平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ヒルコとオノゴロ島の解き明かし

2011-10-17 14:19:22 | 古代史と聖書
 『記紀』の神話は聖書やオリエントの逸話がベースとなっていますが、聖書そのままでないのには幾つかの理由があります。

 まず、聖書そのままだと、未来(編纂の時代から見て)にイエズス会のキリスト教布教が来た場合、日本が契約の箱を持つ正統なイスラエルであることがバレてしまいます。日本は滅ぼされていたでしょう。『記紀』編纂者の預言者・藤原不比等はその愚を避けたのです。

 次に、日本に来たイスラエル12部族は様々なルートを取ったことにより、経由地での土着神話を吸収してきました。それにより、各部族では(あるいは部族の中でさえ)、自分たちのルーツの話とは随分と違う物語が語られるようになったのです。特に、弥生時代の南方経由のイスラエルの神話は変質が甚だしいようです。

 『古事記』は基本的に南ユダ系の神話がベースとなっています。そして、この神話が形成されたのは、古墳配置がギリシャやエジプトの星座と一致する古墳時代なのです。この時代の直前、日本の東西が衝突して大災害が起こり、いわゆる卑弥呼に代表される弥生時代は滅びたのです。集落が湖に飲み込まれるほどの大災害から土木技術で日本を救ったのが、南ユダ系の考案した堀を持つ古墳なのです。古墳は灌漑技術のシンボルなのです。

 このように、弥生時代から古墳時代にかけて、南方経由のイスラエルの神話と南ユダ系の神話が合体し『古事記』のベースが作られました。しかし、北イスラエル系の賀茂氏や藤原氏の祖先が東日本を経由して大和に入ると、中国大陸から北イスラエル系の本隊を迎えることになります。これが天武の時代なのです。そして、この時代に『記紀』が編纂されて北イスラエル系の正統性が組み込まれたのです。

 さて、ここまで書けば察しは付くと思いますが、『記紀』の国生み神話は『創世記』の天地創造を雛形とし、そこにアダムとイブの物語を重ねているのです。しかし、主に南方経由のイスラエルの語り部が語ったことがベースですから、やたらに南方の神話などが混入されてワケワカメ(訳分からん)になっているのです。ということは、南方系の神話を取り除くと、雛形となる聖書の話が見えてくるのです。

 ということで、答えはアダムとイブの二人の息子、流浪のカインがヒルコで、殺されたアベルがアハシマなのです。アハシマの事まで書くと大ヒントになるのであえて書きませんでしたが、次男のアハシマもヒルコと共に神に数えられないので不幸な死だとわかります。

 『日本書紀』では、ヒルコは三年たっても足が立たなかったとあります→こちら。これは、人として独立出来なかったという意味で、カインが人間として数えられないのに呼応した表現です。また三才は、三つ子の魂と言うように、三才までは本能で生きるがゆえに人間扱いされないのです。

 『古事記』と『日本書紀』は補完される関係にあり、それで『古事記』だけではなく『記紀』と書いたのです。オノゴロ島は聖書的にはパンゲアですが、アダムとイブが追放された先とも解釈できます。いずれにしてもエデンではありませんから、エデンの東という答えがふさわしいかもしれません。僕的には「自ずと凝り固まった最初の大地」がオノゴロの意味だと思います。

 古い物語は、幾層にもレイヤー(層)が形成されているので、不必要なレイヤーを取り除いて、本質的なレイヤーだけを残す作業が必要になります。レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を修復するときに、後世に塗られた余分な絵の具を取り除くのに似ています。学者は、その余分な絵の具の判別ができないので、新しい余分なレイヤーを後生大事に有難がっているのです。もっとも、そもそもレイヤーという概念が理解出来ないのかもしれませんが。僕は日本画なので最初からレイヤーの達人です。

      エフライム工房 平御幸
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