平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

デンソーの時代錯誤

2018-07-14 07:08:26 | バレーボール
サマーリーグ西部大会でデンソーがノットリーナ姫路(ビックリトリーナとも)に負けて、ありえね~ (ーー;)

トヨタ自動車戦の試合後インタブで、田原セッターが「速いバレーが自分たちのリズムで出来た」と語っていました。でも目は厳しい顔。トヨタ自動車はエースの佐藤優花が退団して戦力ダウン+監督交代。楽勝して当然の相手にです。


勝ったのに険しい顔
インタブアは元全日本リベロの櫻井さん (^o^;)


僕の目からは、終始バタバタして落ち着きのないバレーに見えました。レフトポジションのウイングが、相手のサーブと同時にライトに猛然とダッシュ。あるいは、センターポジションの選手が猛然とライトにダッシュ。どこの鉄腕ダッシュ :(;゙゚'ω゚'):


背中を向けている23番のウイングがレフトからライトに猛然とダッシュ ^^;
何故かと言うとサウスポーなのでライトからしか打てないから ( ´゚д゚`)エー
このローテーションにミドルブロッカーはいない


それでよく見ると、センターポジションの選手がライトにダッシュするときはミドルブロッカーがいないのです。センターからの攻撃はバックアタックのみ。これは紛れも無く、眞鍋ジャパンが失敗した戦術のMB1にほかならない。

昨年からデンソーの監督に就任した川北監督は、眞鍋ジャパンの戦略コーチで迷走の達人。ハイブリッド6とかも含めて全日本をボロボロにした張本人。天才セッターの田原なら、全日本で失敗した戦術が可能とデンソーに食指を伸ばしたのでしょう。

川北監督が就任した昨年に、田原セッターは監督の方針に違和感を持っていると書きました→勝栗

弱いチーム相手では通用する速いバレーが、相手のレベルが少し上がると通用しなくなる。その理由は、速いバレーを成功させるには前提があるからです。その前提とは、サーブレシーブが安定して、セッターにAパスが返ること。サーブレシーブが乱れたらAパス返らないし、速い攻撃も無理。

だからこそ、レシーブが少し乱れてもフットワークでAパスにしてしまう、背の低くて敏捷なセッターは速いバレーに不可欠。161センチと背の低い田原セッターが川北監督に狙われた理由です。

しかし、自チームのレシーブ力が劣る、あるいは相手のサーブ力が優れて崩される、などの場合、いくら天才セッターの田原愛里でもトスを上げるのが精一杯になる。無理な体勢からレフトに速い並行トスを上げても、相手のブロック陣が赤ずきんちゃんを飲み込む狼のように待ち構えているだけ (*_*;

松田監督時代の日立リヴァーレが速いバレーを成功させたのは、リベロの佐藤あり紗と守備の良い内瀬戸選手がいて、レシーブが安定していたからこそ可能だった。そこに天才セッターの佐藤美弥が、自在なコンビバレーで相手を翻弄する。役者が揃わないと速いバレーは無理なのです。

ミドルブロッカーの役割の一つがワンタッチを取ること。キルブロックで得点するに越したことはありませんが、ワンタッチを取ることは次善の策です。ワンタッチを取って、守備から攻撃に速い切り替えができれば得点に結びつく。特に、ラリー中のセンター攻撃は威力が大きい。

デンソーが模索しているMB1は、ワンタッチが取れないからラリーにならない。ウイングのブロック力が劣悪に低いからです。ラリーにならなくても得点を挙げられればよいのですが、取るのではなく取られてしまうから困る。なぜなら、ワンタッチが取れないので攻撃が組み立てられずに、チャンスボールを相手に返してしまうから。


デンソー対久光戦 久光に7点目(ワンタッチからの速攻)が入った場面
2セットめはここまでラリー(サーブ側に2度のアタック機会)なし
このシーンの直前にサーブ側の久光がブロックしたのは攻撃ではないのでノーカン (・・;)


運動量の少ないウイングでは、キルブロックはおろかワンタッチすらなかなか取れない。MB1の最大の欠点はブロック枚数が一枚になりやすいこと。だから、ウイングをレフトからライトまでダッシュさせるような戦術では、ウイングの守備力低下はなおさら免れない。ライト端までのダッシュだけで疲れてしまうのだから、センターに位置変更して跳ぶブロックは無理。


MB入れた2枚ブロックのワンタッチがどれほど大切か思い知らされるシーン
レフトで跳んでいるのはウイングの1番・中元選手
センターにいるのはサウスポーアタッカーの佐野選手でライトはウイングの朝日選手
髪を逆立てるセッター田原がレシーブに入る時点でトスが上げられない
MB1によってザル守備となったMBのいない前衛陣 🐵



で、苦肉の策として背の高い早坂セッターの場合はMBのように中央でブロックが良い
セッターとライトのポジションチェンジがぎこちなく、佐野選手の動きがオーバーアクションすぎる
デンソーは1セット目を取ることが多いけど、それは相手がMB1に慣れてないだけ


選手の個性を見て、その上で最善の戦術を考え、練習で精度を上げて行く。その地平線にあるのが、選手と首脳陣の、あるいは選手同士の相互理解と信頼関係なのです。無理な戦術に選手を従わせるのはナルシシストのすることで調和の正反対。

調和のあるものは全て美しい。そのような調和に満ちたバレーボールを完成させれば、それは見た目に美しく、また強さをまとっているはずです (;^ω^)
コメント (7)
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