後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔561〕『石器時代への旅』(ハインリヒ・ハラー著、近藤等・植田重雄訳、河出書房新社)が復刊されました!

2023年02月07日 | 図書案内
 日本で初めて、ドイツ後期ゴシック彫刻の作家、ティルマン・リーメンシュナイダーの名を冠した『神秘の芸術-リーメンシュナイダーへの世界』と『リーメンシュナイダーへの世界』を出版したのは植田重雄さんです。私たち夫婦にとってもこれらがリーメンシュナイダーへの導きの書になりました。
 先日、ご子息の植田重彦さんから植田重雄さんが共訳した『石器時代への旅』(316頁)を緑がいただきました。
 まだ手にしたばかりなのですが、とりあえず紹介だけさせていただきます。いずれ感想もこの稿に付け加えようかと思っていますので、いつか覗いてくだされば嬉しいです。



  ハインリヒ・ハラー(Heinrich Harrer)はオーストリアの登山家・冒険家でアイガーの北壁を初登頂した人として有名だそうです。植田さんと同じく2006年に94歳で亡くなっています。
 『石器時代への旅』は世界探検全集(全16巻)の1冊として1978年に出版され、昨2022年10月に復刊されたものです。全集は『東方見聞録』(マルコ・ポーロ)などすべて翻訳物です。監修者は井上靖や梅棹忠夫など著名人が名を連ねます。

 興味を引かれるのはなぜ植田さんがこのような探検譚を翻訳したかということです。
 もう一人の翻訳者の近藤等氏は同じ早稲田大学を卒業して登山家としても活躍していて、文章家でもあったようです。そのことはなるほどと合点がいくのですが、植田さんの専攻は比較宗教哲学ということになっているので不思議なのです。
 勝手な想像ですが、原題は『Ich Komme aus Steinzeit』は当然ながらドイツ語で、ドイツ語の堪能な植田さんに白羽の矢が立ったのではないでしょうか。そして、近藤氏も植田さんも早稲田大学商学部教授でした。近しい関係であったことは間違いないことでしょう。

 それにしても植田さんの略歴紹介のなかに『リーメンシュナイダーへの世界』を入れておいて欲しかったなと思うのです。

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