思うがままに

Step by Step

数曽寺山塊の横断

2009-03-05 | 山登り・ハイキング

大坂山から東にある鞍部分岐点に巻いた案内テープ
帰宅した後、確認すると写真には[鉄塔166]と写っていた
実際は[鉄塔168]が本当
間違った情報をそのままにしておくのが忍びなく、訂正するために再び数曽寺山塊を訪れた

っ 今日は良い天気だからリフレッシュも兼ねて・・・と、気楽な気持ちで出かけたわけだが、その番号間違いのお陰で今日はとても充実した一日となった
それは・・・

昼食を済ませ、用も済み腹も膨れたし、もう車に戻ろうとノコギリ片手にぶらぶらと鞍部に向かって歩いている時だった
後ろから人が歩いて来た
こんな平日に ええっ?? と、ビックリした
向こうもビックリされたようだ
その人は、しら坂トンネルの入り口に車を停め、婆婆岩から尾根伝いにP459を通り大坂山手前の鞍部から北方向に降りて車に戻る予定とのことだった
そんなルートを歩くのはかなり山登りが好きな人
ひょっとして、いつもHPを見ている内のひとりなのかも知れないと思ったが、HPは持っていないと仰った
私が山々を紹介したHPを良く見ているという話をしたので
逆に、その人は私を見て「こんな所を歩いているのだから大柿さんかと思いましたよ・・・」
「あっ大柿というプレートは馬瀬の三角点の所にもありましたよ あの人あっちこっちにつけてるようですね でも私はまだ山登りを始めたばかりの初心者です・・・」と言うと「初心者はこんなとこに来ません」と笑われてしまった
「去年登った時、ここの紅葉と谷が綺麗であれ以来良く来るようになりました もともと人が多い所は嫌いなんで、ここはホントに良いです!」と、まるで数曽寺谷山塊が自分のもののように話しているのに気づき少し恥ずかしくなった

「ところで廻谷の方にも行きましたか?」と訊かれたので「行きましたよ」と言うと、「あそこは西光寺山が背中に見えるんで面白いですね!」と・・・
『何のことだろう・・・』と私はその人の話の意図が理解できなかった
「廻谷はぐるっと回ってるんですよ」と山地図の谷線をなぞる指先を見ながら、廻谷の末端がゼンマイのようにくるっと回っていることに気付いた
「こんな谷は珍しいですよ」と、その人は付け加えた
「その谷をそのまま登られたんですか?」と訊くと「はい」
「あそこ、結構籔っぽいんじゃないんですか?」
「なかなか良い谷ですよ」
私は巡視路から鉄塔165に辿り着いたが、その人は廻谷をそのまま進んで165に着いたそうだ
廻谷を歩いた私は、廻谷の本来の魅力と言うか廻谷そのものの名前の由来さえ知らずに歩いていたようだ

(じゃ、数曽寺谷、仏谷、御所谷にも名前の由来がある? 仏谷は知らない方が良いかも知れない)

「私は沢伝いに登ったり降りたりするのが好きなんです 面白いですよ 色んな発見があるし 滝があったり 綺麗なせせらぎがあったり 木々も綺麗だし 足元が滑ったりするのでちょっと危ない時がありますけどね」

なるほど・・・山や谷の魅力はまだまだ奥が深そうだ


「最低鞍部から北へ下って行くつもりなんですが、どうですか?」と訊かれ「先日踏み跡を辿って途中まで行ったんですが、踏み跡がなくなって戻って来ました」と、私はあまりお勧めできないルートだと返答した
でも、その人はそこを降りて行くと言うので私も同行した
私の車まで送ってあげるという話が出来上がっていたからだが、山登りを熟知している人に付いて行けば何か得られるものも多いだろうと思った
それに、こんな機会を逃すのは勿体ないとさえ思った
鞍部に着いて辺りを説明すると、その人は踏み跡のある登山ルートを無視するかのように谷を見るなり「ここをそのまま下って行きましょ」と話されたので「ええっ?ここをそのまま下るんですか?」と私は呆気にとられた
「シダや藪を掻き分けながら歩くようなルートより、こんな谷や沢をそのまま下る方がずっと早くて楽なんですよ!」
『楽?』
「標高差200m 下れば林道に出ます」
「はい分かりました」と私は返事して一緒に降りて行った
「この下の方は植林帯やけど自然そのままの林は綺麗ですよ!」
綺麗と言われても私ひとりでこんな所を下っては行けない
「いつもひとりなんですか? ひとりでこんな所を歩いて怖くないですか?」
「怖いと思うなら、辞めた方が良いですよ 怖いと思ったらどこも行けません!」
なるほど。。。 でも、小心者の私には真似ができないだろう。。。。

その人と出会ってから別れるまでずっといろんな話をした
もともと口数の多くない私だが話題が次から次へと出て来た
色んな事が知りたかった 山のことや山で気をつけることや山でのエピソードや・・・

お名前も聞かずに別れたが、小野市青野ヶ原の辺りに住んでいらっしゃるとのことだった
また、どこかでお会いすることがあるかもしれない
いろいろお世話になり本当にありがとうございました

それにしても、鞍部からあの人の車までは長かった・・・・



9:53 いつもの堰堤に車を停めて出発


9:53 鉄塔168巡視路入口


10:14 鉄塔168


鉄塔168からの眺め




11:07 分岐点に案内テープ取付 (巻き道の先を「大坂山」と書いておいた)


巻き道のシダを切ったり邪魔な木や枝を切って登った

13:05 分岐点の鉄塔166→168に修正


巻き道の入口が分かり易くなるように木を切った
(巻き道の踏み跡がしっかりして行くことを期待したい)


中間点のピーク
この前と同じようにここで昼食
食べ終わったのが14時を過ぎていたかも知れない 






尾根道を西方向に戻っていたときにあの人と会い、鞍部から北側の谷を一緒に下った

15:16 目の前が明るくなった


15:22 砂防堤の手前から谷を振り返った
     思った以上に角度がある


15:23 砂防堤を振り返る
     まだ出来上がって間もないもののように思える


これは林道と言うより砂防堤のための工事道路か? 道幅が広い!


15:30 林道分岐 向こうは西側の谷に向かう道
     赤いテープがいっぱいぶら下がっている


15:37 池の色が濃い


15:52 林道がゴルフ場近くでアスファルトに変わった


16:27 しら坂トンネル入口から見たP459(中央の右奥)


婆婆岩の由来  [5月8日は山に入ってはならぬ!]


しら坂トンネルの真上に婆婆岩が小さく見える
トンネル入口の右側に登り口があるそうだ
(私は先週の土曜日に上鴨川から尾根伝いに訪れた)



あの人に車を停めている堰堤まで車で送ってもらった

「懐かしいなぁ まだ鉄塔が無かった頃やけど、この池から谷を歩いてあの『東大坂山』(P459)まで登ったんでよ」と仰った
「へぇっー 谷をそのまま行かれたんですか? 地図に書かれてある点線の道ですね」

この人 昔からの「山大好き人間」なのかも知れない


16:48 車に乗り込む前、池の向こうにそびえるP459を写真に収めた
     しばらくは この景色を見ることはないだろう



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