中野笑理子のブログ

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恋する読書

2017年10月01日 | 日記
他の本を読みつつも、枕元に鞄の中にと、いつでもどこでも必ず佐藤正午さんの著書がある。
青虫が葉っぱを食べ尽くすように、1冊読んではまた1冊、飽きることなく読んでいる。
面白いから、というのは勿論だけれど、読まずにはいられない中毒のようになっている。

本を読むという行為について、作者と恋愛していると思って本を読む、とある人が言っていた。
その人は男性で、その時は女性作家の本を読む時という前提での話だったと思うが、男性作家の場合はどうなのか訊くのを忘れた。
その時はへぇ~と思いながらも、自分にはそういう経験がなかったので、共感できなかったけれど、今やっとわかったような気がする。

ニュースで「佐世保」という言葉を聞いただけで、耳が反応してしまう、ということがそういうことなのだろう。
佐藤正午さんの著書は、小説でもエッセイでも、私にとって汲めども尽きぬ泉のようなものなのだ。
私はその泉の水で喉を潤し、また歩き出す。
明日もきっと、電車の中で、会社の昼休みに、そして眠る前の寝床の中で、私は喉を潤すのだろう。