中野笑理子のブログ

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こわい予感

2017年10月06日 | 日記
会社で出入りの業者さんが毎年、新高梨という大きな梨をくれるのです。
今年もいただいたので3時になって皆で食べましょうと、お茶当番なので包丁を取りに行きました。

まず手を洗って、次に包丁を洗おうとスポンジに洗剤をつけて包丁を濡らして刃の部分に持っていった途端、右手の人差し指に鈍い痛みが走りました。
アッと思った時はもう、血が吹き出していて押さえたティッシュがみるみる真っ赤に染まっていきました。

うわっ、やってもた……と、水で傷口を洗い絆創膏を貼ろうとしましたが、血がドバドバ出て左手で上手く貼ることができません。
見かねた人が貼ってくれましたが血が止まらず、みるみるうちに絆創膏から血が溢れて流れ出てきました。

絆創膏の上からティッシュで押さえて手を胸より高く上げていましたが、血が止まりません。
絆創膏を一度剥がして、今度は2枚重ねに新しいのをきつく貼ってもらいましたが、血は止まらない。
そのうち指先が紫色に変色して、冷たくなってきました。

別の人が梨を切って持ってきてくれましたが、出血性ショック死という言葉が頭に浮かび、心臓がバクバクして心なしかお腹も痛くなってきて、もはや梨どころではない。
けれど落ち着かなくてはと思い、平静を装って左手でシャリシャリと梨を食べました。
ほどよく冷えた梨は甘くて美味しく、ちょっと落ち着きましたが血は止まらない。

もう何枚目の絆創膏かわからないくらい取り替え、5時を過ぎても血は止まらず、帰りの電車の中でようやく止まって一安心したのも束の間。
変な予感を思い出したのでした。

それは2階から3階へ包丁を取りに行き包丁を持って階段を降りている時に、この包丁なんか怖い、別の包丁に変えてこようかなと漠然と思ったのですが、また階段を登って行くのも面倒でそのまま持って来てしまったのでした。
その時頭の中に浮かんだイメージは妖刀で、手に持っただけで持った人が尋常ならざる形相で笑いながら、周りの人達を斬り倒すというものでした。

あの時、別の包丁に変えていれば指を切ることもなかったのか、それとも偶然に思っただけなのかは、わからない。
けれど今まで包丁を持って怖いと思ったことはなかったのです。
包丁を持って、妖刀が思い浮かぶなんてことは初めてでした。
指を切るくらいで済んで良かった、包丁に魅入られて人を斬りつけなくて本当に良かった、そしてちゃんと家に帰り着くことができて良かったと思ったのでありました。