北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

建築士会 全道大会

2008年10月04日 | まちづくり
北海道建築士会の第33回全道大会が「北に輝く未来都市へ-今こそ、豊かな環境の創造を目指して-」をメインテーマとして、苫小牧市で開催されました。



 北は稚内、東は根室、南は函館から、北海道各地から400人を越える建築士が集まりました。
4つの分科会が行われ、担当している青年委員会では、C分科会で「地球環境~新たな意識と新たな取組み」をテーマとして、講演とワークショップを行いました。
 今、「エコノミー」優先から「エコロジー」を第一に考える時代を迎えています。今年の4月から京都議定書に基づくCO2削減の実施が始まりました。また、7月には洞爺湖サミットが開かれ、環境に対する認識が高まっているときでもあります。耐震偽装や職の安全などただ単に「安さ」が求められた時代は終わり、安全で安心のできるもの、環境に優しいものが求めらています。



 長野から来ていただいた寺島今朝成先生は、「古き建築文化を現代の建築に生かす」と題して、古くから培われてきた日本の住まいづくりが如何に自然に逆らわない、自然と共生された住まいづくりであったか再認識させてもらいました。高断熱高気密の間違った作り方が結露やシックハウスを発生させおり、これに対して昔からある土塗り壁の持つ呼吸をする住宅が機械エネルギーに頼らない健康な暮らしができる住まいでありる、と模型や実験をしながら話してくれました。



 藤女子大の小林三樹教授は、深刻な地球温暖化の現状を紹介してくれて、その中で「温暖化に加担しない」「異常気象への対応(自衛)」など建築士としての役割を示唆していただきました。



 その後、小グループに分かれて「すまい」「まち」「くらし」を題材として環境への取組みについてのワークショップが行われました。
3グループよりWSで話されたことが発表され、小林教授から「ローカリティーを見直した取組みに期待したい」とのコメントがありました。
 建築士は、環境に優しい「すまい」や「暮らし方」そして「まちづくり」を提案する立場にあります。最前線で活動しているのが、若い青年建築士です。正確な情報を得、研鑽を積み、日々の仕事は勿論ですが、建築士会活動も「環境」を念頭におこながら活動を続けてもらいたいものです。
地材地消、ウッドマイルズ、省エネなど、地球環境に優しい取組みが数多く提案されています。それらを消費者に伝えることができるのは、若い青年建築士です。大いに、活躍してもらいたいものです。
 
 C分科会には、社)日本建築士会連合会の木村青年委員長も東京から駆けつけてくれて、有意義な分科会であったように感じました。

 また、分科会以外で、大会の基調講演でスケートの堀井学さんが「夢への挑戦」と題した講演を行ってくれました。夢に向かって、諦めずに努力するといった内容で、子供たちに聞かせてあげたい話でした。