死亡した至近で行なわれた。中央構造線断層帯が敷地北側を走っているところでもある。
 STOP伊方原発再稼動11.1全国集会IN松山「福島をくり返さない」には4000名が集まった。
 菅直人元首相は、「安倍首相が原発事故の責任は政府が責任取ると言っているが、あくまで言葉の問題、本当に責任を取るならば閣議決定することだ」と、安倍首相の無責任の言動を厳しく問いた。
 広瀬隆さんは、「来年の電力自由化で、原発電気を買わない、原発電力会社を兵糧攻めにすること、電力会社と対抗すれば必ず勝てる」と力強く訴えた。
 四国は、お遍路八十八箇所霊場の地お寺が多い。五十一番霊場、道後石手寺の仁王門の仁王像の前には、大きな立看板に「集団的自衛権」不用、不殺生祈りの会、裏門に「人を殺させない・人の話を聞く」不殺生戒とある。
 石手寺住職加藤俊生は「釈迦の教えと平和憲法」を率先して発信し抗議行動をしている、イラク戦争のときは、石手寺に八十箇所寺が集まり、戦争反対を表明した。
 真言宗大谷派は新安保法案を認めないと反対声明を出している。「日本国憲法の立憲精神に反する行為を認めるわけにはいかない。積極的平和主義の言辞の下になんら躊躇もなく進められようとしている。先の大戦に国家体制に追従した人々を戦地に送り出した歴史への反省である。」(佛教タイムス2015,5,28)
 自称平和の党と称する、創価学会・公明党は、戦争法に積極的に賛成、原発再稼働賛成、不殺生の仏陀の理念は見る影もない。宗教家としての資格どころか、平気で嘘を言う、辺野古の人の話しを聞かない安倍首相と同列である。
 「不殺生」を否定し戦争法に積極加担した創価学会は、もはや宗教家のいない仏教宗教心のない集団である。

 今回のツアーのバスの中で、「さようなら原発」の黄色いシールを作って配っている若者、Kさんに会いました。すでに5万枚まで配り、あと5万枚印刷するということです。もちろん身銭をきってです。よく集会などに行くと、カバンに付けている人を見かけませんか。あれです。フクシマ以後に何かしなくてはということで始めたというのです。嬉しい出会いでした。

 伊方原発再稼働に対して、愛媛県知事や伊方町長はこれを認める発言をしているのですが、民意はけしてそうではありません。伊方原発50㎞圏内住民有志の会が伊方町住民に対して戸別訪問という手間と時間がかかる方法で調査した結果、賛成26.8%、反対52.7%、どちらとも言えない20.5%ということになっています。(2015.9.11現在、実施総数2834戸、回答数1028戸、はがきは一戸につき1枚ずつ配布)こうした大事な決定は住民投票をするのも必要かもしれませんね。

●たんぽぽ舎メルマガ2641号 柳田真さんの報告も読んでください!
◎八幡浜市は、伊方原発のある伊方町の隣の市、人口約36000人(約16600世帯)、もし東京電力福島第一原発事故のような原発事故が発生すれば、放射能がとんでくる市である。
◎この市で、今、「大事なことは住民みんなで決めよう」の目的で、原発の賛否を問える住民投票条例を作って…!という署名が始まった。期間は11月3日から12月2日までの1カ月間。
 八幡浜市議会議員の意見は8対8(議長が原発反対派なので「伊方原発3号機の早期再稼働を求める決議」の採決は、賛成8-反対の7人は退席-で可決。2015.9.17市議会)。
 市長は、独断で伊方原発3号機再稼働に賛成を表明していた(9月2日)ので、市民が怒って“大事なことは住民みんなで決めよう”と、この住民投票条例をつくるための署名が始まりました。
 
 次回のブログは、反原発集会後の四国巡りの旅の話です。

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