中野笑理子のブログ

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彼岸花

2017年09月25日 | 日記
お彼岸も明日までとなってしまいました。
お墓参りにも行けず、ご先祖さまには申し訳なく思いつつ、お線香を焚きました。

我が家の周りに赤や白の彼岸花が咲いていて、必ず何本か束になったように咲いているのに、なんとなくひっそり淋しげに見えるのは、その名前ゆえなのでしょうか。
田舎に行くと田んぼの畦道に沿って群生しているのをよく見ますが、あれらはネズミ避けなのだそう。
ご存知の通り、彼岸花の球根には毒があり、ネズミ達もわかっていて稲に近づかないのだそうです。

けれどもその昔、飢饉で食べ物がなかった時、日本人はその毒のある彼岸花の球根さえも食べた時代があったらしい。
球根をすりつぶして洗って煮て干して、毒を抜いたものを食べたそうです。
食べることはできても、決して美味しくはなかったであろうと思います。
そんなに美味しくもないものを、手間隙をかけてでも、生きるために食べなくてはいけなかった頃に比べると、現代の食生活はなんと贅沢になったことかと思います。

「いただきます」
と給食を食べる前に手を合わせて言うことについて、ある小学校の保護者から学校へ「きちんと給食費を払っているのだから、言わせないで欲しい」という苦情があったそうです。
その報道を読んだ時、日本人もとうとうここまで堕ちてしまったか、と何とも言えない気持ちになりました。

「いただきます」という言葉は、今から自分が口にする、かつてあった命に対して言うものだと思っています。
彼岸花の球根をかつて食べた時代を知って、食べる前に手を合わせることを、おろそかにしてはいけないと、強く思ったのでありました。

毎朝通る母校のグランドの片隅にも彼岸花が咲いていました。
珍しい色だなぁと思いパチリとしてしまいました。