平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ニダーくんの解説によるアンプ講座 3 増幅とは

2014-12-23 13:57:38 | アンプ製作と修理
 オーディオアンプは、CDなどからの音楽信号を増幅する装置と位置付けられています。CDプレーヤーの出力信号は小さくて、そのままスピーカーをつないでも小さい音しか出ません。そこで、スピーカーから大きな音が出るように、アンプ(正しくはアンプリファイア=Amplifier)で信号を増幅するのです。今回は、その増幅とは何ニカ?

一般に増幅と呼ばれているけど、本当は増幅ではないニダ
正しくは「小さな信号で、大電流を制御する」
小さい信号が大きくなるのではない

例えば、人間の走るスピードは遅い
しかし、馬に乗って馬を制御すると早く走れる
同じように、小さい力で巨大なパワーを制御すると、見かけ上は力が増えたみたいになる
これが、アンプの基本原理ニダ

前回の、回路の抵抗成分が熱や光になるという図。抵抗のニダーくんを電球に置き換えると白熱電灯となってピコーンと輝く



この白熱電球の代わりにトランジスタを接続すると、増幅回路が出来る


トランジスタに小さい信号を入力すると大きな信号に増幅される

オーディオアンプは、電源とアンプ回路で出来ている
電源から供給される直流電力を、音楽信号と同じ交流に変換する
ここで、問題になるのが交流と脈流の違い


電池などの直流(電圧は一定で変化しない)


これが交流信号(音楽信号はもっと複雑)


正の脈流(川の波のように直流分の厚みがある)


負の脈流(川面に接する空気のように正の脈流とは対称波形)

図↓のような回路で音楽信号を増幅すると、直流成分の上だけが波のようになる


正の脈流出力(直流成分の上に交流成分が乗っている)
本当は抵抗その他のパーツが必要だが、分かりやすいように省略(以降の図も)


これが脈流と呼ばれる物で、スピーカーをつなぐとボコンとコーンが飛び出してくる


直流をスピーカーに入力するとコーンが飛び出すか引っ込む
乾電池一本の1.5Vをフルレンジやウーファーに接続すると目で見える
ただし、トゥイーターでやるのは禁止(破損する)
脈流は直流の上に交流が乗った波



正と負の脈流出力

コーンが飛び出した限界から、音楽信号に合わせて前後に振動する
あるいは、コーンが引っ込んだ状態で振動する
これではコーンの振幅が取れなくて歪(ひずみ)が大きいから実用にならないニダ

そこで、コーンが飛び出さないように、脈流から直流成分を取り除いて交流に変換する必要が生じる

その方法は2つ

一つは、真空管アンプのようにトランスを通して交流成分だけ取り出すこと
二つ目は、出力に直列にコンデンサーを入れて、直流成分をカットすること


出力コンデンサーを入れて直流成分をカットする場合


出力トランスを入れて直流成分をカットする場合

このどちらの方法も、音が甘くなったり劣化するので、現代アンプでは用いられなくなっている

そこで、プラスの脈流とマイナスの脈流を合体させ、直流成分だけ差し引きゼロにする回路が作られた


コンプリメンタリー回路(正負の直流成分は打ち消し合って交流成分だけ出力される)

これが現代アンプの代表であるDCアンプ
直流領域(DC)まで増幅できるのでDCアンプと言うニダ

具体的には、プラスの電圧で動作するN型トランジスタと、マイナスの電圧で動作するP型トランジスタを上下のセットで使う
これをコンプリメンタリー回路と言うニダ

    エフライム工房 平御幸
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10 コメント

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Unknown ()
2014-12-23 22:51:40
先生

こんばんは

前回に引き続いての解説ありがとうございます。

実は、トランジスタが、先生がご紹介くださったような、コンプリメンタリーの
形に並んでるのがなぜなのか、わからなくて悩んでいました。

コンデンサーで直流成分をとるというのは知っていましたが、
こういった形で直流成分をとるというのはきれいなアイディアだなと思います。

余談ですが、江崎玲於奈さんがノーベル賞をとったのは、
半導体に関係のある研究だったのですね。
電気に関する物理学は数式が難しいので、勉強を諦めかけていましたが、
言い訳していないで、少しずつ進んでいきたいと思うようになりました。
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訓さんへ (平御幸)
2014-12-23 23:26:14
コンデンサーで直流成分を取るという理解も間違っているはずです。検索すれば出てくるかも。
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Unknown (ふく)
2014-12-24 00:10:22
先生、今晩は。

ニダーくんの解説ありがとうございます。m(__)m
図を作成するのも労力がいりそうです。お疲れ様です。
ふむふむと納得したつもりでおりましたが、講座3になって、そもそも電気も電流も電池もさっぱり解らないことに今更ながら気付きました…
講座を拝読していて、音、色、光、熱、動力とこの世にあるものは全て振動しているのかなと思いました。電気はそれらに変換できる元のエネルギーなのでしょうか??
アホなので、勉強します。
返信する
ふくさんへ (平御幸)
2014-12-24 00:37:43
ふくさん( ノ゜Д゜)こんばんわ

苦労して図を制作していたおかげで、また世界的な大発見がありました。それはマナの壷の曲面の計算式です。厳密に計算されて作られていたものだったとは思いもよりませんでした orz

そもそも、光とは何なのかは世界で誰も知りません。粒子であり波であるという性質だけが知られている段階。

電気も電磁波も分からないことだらけです。
返信する
コンデンサーの性質 (平御幸)
2014-12-24 01:33:11
訓さんへ

http://www.tdk.co.jp/techmag/condenser/200801u/

このように、見かけ上は交流電流が流れているのと同じ。正しくは、変位電流として扱われるですね。

電解コンデンサーは接近させすぎても発振するという実験結果がありましたが、今回は見つかりません orz
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Unknown ()
2014-12-24 11:32:48
先生

コメントありがとうございます。

ご紹介いただいたリンクを拝読しましたが、
すぐには理解できなかったので、再度読みたいと思います。

トランジスタの動作については、下のリンクにあるように、
トランジスタを可変抵抗と考えると、比較的単純な回路であれば、
オームの法則、合成抵抗、キルヒホッフの法則で
各部分の電流、電圧が計算できると分かりました。

http://www.maroon.dti.ne.jp/koten-kairo/works/transistor/Section1/intro1.html
返信する
訓さんへ (平御幸)
2014-12-24 13:36:40
トランジスタはベース電圧が0.6Vから0.7Vで動作すると一義的に決まっているので、メーカー製アンプの回路図では電流値の指定はありません。回路図では電圧だけが書かれている。指定電圧が正しければ電流値も正しい。

トランジスタはベース電流の計算が面倒だから、ゲート電圧だけを考えれば良いFETの方が圧倒的に楽なのです。

最初にFETから入らないでトランジスタから入るのは、先に中学校に入ってから小学校に入り直すようなもの。だからFETアンプを作れと言ったのです。

なお、FETとトランジスタを入れ替えてもそのまま動作する回路もありますが、FETは動作電圧がトランジスタと違ってバラバラなので、データシートを見ないで交換することは御法度です。
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画像の追加と変更 (平御幸)
2014-12-25 02:45:48
ようやく、Excelで螺旋を描くことが出来たので、トランスのコイルを変更しました。

螺旋描画の参考にしたもの
http://ziddy.japan.zdnet.com/qa5973659.html

http://www.ritsumei.ac.jp/se/rv/joen/09/excel/ex4.html

Excelでは線の太さが足りないのが欠点 orz

それから、直流電圧の画像も追加
小学生レベルの直流すら理解できていない読者が多数らすい orz
返信する
Unknown (スイカ)
2014-12-26 22:29:40
先生、こんばんは。

連投すみません。
ニダー君の解説ありがとうございます。
やっと、アンプの正体がよく分かりました(^^;)
コソーリ質問なのですが、マイナスのニダー君が電源から出たときに険しい顔になるのには理由があるのですか?電柱┃_・)
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スイカさんへ (平御幸)
2014-12-26 22:38:47
スイカさん( ノ゜Д゜)こんばんわ

プラスのニダーくんと正反対の性質だからです (`・ω・´)

電子だから、高麗棒子に少し似ているwww
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