ソチ五輪が終わったので、溜め込んでいたアンプを修理することに。ところが、この季節はなぜかアンプの故障が立て続けに起こります。まずは、以前に修理して読者にレンタルしていたソニーのV-FETアンプTA-4650を再修理。とは言っても、やっつけ仕事で取り付けたスピーカー端子を、試みのミカエルと同じ金色に交換。
下段(写真では上)の端子はオリジナル
下段も交換
写真を見ると簡単そうですが、上段の端子を取り付ける黒いプラスチックはオリジナルのままで、元々付いていた極小端子をハンダゴテの熱で溶かしてペンチで引き抜き、それから穴を修正して金色端子を取り付けています。プラスチック表面が平坦ではなく、すぐに緩むので瞬間接着剤も併用。下段は余り使わないだろうと、ユニバーサル基板(穴開き基板)を加工して取り付けました。
次に、松戸の読者が使っていたプリアンプ、DENON PRA2000が電源を切ってもノイズの症状。この際だから電解コンデンサー全交換と、スイッチの洗浄も行うことにして分解。電源基板のアース線2本のうち、ケースに繋がっている方が基板から外れていました。アース線の断線です。
これで直るだろうと思ってパワーアンプに接続してみたらハムノイズ。直流電圧の電源に交流が乗っていました。これは定電圧回路のトランジスタ不良だと分かります。ヒートシンクが小さいので、トランジスタの熱が故障の原因かと思いましたが、トランジスタの足のハンダにクラック(亀裂)。これがトランジスタ破壊の原因でした。
PRA2000の定電圧電源部(電解コンデンサー交換後)
トランジスタの足のハンダクラック
挿しこんでから折り曲げているので応力でクラックが起こる
故障していたトランジスタとヒートシンク
100V1000μFの電解コンデンサーの現行品はサイズが小さいので、固定用の穴を通してから本来の差込穴に
このアンプはレコード再生のイコライザー回路が秀逸で、イコライザー基板中央の青いフィルムコンデンサーは誤差1%のFランク。オンキョーのP-306Rは誤差5%のJランク。僕は誤差2%のGランクに交換しましたが、1%のものは手に入りません。
イコライザー回路
イコライザー回路の電解コンデンサーは、ニチコンのミューズ(黒に金帯)とファインゴールド(金色)、エルナーのシルミックⅡ(小豆色白帯)、トーシンのオーディオ用(銀色)などを併用。CDなどが直結されるフラットアンプは、電源部にミューズを使用。このフラットアンプは素晴らしく、終段の中出力トランジスタを大出力用に換えるだけでパワーアンプになります。このままでも小さいスピーカーなら鳴らせるそうな。
ヘッドアンプとバッファアンプ
修理後のボトム側
ロータリースイッチの隙間にも電解コンが隠れていた
修理後のフラットアンプ(手前)とイコライザー(奥)
修理は深夜から明け方にかけて行うのですが、時として予想外の出来事に出くわします。ファンクションのインジケーターLEDは角の付いた特殊なもので、パネルから外すときに角が一本折れていました。また、パネルのPOWERロゴが消えかけています。
角の折れたLED
分解洗浄したスイッチ
今回はボリュームやバランスも外して洗浄しましたが、バランスは少しガリが出ています。本当は交換したいですが、シャフトの切断加工が必要なので諦め。リレー交換とダイオード交換も次回のメンテの時に必要かもしれません。
PRA2000のあとは、昨年から放っておいたオンキョーのP-306R。これも一度修理したのにノイズが出る症状。PRA2000と同じく定電圧電源のトランジスタ故障でした。しかし、トランジスタ交換後に、テスト用のアイワのミニパワーアンプに接続してもノイズが消えません。ブーンというハムノイズですが修理前とは音が違う。
P-306Rの定電圧電源部(小型のヒートシンクが熱くなる)
それで、もしかしてと思ってプリを外してパワーだけにしてみたら、それでもノイズが出ています。今度はパワーアンプの故障です。それで、テクニクスのパワーアンプを繋いでみたらノイズは消えました。ただ、パネル左端のステレオやリバースのスイッチを回すと不安定になります。スイッチが摩耗しているので、これは使わないほうが賢明。
こうしてP-306Rも無事に修理完成と思ったら、浦和の読者から日立のアンプHA-007の音が出ないとメール。リレー回路の故障みたいです。いい加減に汁とファビョーンしそうでしたが、何だか故障の疫病神が憑いて来ているようです。そう、部屋の中には故障の疫病神のところから戻ってきたプリンタが…。
ということで、まだまだアンプの修理は続きます。何時になったら基板を自作できるかは分かりません。最後に、フィレンツェの美術の上で梱包待ちのPRA2000。一番下は修理予定のソニーのアンプ。本の三重箱がいかに大きいか分かると思います。
ソニーの元箱付きTA-F333ESLブラックは程度が良さそう
エフライム工房 平御幸
下段(写真では上)の端子はオリジナル
下段も交換
写真を見ると簡単そうですが、上段の端子を取り付ける黒いプラスチックはオリジナルのままで、元々付いていた極小端子をハンダゴテの熱で溶かしてペンチで引き抜き、それから穴を修正して金色端子を取り付けています。プラスチック表面が平坦ではなく、すぐに緩むので瞬間接着剤も併用。下段は余り使わないだろうと、ユニバーサル基板(穴開き基板)を加工して取り付けました。
次に、松戸の読者が使っていたプリアンプ、DENON PRA2000が電源を切ってもノイズの症状。この際だから電解コンデンサー全交換と、スイッチの洗浄も行うことにして分解。電源基板のアース線2本のうち、ケースに繋がっている方が基板から外れていました。アース線の断線です。
これで直るだろうと思ってパワーアンプに接続してみたらハムノイズ。直流電圧の電源に交流が乗っていました。これは定電圧回路のトランジスタ不良だと分かります。ヒートシンクが小さいので、トランジスタの熱が故障の原因かと思いましたが、トランジスタの足のハンダにクラック(亀裂)。これがトランジスタ破壊の原因でした。
PRA2000の定電圧電源部(電解コンデンサー交換後)
トランジスタの足のハンダクラック
挿しこんでから折り曲げているので応力でクラックが起こる
故障していたトランジスタとヒートシンク
100V1000μFの電解コンデンサーの現行品はサイズが小さいので、固定用の穴を通してから本来の差込穴に
このアンプはレコード再生のイコライザー回路が秀逸で、イコライザー基板中央の青いフィルムコンデンサーは誤差1%のFランク。オンキョーのP-306Rは誤差5%のJランク。僕は誤差2%のGランクに交換しましたが、1%のものは手に入りません。
イコライザー回路
イコライザー回路の電解コンデンサーは、ニチコンのミューズ(黒に金帯)とファインゴールド(金色)、エルナーのシルミックⅡ(小豆色白帯)、トーシンのオーディオ用(銀色)などを併用。CDなどが直結されるフラットアンプは、電源部にミューズを使用。このフラットアンプは素晴らしく、終段の中出力トランジスタを大出力用に換えるだけでパワーアンプになります。このままでも小さいスピーカーなら鳴らせるそうな。
ヘッドアンプとバッファアンプ
修理後のボトム側
ロータリースイッチの隙間にも電解コンが隠れていた
修理後のフラットアンプ(手前)とイコライザー(奥)
修理は深夜から明け方にかけて行うのですが、時として予想外の出来事に出くわします。ファンクションのインジケーターLEDは角の付いた特殊なもので、パネルから外すときに角が一本折れていました。また、パネルのPOWERロゴが消えかけています。
角の折れたLED
分解洗浄したスイッチ
今回はボリュームやバランスも外して洗浄しましたが、バランスは少しガリが出ています。本当は交換したいですが、シャフトの切断加工が必要なので諦め。リレー交換とダイオード交換も次回のメンテの時に必要かもしれません。
PRA2000のあとは、昨年から放っておいたオンキョーのP-306R。これも一度修理したのにノイズが出る症状。PRA2000と同じく定電圧電源のトランジスタ故障でした。しかし、トランジスタ交換後に、テスト用のアイワのミニパワーアンプに接続してもノイズが消えません。ブーンというハムノイズですが修理前とは音が違う。
P-306Rの定電圧電源部(小型のヒートシンクが熱くなる)
それで、もしかしてと思ってプリを外してパワーだけにしてみたら、それでもノイズが出ています。今度はパワーアンプの故障です。それで、テクニクスのパワーアンプを繋いでみたらノイズは消えました。ただ、パネル左端のステレオやリバースのスイッチを回すと不安定になります。スイッチが摩耗しているので、これは使わないほうが賢明。
こうしてP-306Rも無事に修理完成と思ったら、浦和の読者から日立のアンプHA-007の音が出ないとメール。リレー回路の故障みたいです。いい加減に汁とファビョーンしそうでしたが、何だか故障の疫病神が憑いて来ているようです。そう、部屋の中には故障の疫病神のところから戻ってきたプリンタが…。
ということで、まだまだアンプの修理は続きます。何時になったら基板を自作できるかは分かりません。最後に、フィレンツェの美術の上で梱包待ちのPRA2000。一番下は修理予定のソニーのアンプ。本の三重箱がいかに大きいか分かると思います。
ソニーの元箱付きTA-F333ESLブラックは程度が良さそう
エフライム工房 平御幸