北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

ミュージアムコンサート

2008年10月29日 | 楽しみ
小川原脩記念美術館でミュージアム・コンサート2008が行われました。



「引地桂子&佐藤弘和」のクラシックのディオのコンサートです。引地さんのソプラノに佐藤さんのクラシックギターの演奏です。
ソプラノを生で聞くのが初めての体験で、美術館という狭い部屋でしたが、飾ってある絵とともになかなかでした。上手く表現できませんが、いい時間を過ごせました。
 50名限定でしたが、皆さん、気に入ったのではないでしょうか。男性は10名ほどで後は、ご婦人ばかりでした。如何に女性が人生を楽しんでいるのかがわかります。だから、女性の平均寿命の方が男性より長いのでしょうね。



週末には、小学校の学芸会や文化福祉センターでの文化祭と芸術の秋です。
また、食欲の秋でもあるので、美味しいものを食べ芸術にふれるのもいいですね。


PS.町に冬の足音が聞こえてきました。今シーズンの初雪です。


絵画コンクール 表彰式

2008年10月28日 | 景色
25日の土曜日、小川原脩記念美術館で絵画コンクールの表彰式が行われました。



 入選された1年生から6年生までの子供たちに美術館から賞状が、建築士事務所協会後志支部から副賞の図書券が贈呈されました。当日、私が徳島にいおりましたので、協会からは横関建設工業のT岸常務さんに代役をお願いいたしました。
 子供たちの話は聞けませんでしたが、これから、小川原脩記念美術館・共和町の西村計雄記念美術館・岩内町の木田金次郎美術館で展示されますので、多くの方に観ていただきたいと思います。
作品などの紹介は、小川原脩記念美術館のHPでご覧下さい。
http://www.town.kutchan.hokkaido.jp/town/somoa/furusato_prize.jsp




PS.ブログのテンプレートの模様替えしました。柄が昨年から使っている名刺のデザインに似ています。また、緑のgooでもあります。

木質構造

2008年10月27日 | すまい
木質構造の勉強会に参加してきました。



 先日、徳島でお会いした大分大学の井上教授が札幌に来るというので、マイクミさんのU田さんの事務所で勉強会が企画され、便乗させていただきました。井上教授は、以前、北海道建築士会でも講演をしていただいたことがあります。
 今回は「木質構造の構造設計と新たな試み」という演題で、木質構造設計の基礎知識、木造住宅の耐震診断と耐震補強、先生の研究テーマである竹接合についてのお話で、具体的な計算の仕方ではなく、総論あるいは概論といった内容でした。



 丸竹接合については、以前の講演会で聞いていたのですが、2年前の愛知万博での長久手の日本館では、6万本の竹接合具を行ったそうです。また、竹接合具もレベルアップしていて、竹を圧縮して作られたものはスチール製と同じ強度を持つそうです。

 木質構造のいろんなテキストを紹介してくれたのですが、今年、購入した本が結構ありました。今年から、住宅の混構造3階建て(1階がRC車庫、2・3階が木造の住宅)の建築確認申請に構造計算が義務付けられたの少しずつ勉強を始めたところでした。今回の話を聞いて、もっとペースを上げなければと思った次第です。
 先生の話の中で、ためしてガッテンな話が結構ありました。よく我が家は柱が太いから頑丈だという方がいらっしゃいますが、木造は接合部が重要で、いくら太い柱や梁でも接合部がしっかりしていないと簡単に潰れてしまうし、乾燥の度合いによっても強度に影響してしまいます。
 また、木造住宅の耐震改修について、大分県では60万円の補助(国が半分負担)がでるそうです。避難所の学校の耐震化を進めるのも大事ですが、避難する人を減らす(住まいが潰れなければ避難しなくてもよい)住宅の耐震化のほうが優先されるべきである。それも、100%耐震化するだけではなく、20のものを60程度に補強することも大切なことである。つまり、20点から100点にするには大変で、60点でも効果は0ではない。という話です。こんな柔軟な姿勢が望まれるのでしょう。
でも、補助がない我が町では、それ以前の話なのですが・・・。

 目から鱗のような話を聞くことができました。その後、第2部は、近くのお店で美味しいものを頂きながらのお話でした。

全国大会その2 

2008年10月26日 | 建築士会
全国大会での自主研修です。



 「阿波十郎兵衛屋敷」で阿波の人形浄瑠璃の上演を見ました。初めての体験です。伝統芸能はすごいです。
 阿波は、文楽と違って屋外での公演がメインなので、人形も大きく、光沢があるそうです。屋敷のすぐ近くの「阿波木偶人形会館」で、人形づくりの解説を一通り聞いてから浄瑠璃を観たので、余計に感心したのかもしれません。ヒノキの丸太を削ってつくり、目、口、眉など様々な細工(からくり)が施されて、一体の人形ができるまで相当な時間が掛かるようです。



 徳島はなんと言っても阿波おどりです。昨日の大会でも「のんき連」の踊りを見せてもらいましたが、芸術といってもいいのでしょうが、生活の一部になっているのでしょうね。
踊る阿呆に、観る阿呆、同じ阿呆なら踊らなそんそん。というように、同じ建築士なら建築士会員にならなきゃと言っているようです。



眉山から見た徳島市内。

全国大会その1

2008年10月25日 | 建築士会
第51回建築士会全国大会(とくしま大会)が始まりました。



「阿波の地で連(REN)に学ぶ」-市民と建築士が協働する もの・まち・くらしづくり-をテーマに徳島市のアスティとくしまをメイン会場に開催です。また、サテライト会場を街中の東新町・水際公園として建築士会だけではなくまちづくり団体や高校生・NPO・商工会議所などいろんな団体もそれぞれのイベントを同時に開催するコラボレーションな大会です。
徳島の阿波おどりでは、踊りのグループを「○○連」と呼んで地域や社会の連帯の証として古くからある文化ですが、その連の意味する地域との連帯を模索している建築士会のあり方を表現した大会であります。
 全国から3500人の建築士会員が集まり、昨年全国大会を開催した北海道からも100名を越す会員が参加しました。



 交流プラザと名前を変えた屋台村は、「ものづくり」「まちづくり」「くらしづくり」の三つのテーマに分かれて全国の単位会がそれぞれのブースで活動紹介です。北海道は、くらしづくりに青年委員会から士別支部が代表となって6月に行った青年建築士の集いの活動を紹介しました。
 また、プラザステージの「地域貢献を担う青年建築士の活動報告会」にも士別支部の高橋青年部長がパネラーとしてパネルディスカッションに参加して活動の説明や問題点を報告しました。地域との連帯や継続が課題です。

 昨年の北海道大会は、お金を掛けずにコンパクトな大会運営を目指していましたが、今年の徳島は、一転してお金掛かっているなと思わせる大会でした。大会誌やディスプレイなどどれも凝ったつくりになっています。
四国88ヶ所霊場の舞台となる徳島には、お遍路さんにほどこしをするといった「おせったい」の気風が古くからあり、おもてなしのこころの現われだとの話です。



 今年の懇親会も昨年の北海道と同様に野外での開催でしたが、新町川水際公園という街中の川縁を貸切にして、川の両岸に分かれて行われました。参加者が1300名でスタッフは大変だったと思いますが、面白い趣向でした。
川の中のステージでは、地元のビッグバンド「サニーサイド」のジャズ演奏です。倶知安のJAZZフェスにも出演したことがあるそうです。紹介の中で突然わが町の名前が出たので、ビックリです。また、倶知安JAZZフェスが有名なのもビックリでした。



 来年の52回大会は、山形県での開催(2009.10.16)です。
阿波おどりから花笠おどりへバトンタッチです。

PS:今晩も締めは徳島ラーメン。「阿波屋」です。


卯建(うだつ)

2008年10月24日 | 建築士会
 建築士会の全国大会で徳島に来ました。
 本大会は明日の25日ですが、当日では間に合わないので、前乗りです。
昨年の全国大会を北海道の帯広で開催した経緯もあり、全国から大勢の建築士の皆さんに来て頂いたので北海道建築士会の須藤会長の思いもあり、前年のお礼ということで北海道から100名を超える会員が参加します。
 今日はまだ大会がはじまっていないので、自主研修です。
徳島の脇町にお邪魔しました。



この町は「卯建(うだつ)」で有名な町です。
昭和63年12月に重要伝統的建築物群保存地区に指定され10年間で88件の内44件が改修されたそうです。
通り全体がうだつのある建物が連なっているのですばらしいの一言です。
通りの人も自慢げ(誇りに思っている)ようです。





うだつの華麗さで栄華を誇ったそうで、最大の豪邸「吉田家」は、2億5千万円を掛けて修復したそうです。
町並みの外れにある「オデオン座」は西田敏行主演の「虹をつかむ男」で復活し、今も映画や演劇のほか文楽や浄瑠璃何かで盛り上がっているそうです。これが人知れずの文化ですね。うらやましい・・。



PS.番外編のおいしいものです。

・ひさびさの香川讃岐うどん。



高速の休憩所の「あなぶき家」のセルフうどん。





「徳島ラーメン」旭川ラーメンの感じで美味しかったです。最初、しょっぱいと思ったんだけど途中からそんな味覚も薄れ、結構美味しかった。

明日から全国大会。いろんな事を感じればと思います。

金融恐慌

2008年10月22日 | まちづくり
今朝、フジTVの「めざましTV」にニセコの話題が取り上げられていました。
世界同時金融恐慌?の影響でオーストラリアドルが100円から70円と30%も円高になったので、ニセコヒラフで続いている開発ラッシュに影響が出るのではないかといった話です。



 TVでは、北海道トラックスのOさんや役場のN係長がインタヴューにアジアに力を入れたいと答えておりました。
実際のところ、既に影響が出始めているようです。リーマンブラザーズの破綻のニュースが伝わった直ぐ後に不動産の購入をキャンセルした外国の事業者がいたそうです。また、10月に入って、土地の動きがストップしているようですし、冬の宿泊のキャンセルも出始めているようです。
ニセコの国際化は、もう現実のもので、世界の経済の動きと直ぐにリンクしてしまうようです。
今シーズンの観光客の動きがどうなるか、心配です。
踏ん張って、持ちこたえてくれたら、ニセコの国際化も本物といえるのでしょう。しかし、不動産への投資にはブレーキが掛かるのは、必至のような気がします。何せ今までが異常といえますから。ここで、落ち着いて、じっくりニセコを大事に開発して、息の長いリゾート地として成長してくれるといいのですが・・・。

そんな話を友人のYさんと久しぶりにしました。

絵画コンクール 審査会

2008年10月15日 | 景色
 9月30日で募集が締め切られた「ふるさとを描こう」絵画コンクールの審査会が行われました。



 小川原脩記念美術館の主催で我が(社)北海道建築士事務所協会後志支部が協賛している絵画コンクールです。募集の範囲は、小樽市を除く後志支庁管内の19か町村の小学生です。協会としては、ポスターの印刷や受賞者に対する副賞などをバックアップしています。
 子供たちが思っている「ふるさとの風景」がどんな風景なのか楽しみにしていました。応募作品は、地元の倶知安町はじめ古平町や寿都町など22の小学校から168点の作品が集まりました。内訳は、1年生が25点、2年生7点、3年生8点、4年生49点、5年生39点、6年生40点です。クレヨンや絵の具を使った力作ばかりでした。





 審査員は、画家の徳丸先生、高校の美術の本庄先生と美術館の矢吹館長さんの3人です。優秀賞は、各学年1点ですので、審査員の先生がこれはと思った作品をまず選んで、その後3人で協議しながら優秀作品が選ばれました。
 色使いや構図、ふるさとの捉え方などがポイントになって選ばれました。
ふるさとの風景には、「羊蹄山」が圧倒的に多く描かれていました。地元の小学生が多いからなのでしょうが、ニセコアンヌプリではなく羊蹄山でした。また、海岸沿いの子供たちは、やっぱり「海」を描いているようです。6月からの募集でしたが、冬景色の作品もありました。その中に、倶知安の雪トピアフェスティバルの大きな雪ダルマが描かれていたのにビックリです。雪ダルマもふるさとの景色になっているのでしょうか。
 6点の優秀作品は、2・3日後の北海道新聞で発表になります。表彰式の日程は、まだ決定していませんが、今月と11月にかけて優秀作品は、小川原脩記念美術館、西村計雄記念美術館、木田金次郎美術館に展示されます。また、他の応募作品は、倶知安町の文化福祉センターで展示されます。
多くの人たちに、子供たちの作品を見てもらいたいものです。

プルサーマル計画

2008年10月12日 | 暮らし
「プルサーマル計画に関する公開シンポジウム」に行ってきました。



 受付で会ったM道議さんに「山越えてやってきたのかい」といわれました。泊原子力発電所や今回のプルサーマル計画にしても、岩宇地区の泊、神恵内、共和、岩内町だけの問題のようで、30kmぐらいしか離れていない山を越えたわが町では、話題にも上っていないのが実情です。プルサーマル計画がどんなものか、ぐらいは知っておかなければと思い、出かけてきました。
 泊では、3号機が建設中で、来年の2月には試運転が行われる予定だそうです。その3号機の燃料にウラン燃料だけではなく、リサイクルされたMOX燃料を使いたいという計画で、当初計画の変更であるので再度北海道や地域と協議を行ってから国の許可を得るため、有識者会議や意見を聞く会などで様々な意見を聞きながら判断がされることになります。
 今回のシンポジウムは、みんなで考えるプルサーマル計画と銘打って、北海道と地元4町村が主催者となって開催されています。
 はじめに、基調講演として佐和隆光立命館大学教授が「低炭素社会への誘い~洞爺湖サミットを振り返って~」と題した講演でした。従来の常識では考えられないような気候の異変が世界各地で頻発している。08年に入り、長期的な削減目標の達成(低炭素社会)の議論が盛んになり、電源構成の再構築が問われている。
続いて、プルサーマル計画に関する有識者検討会議の成田正邦会長から有識者会議の中間報告がありました。

 第2部では、「みんなで考えるプルサーマル計画」と題したパネルディスカッションが行われました。



パネリストは、プルサーマル計画の賛成者の大学教授と容認派の消費者団体(関西)の代表者2名と反対者の元大学講師と札幌の消費者団体代表、中間的な立場の有識者会議の副会長の5人で日本消費生活アドバイザーの方がコーディネーターとなってパネルディスカッションが始まりました。予定時間が30分も過ぎて始まったので、早足の進め方になりましたが、会場には、反対の立場の人が多く(私の印象)、反対のパネリストが意見を言うと拍手が起こるといった感じで進みました。話題のポイントは、プルサーマルの「必要性」と「安全性」について、パネリストがそれぞれの立場で意見を交わし、会場から質疑を受け、インターネット中継を行っている札幌会場からのFAXでの質疑を受けるといった進行でした。
岩内会場が374名、札幌会場が83名の入場者で、その他、インターネットでも同時放送を行っているそうです。会場からの質問には、札幌や南幌といった岩宇地区以外の方が多く、途中から地元優先にすると野次が飛ぶなど騒然とした空気になり、コーディネーターも声高になる場面もあり、プルサーマル計画の是非というより、原子力発電反対の質疑になってしまった感がありました。
 既に2基の原子力発電が行われ、来年には3つめが稼動するなかで、燃料をどうするかが問われているので、もっと、冷静な議論が望まれるのだろうと感じました。また、地元の方はどの様に考えているのか。声の小さな町民の声をどの様に吸い上げるのかが大事なような気がしました。

特定用途制限地域

2008年10月10日 | まちづくり
町議会の経済建設常任委員会に特定用途制限地域の制定の説明がありました。



 今年の2月に準都市計画区域に指定され、3月に景観区域に指定されたニセコひらふ地域を対象として、多くの観光客が訪れるリゾート地に相応しくない建物の建設を制限し、美しい景観や自然環境を残したリゾート地にしようということです。
来週には、町都市計画審議会に説明が行われ、11月には町民に対する説明会が開催され、来年3月の議会での条例化を目指しています。
 具体的な計画は、12の景観地区をスキー場の近くで商業・宿泊施設の建つ地域、畑などがある田園地域、別荘地域、市街地に隣接している地域の5つの地区に分けて、それぞれの地区に建ててはいけない建物、例えば、風俗営業施設、パチンコなどのギャンブル施設、工場や大型商業施設などの建設を規制するものです。
市街地は、既に都市計画区域となっており用途地域として指定されているので、建設できる建物の制限がされています。これは、建築基準法で決められており、全国一律の規制です。特定用途制限地域は、町が自主的に建築物に対して細かい規制を加えることのできる地域で、景観だけではなく、まちの構成も秩序のあるリゾート地として整備していくことができます。
 委員会では、「用途を制限することで自由な開発を阻害し、経済活性化に水を差す。」「規制緩和に逆行する。」「開発の度合いに合わせて改正できるものでなければダメだ。」といった特定用途制限地域制定に反対的な意見も出され、景観条例の時と似た感じになりそうな予感がします。
経済優先の無秩序な乱開発を許すのではなく、秩序ある開発を誘導し、リゾート地として質の高い地域にすることで経済の活性を進めるのが、都市計画であろうと思うのですが、条例制定までの道のりは平坦ではなさそうです。