中野笑理子のブログ

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デジタルのあはれ

2017年10月29日 | 日記
スマホの機種変更をしてこの休みの間にカスタマイズしましたが、前のスマホが文字入力だけでなく他の機能も当日突然壊れてしまい、電話帳と写真とメール位しかバックアップができませんでした。
アプリもブックマークもすべて消えてしまい新たに入れ直している途中であちゃーと思うこともあり、デジタルの恐ろしさを思い知りました。

ブックマークが消えたことは最初少しショックでしたが、思っていたより不自由していない状況が自分でも意外でした。
かなりの数があったので色々と不便があると思っていましたが、無けりゃ無いでどうとでもなるというか、また1からやり直せばいいやと投げやりな気持ちでなく、かえってサッパリした清々しい気持ちになったのでした。
元々ネットからタダで拾ってきたようなものなのだから、必要ならばまた探せば良いだけの話です。
さして必要もないものを大切なものだと思い込んで、後生大事にとっていたようなちょっと今までの自分がバカみたいな気がしました。

この土日の2日間、ほとんど実家で母と過ごしました。
実家では2日とも台風の荒れた天候もあり外出もせず、スマホを手に取ることもなく新聞や本を読んでパソコンでなく紙にボールペンでものを書いていました。
台風情報やニュースはテレビを見ればわかるし、特に不自由なことは何ひとつありませんでした。

いつでもどこでもすぐに必要な情報を得られて、通信料は発生するけれどほとんどタダでマンガも雑談も読めて、良いこと尽くしのようなネットの世界。
けれど昔から「タダほど高いものはない」という諺があります。
そして本でも読んだ「すぐに役立つものはすぐに役にたたなくなってしまう」というものがあります。
どちらも本当にその通りだと思います。

お宝鑑定士の方が以前フィルムカメラで撮った写真とデジタルカメラで撮ったそれの違いについて、話していたことを思い出しました。
応募にはまず品物の写真を送ってもらってそれを見て判断するのですが、フィルムカメラの写真だと本物か贋作か一目でわかるけれど、デジタルカメラの写真は見てもどちらかわからないそうです。
デジタルカメラの写真には奥行きがなく平面のみで、本物も偽物に見えてしまう時があるらしいのです。

インターネットができた時スゴイと思ったことが当たり前になり、携帯電話ができた時も画期的だったのがスマホができてガラケーと呼ばれるようになりました。
夢が夢でも何でもなくなり、便利を手にして不便を感じるようになりました。
人の欲望は際限なく広がり、如何に楽して儲けるかがもてはやされ、額に汗して働く人が尊ばれなくなってきました。
もののあはれを感じるのでありました。