平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

パイオニア A-D3の修理とリムーバー

2014-04-29 22:37:56 | アンプ製作と修理
 知らない間に緑の日が昭和の日になっていたり、ゴールデンウイークに旅行の経験のない僕にとっては、日曜祭日も関係ありません。またアンプ修理。そのうち、安息日にアンプ修理している男がいると訴えられそうです。

 結構前にセレクター異常のパイオニア A-D3を手に入れていたのですが、これがとんでもない悪質業者で、掃除をしたと書いてあったのに物凄い汚れ。雑巾で撫でただけでした。中身もタバコのヤニ臭いし、ゴキブリの糞や脚が残っている状態。それで数ヶ月放置して臭い抜きをしていたものです。

 アンプの汚れはパネルからボンネットに至るまで、ヤニ色と黒ずみ。アルコールでは取れないし、ボンネットの汚れはガラスクリーナーでも取れません。最初はアメリカの接着剤落とし(リムーバー)を使ったのですが、汚れと一緒にボリュームつまみの金メッキも落とす強力さ。メッキの下のプラスチックを溶かしてしまいました。





 このリムーバーは数年前にオークションで偶然に見かけたもので、米軍用機の特殊塗料を剥がすために使われたものです。おそらくはオレンジオイルだと思うのですが、販売元の「たすかるねっと」も輸入元の日米ダイナミックスジャパンも検索で出てきません。日米ダイナミックスジャパンは、自衛隊向けなどの特殊販売専用ではないでしょうか。


清掃後 ゴキブリの糞や脚は洗い流した

 画像ではそこそこキレイになっていますが、最初は潰して部品取りにしようと思ったほどの汚さでした。パネル汚れはガラスクリーナーで落ちましたが、ボンネットはいくらやってもダメです。アメリカ製のオレンジオイルではそこそこ落ちる。そこで思い浮かんだのが、金箔ユニットを制作するときに使用した純テレビン油。漆も溶かす強力さなら、ボンネットの黒い汚れも落とせるのでは…。

 さっそく試してみましたが、これが快適に落とせます。今までの苦労が何だったのかと思うほど、オイルを滲み込ませたティッシュペーパーが黒くなっていきます。これは絶対にお薦め。ただし、テレビン油は酸化するとネバネバしてくるので、余分なものは拭き取る必要があります。


ボンネット左端に汚れを残して、テレビン油でひと拭きした効果と比較

 肝心のA-D3の故障ですが、こちらはセレクタを分解して接点クリーナーと綿棒で清掃するだけ。のはずが、間違ってKURE 5-56を吹き付ける始末。取り除いてやり直し。ついでにボリュームのクリーニング。

 このアンプは長岡鉄男氏もMOS-FETアンプらしい音と評価していましたが、ローコストアンプの割には抜けの良い音です。ただ、コストカットのためにマレーシアで組み立て、メンテには関心を払わない、壊れたら基板ごと交換の走りです。


長岡鉄男のダイナミックテストより

 ヘッドフォン基板はメイン基板とケーブルで接続ですが、どちらもハンダ付けで外れません。ハンダ面も小さいし、基板のパターンも剥がれてきます。このケーブルを外すのと再ハンダで時間をロスしました。しかも、基板のLR表示とケーブルの紅白が逆で、再ハンダ後にステレオの左右が逆になる始末。あとで直さなくては。

 まだヘッドフォンでしか聴いていませんが、軽やかで抜けが良くて、少し安いソニーのローコストMOS-FETアンプ TA-F510Rよりは良い音です。ただ、修理中に脚の1個が根本で壊れたり、全体的にヘナヘナ感は免れません。壊れた脚はプラスチック製だったので、マニキュア落としで溶かして接着しました。

 なお、オレンジオイルのリムーバーはいろいろ出ているようなので、用途に合えば便利なものだと思います。付けまつ毛を落とすタイプが良さそうです(これとか)。

    エフライム工房 平御幸
コメント (2)
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