北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

祭りの後・・・

2009年04月30日 | まちづくり
雪が融け、祭りの後始末です。



 2月に行われた「雪トピアフェスティバル2009」。雪が融けて、ゴミや砂利拾いを実行委員長を先頭に実行委員会のメンバーや役場の職員で行いました。
会場は、雪が無いシーズンは、多目的広場の芝生。そこに雪を運んできたりするためにゴミや砂利が一緒に運ばれてくるので、雪が融けると実行委員のスタッフがゴミ拾いを行います。芝生で遊ぶ子どもたちやスポーツの練習をする人が怪我をしたりしないようにと行っています。
 祭りの後は、充実感と虚しさがいじ混じるものですが、次回に向けた収穫もたくさんあったようです。

また、来年もお楽しみに・・・。






楽園バヌアツ

2009年04月22日 | 楽しみ
 元栗山町長の川口孝太郎さんの講演会に行ってきました。中小企業家同友会しりべし小樽支部山麓地区会と南後志法人会青年部の主催の「国際交流セミナー」です。



 川口さんは、元々北海道庁の都市計画の専門家で、栗山町長の前職は釧路支庁長をお勤めになっていたそうです。確か、20数年前わが町で都市交通システムに関する講演を行われたと記憶しております。
 川口さんは剣道5段の腕前で、剣道を通してNPO法人WAOの古谷理事長と親交があり、前倶知安町長の伊藤さんとも親友であるとの縁でこの度の講演者となったようです。
 川口さんは、2年前に2期8年勤めていた栗山町長を退任され、JICA(国際協力機構)のシニア海外ボランティアとして、南国のバヌアツ共和国に都市計画の指導者として2年間従事され、この3月に北海道に帰ってこられたそうです。



 川口さんは、高校生の頃にドイツのシュバイツァー博士の伝記にえらく感動し、自分も海外でボランティア活動をしようという夢を持ったそうです。道職員、町長と50年近く働いているときもその夢を忘れることはなく、奥様にも何度となく夢を語っていたそうです。そして、60を過ぎ、50年暖めていた夢を実現しなければ、死んでも死に切れないとの思いから、バヌアツへ旅立ったとのことです。
 バヌアツでの2年間は、まちづくりの指導と剣道の指導を行ったそうです。剣道は、楽しみというより日本の精神や心を伝えたくて、指導していたそうです。帰国前に、バヌアツの弟子たちに「何時までも夢を持つこと。そして、実現する努力をすること。」「夢は必ず叶う」と伝えたそうです。 
 素晴らしいな!と感銘しました。

 バヌアツ共和国は、人口20万人の小さな島国で、面積は新潟県ほどだそうです。1980年に英仏共同統治から独立した若い国で、4万人が住む首都のポートピア以外は、電気も水もない自給自足の生活だそうです。
 島中に食べ物があるので、働く必要もなく、お金を使わなくても生きていけるそうです。農業をする必要もなく。特別に、お金が必要ではないそうです。
「働くとは」どういうことか、分らなくなったそうです。
日本では、生きていくため、食べていくためにお金が必要で、お金を得るために働きます。お金がなくとも生きていける国では、日本の常識は通用しないようです。
地球は、広いんだなーと思います。いろんな世界があり、こちらの常識が通用しないところがいっぱいありそうです。
先進国の常識で判断することは、恐れ多いことかもしれません。

 ただ、イギリスやフランスといった白人に統治されていたので、白人に押さえつけられ卑下しているように見えたそうです。バヌアツ人としての誇りを大切にしてほしいと思ったそうです。

 ここ暫く、景気の悪い、暗い話ばかりですが、世界同時恐慌なんて関係のない(お金が必要ないのですから)、楽園のようなバヌアツを知ることができ、考え方を改めないといけないなと思ったひと時でした。

学校適正配置

2009年04月21日 | まちづくり
 臨時議会で、教育長より行政報告がありました。
 昨年7月に設置された「倶知安町学校適正配置審議委員会」に対する「小中学校の適正規模・適正配置の基本的な考え方及びその具体的な方策」について諮問した中間答申の報告でした。
 昭和56年以前に建設された2つ中学校は、耐震診断調査の結果、Is値が0.3前後の部分があり、耐震化工事が急がれています。また、築30年が過ぎ大規模改修工事も必要となっています。
そこで、小学校については、時間を掛けた継続審議とし、中学校について施設の安全安心を優先して、集中的に審議をした結果「2つの中学校を統合することが適正な規模の学校である」との中間答申を得たとのことでした。
 H21年現在の2校の中学生の総数が403人で12学級です。H26年の予想でも408人で、10年後のH32年でも多くて450人と推計されるようです。中学校が2校に再編成された昭和54年で840人、昭和58年がピークで914人で、現在はその50%以下の状況となっています。つまり、生徒数が1校分の人数に減少してしまったということです。
これらを踏まえ、生徒の教育環境、学校運営、学校管理の観点から普通教室12学級以上が適正規模と考えるということで、「統合」することが良しとの結論に達したとのことです。
 今後の課題としては、校舎をどうするのか(1校舎を改修するor新築する)、残った校舎をどうするのか(1校or2校、解体or再利用)。7月を目途に策定する「中学校適正配置基本計画」で明らかになります。
策定に当たっては、パブリックコメントの募集・地域説明会など町民の意見を聞きながら策定するとのことですが、基本計画素案の発表前にもいろんな意見を聞きながら素案を作ってもらいたいものです。素案が出来てしまえば、修正や変更など町民の意見などが反映されることが極めて少ないのが実情です。
是非、町民との協働による計画を作ってもらいたいものです。

 現在、4校ある小学校の適正配置については、先送りになりましたが、900人を切っている児童数を考慮し、集中した審議が望まれます。

ふるさと雇用再生

2009年04月21日 | まちづくり
 第3回臨時議会が招集され、5800万円の一般会計補正予算が追加されました。
内容は「ふるさと雇用再生特別対策事業」に4827万円、「緊急雇用創出推進事業」に973万円が盛り込まれました。国の緊急雇用対策の交付金事業です。
 「緊急雇用創出推進事業」は、離職を余儀なくされた方々のための次の雇用までのつなぎの雇用機会の支援を目的としており、6ヶ月未満の就業期間で農業(花園牧場の整備等)・林業(町有林の整備他)・観光(フットパスの新設整備等)・教育(風土館資料整備等)の4部門で10名ほどの雇用が確保されます。
 また、「ふるさと雇用再生特別対策事業」は、1年以上の雇用を対象に地域のニーズや地域の発展が見込まれるもので継続性のある事業に対する交付金事業で、町では観光振興に特化した事業が提案されました。
3月に策定された「倶知安町観光振興基本計画」に掲げられている事業の一部で「アンテナショップ新設」と「各国商品開発及び観光ガイド育成」です。両事業で14名の雇用が創出されます。
「アンテナショップ新設」は、町の特産品や農産物の販売や観光案内を目的としており、住民の要望が多い「道の駅」的な役割を担うことになります。事業運営団体は、ようてい農協・商工会議所・商店連合会・観光協会・NPOのWAO・青年団体協議会などによる新規の協議会が受け持つ予定だそうです。また、「各国商品開発及び観光ガイド育成」では、自然ガイドや多言語ガイドの育成が中心で通年型の滞在型観光メニューの創出に繋がることが期待されます。
いずれの事業も3年間継続して行われる予定ですが、是非とも、恒久的な事業継続を目指し、ニセコ・ようていの観光の目玉となるように頑張ってもらいたいものです。

09年グリーンシード21

2009年04月19日 | まちづくり
 グリーンシード21の09年総会が開催されました。



 入会して丸2年が経ちました。GS21は、14年目を迎えるそうです。現在会員が62名おり、各地のまちづくりに活躍されている方々ばかりです。役員改選が行われましたが、引き続き蘭越町の熊谷さんが会長を勤めます。
 フォーラムでは、釧路公立大学の小磯修二学長さんと北大大学院法科研究科の山崎幹根教授の「景気後退期の自治体運営はどうあるべきか」と題した講演が行われました。



 小磯学長さんは「地域経済の衰退に地方自治体はどう向き合うのか」について講演をしてくれました。
地域外から稼ぎ、地域内で経済を循環させることが大事である。特に観光産業は、外から観光しに来てもらい、地域での雇用創出にも繋がる。保護主義ではない地域ブランド育成の政策の必要性を説かれました。
まさに、我がニセコ・ようてい地域が進もうとしている路です。交流会でお話させてもらいましたが、小磯学長さんは、ニセコに調査に来られたりと私が説明する以上に詳しく知っているのでした。現在までのニセコひらふの活況は、オーストラリアなど外国の方が、自国のデザインや家具・電化製品を持ち込み、自国の人を呼んできている。自国のための外地的な役割を担っているだけで、ニセコ地域の経済にはそれほど貢献していないのではないかと分析されていました。コンドミニアムなど施設の投資は、地域外の建設会社が受け持ち地域への経済効果も投資額のほんの一部で、旅行者が支払う宿泊費なども外国のオーナーに回っているのが殆んどだろうと思います。しかし、地域での雇用や商店での買い物などの効果はあるので、経済効果がないわけではないのです。今後、どの様に効果を高めていくのかが問われているのだと思います。世界経済が減速した今こそ、地域で知恵を出して、魅力ある地域にしていくことこそ、求められている課題なのだと思います。

 山崎教授は、「道内自治体の現状と課題、今後の方向性」について講演してくれました。
開発局の廃止問題や元に戻ってしまった支庁制度改革の話の後、自治の「質」をいかに高められるかという事で3つキーワードを示してくれました。まず、いかに住民参加型の自治運営を行うか。地方税を滞納なく徴収できるか。現在行っている町の仕事の質を高められるか。が重要であるとの事でした。
しりべし広域連合に触れ、税の滞納率が高いことでわが町を紹介されてしまいました。よーく、精査しなければならない課題です。

 今回は、随分と身に迫る話が聞けました。

建築士定期講習

2009年04月15日 | すまい
 建築士定期講習に行ってきました。



 昨年の11月28日に施行になった改正建築士法で建築士事務所に所属する建築士に対して、3年毎の定期講習の受講が義務付けられました(建築士法第22条の2)。講習は、(財)建築技術教育普及センターが行い、春期は(社)北海道建築士事務所協会、秋期は(社)北海道建築士会が協力して行います。私は、両方の組織に所属していますが、今回は支部の事務局も引き受けていることもあって事務所協会の講習を受講しました。
 4月から6月に7会場で実施されますが、1回目の札幌会場には、約600名の建築士さんが受講され、5時間の講習と1時間の終了考査(テスト)を行いました。
講習内容は、平成19年6月施行の改正建築基準法と平成20年11月施行の改正建築士法の解説。建築に関係する特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律など各種法律の改正内容の解説。建築士の職業倫理や社会制度、最近の新技術や重要技術の解説などが主たる講義でした。講義終了後○×式のテストがありました。テストが不合格であれば、再度受講しなければいけないので、皆さん真剣に受講していたようです。テスト問題も数種類あったようで、ズルできないような仕組みであったようです。(姉歯事件以来、建築士の信用は丸潰れのようです)
 国家資格を持っている者に対する更新的な講習に対しては、医者や弁護士はどうなのといった議論はあるけれど、今回の事件を真摯に受け止め、法的な責任と職業倫理を持って、消費者に信頼され建築士としてならねばと思うところです。

新聞の力

2009年04月14日 | まちづくり
 4月14日の北海道新聞の後志版に、議員報酬削減に伴う予算修正動議に関する町幹部のコメントに対するコラム(雑記帳)が掲載されていました。



 新年度を迎え、町長が職員に対して「取材への発言は慎重に」と注意したことに対して、記者は報道規制と捕らえたのかもしれません。
このコラムを町民はどのように捕らえたのでしょうか?
「真意に目向けないのか」といった断定的な題名で、町議も町長もダメのレッテルを張ったようです。
 「町幹部の発言の真意」とは、何なのでしょうか?
記事では、「(職員も期末手当を削減しているのに)町議だけが自らの削減分の使途を決めるのはおかしい」と指摘しています。予算の編成権は、町長にあり、町長の政策に則って予算を組んでいるのは、町幹部であり、職員の削減分の使い道は既に自分たちで決めて予算を提案しているのです。議会には、予算を修正することはできても、予算を提案することはできないのです。
「町幹部の発言の真意」とは、議会は余計なことはするな、ということなのでしょうか。
 「修正動議への批判が相次いだ」とは、どこで起きているのでしょうか?
削減分の予算の使い道には、プレミアム商品券の補助(提案予算に組込み済み)を増額してはどうか。予算が無いといって一向に動きを見せない、一昨年末の定例会で提案しているリフォーム助成制度に使ってはどうか。といった案もでた中で、町長の提案した予算(政策)に影響のない、将来の倶知安を背負う子どもたちに使うことで意見の一致をみたので、修正に踏み切ったのです。
新年度に町長による補正予算で行っては、との反対意見(3名)もありましたが、削減された使い道の決まっていない不要費を含む予算を年度当初から執行するのは好ましくないとのことで、修正動議に踏み切ったのです。
ましてや増額修正でもなく、町長が提案したベストの予算には、手がついてはいない、実質的に提案予算可決なのです。
 なのに、話があらぬ方に進んでいます。
町民の半数以上の人が読む新聞に対抗する術はありません。議会として、町民一人一人に「真意」を伝えていくしかありません。町民あっての議会ですから、議会の動きを正しく伝えることが重要なことだと思うのです。

マーゴ・バトリー展

2009年04月06日 | 楽しみ
ST-GALLRYで開催中の「マーゴ・バトリー展」に行ってきました。



 マーゴ・バトリーさんは、オーストラリア在住の画家で、息子さんがニセコで働いているのが縁で倶知安に来るようになり、2月に小川原脩記念美術館でも作品を展示したそうです(残念ながら行けませんでした)が、今回、画家の徳丸さんの好意で展覧会ができたようです。
 水彩画の他にエッチングや版画もありました。特に水彩の風景画は、オーストラリアを描いているのでしょうけど、羊蹄山麓にあるような風景に似た感じがします。





数枚ですが、ポストカードを買いました。額を付けて飾ってみましょう。

徳丸先生の版画も頂いてしまいました。



ニセコ 高野珈琲店

2009年04月05日 | 楽しみ
ニセコ町の有島記念館近くにできた「高島珈琲店」でお茶してきました。



 昨年の夏にopenしたお店で、コーヒー豆の自家焙煎販売がメインの珈琲屋さんです。以前、知り合いから教えてもらっていたお店ですが、中々時間が取れなくて、やっと、来る事ができました。
ご自身で作られたセルフビルドの自宅兼お店だそうで、看板もない(道路沿いにこじんまりとしつい立?があります)のでうっかりしていると通り過ぎてしまうようなお店です。ご夫婦でやられているようです。
テーブルが3っほどで10人も入ると満杯になってしまう小さなお店ですが、窓からは羊蹄山や有島の山林が見えて、とってものんびりできます。



独自のブレンドがあり、「森のブレンド」と「春のブレンド」を頂き、「春のブレンド」の豆を挽いてもらいました。
明日から事務所で飲むことにします。

ニセコや倶知安に少しづつですが、魅力的なお店が増えてきています。

くっちゃん暮らしの相談会

2009年04月04日 | 暮らし
 倶知安商工会議所主催の「くっちゃん暮らしの相談会」に(社)北海道建築士事務所協会後志支部として出展しました。



 建設系を中心とした展示会ですが、町内の18団体が参加しました。雪解けには、もう数日かかりますが、春とともにリフォームや新築を計画されている方への商品説明や相談の場を商工会議所が企画してくれました。
建築士事務所協会として「木造住宅の無料耐震診断」で参加させてもらいました。国や北海道では、平成27年までに耐震化率を90%に目標と定めています。町でも、今年から住宅の耐震改修助成を計画しているので、いくらかでも協力できればと参加しましたが、2件ほどの問い合わせに終わりました。
町でも、これから耐震化促進に向けて動き出すでしょうから、これに懲りずに協力していこうと思います。




 倶知安技能士会が協賛しています。
技能士会は、毎春「無料包丁研ぎ」のボランティアを行っており、300本以上の包丁を研いでいます。今年も、例年並みの包丁が届いたようです。
技能士会に参加している町内の技能士さんは、20年前には100名をゆうに越していたのですが、現在は30名ほどに減っているそうです。後継者不足や高齢化、仕事量の減少などが原因です。機械化や効率化などの名目で、人手を減らした製造工程システムやIT化など物づくりの仕方が変化してきたこともその要因にもなっています。大量消費に大量生産といった安い物勝ちが手造りを凌駕した結果、技能士不足を促進してしまっています。しかし、ここに来て、ストックやリフォームへの転換にきて、その担い手となる技能士不足がネックになりつつあるります。
業界による、自業自得のように思えますが、何とか手を打たないと、手遅れになってしまうような気がしてなりません。