北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

ポスト

2005年10月31日 | カラマツ住宅
だんだん寒い日が多くなってきました。
今朝はニセコの山にも雪が見えました。

既製品の郵便箱(ポスト)になかなか良い物が見つかりません。
そこで、外壁の羽目板の半端材(余り物)でポストを作ってもらいました。
取手は、階段手すりの丸棒を2cm切って使っています。
丁番やラッチもホームセンターで売っている安物を使っていますが、
まあ、そこそこに見えます。
昔はこんな牛乳受けがありました。
玄関ドアにポスト口を付けると外に出ないで郵便物を取り出せて便利ですが、
断熱や気密性能を保つのが難しいです。
朝、外の空気を吸いながら新聞を取るのもいいんじゃないですか。

ポーチの床

2005年10月30日 | カラマツ住宅
M邸では、玄関にいたるポーチを板張りにしました。
冬には、雪が積もったり滑りやすいところです。
タイル貼りだと吹き込んだ雪などが取りづらく、
どうしても滑りやすくなってしまいます。
なかなか雪国に合ったタイルがありません。
ヒーティングすればよいのですが、余り機械や設備に
頼らずに自然に暮らしたいので、板張りとしてみました。
雪除けにスコップで突いて多少傷が付いても、
コンクリートの床にボルトで取り付けているので、
傷んできたら取替えるのも簡単です。


クマゲラのご挨拶2

2005年10月29日 | カラマツ住宅
M邸に続きK庵にもクマゲラがやってきました。
今年の1月、最初に訪れたのはK庵でしたから、戻ってきたというのが正解なのかもしれません。(同じクマゲラとしたらだけど)
春からしばらく来なかったものだから、7枚ほど張り替えたのだけど、
今回は断熱材まで突いています。
また、忍耐の日が続きそうです。

周りにたくさん木があるのに、どうしてなんでしょうか?

オール電化

2005年10月28日 | カラマツ住宅
小樽でオール電化セミナーに参加してきました。
いろいろな講演会に参加するのもいいものです。
新たな知識を得たり、自分のやっていることの裏付けを得たり出来ます。

実はM邸もオール電化住宅なのです。
お湯は電気温水器、台所のコンロはIHクッキングヒーター、暖房は電気暖房による床暖房なのです。
温水器やIHなどは比較的採用されやすいのですが、暖房もとなると二の足を踏む方が多いです。
しかし、オール電化にすることによってメリットが倍増します。
電気の契約がグンと優遇されて安い電気代となります。
クリーン、安全、安心はもう定番のメリットですが、その副産物として、火災保険の保険料が安く(AIUで20%OFF)なったり、住宅ローンの金利が優遇されています。



今回、電気ボイラーにしたのは、床暖房の床パネルに低温水式暖房の「うららⅡ」(富士環境システム http://www.fek.jp/)を採用していたのも理由のひとつです。
「うららⅡ」は、管径が太い銅管に熱伝導効率が高い銅パネルを使っているので、ボイラーの温水温度が40℃程度で十分なのです。
電気も余り使わなくてもよく、ボイラーの設置場所を選ばないというのもいいですね。

また、オール電化の最近の売りは、災害に強いことだそうです。
地震等の被害を受けた後、復旧が一番早いのが電気だそうです。ガスや水道は2週間ほど掛かるそうです。
そして、温水器のタンクは、360Lとか470Lの水を貯めているので、2・3日はしのげるそうです。
オール電化には、思わぬメリットがあったんですね。
最近は灯油の値段が倍ぐらいに値上げされてきています。益々、オール電化が普及しそうですね。
北海道ではもう7万戸もオール電化住宅なんだそうです。


2005年10月27日 | カラマツ住宅

建築家 清家清氏によると「窓」は「間のあるところつけた戸」で、
「window」は「風が通るところの戸」であり、日本的な意味合いが
違うそうです。(林昌二氏談)
窓は、風が通るだけではなく間合いといった奥ゆかしさがありそうです。

M邸の「窓」は、木製断熱サッシュ(オリンピアウインドウ)です。
しかも、地元の積丹で採れたカラマツで作っています。
メーカーも小樽の株)新宮商行ですから地ものと言えます。
つまり、地元で採れた材料を地元の会社で作り、地元の人が買う「地材地消」です。
受注生産ですから寸法や塗装もオーダーで今回は赤色(マホガニー)にしてみました。
外壁もカラマツの羽目板ですから、上手くマッチしていると思います。



この窓は、浴室の窓です。
窓が額縁となっり、キャンバスに白樺の木立が映って見えます。
まさに、森林浴です。

ペレットストーブ

2005年10月26日 | カラマツ住宅
今日は昨日とうって変って暖かな日に戻りました。
でも、冬支度は着々としなければなりません。

M邸で、ペレットストーブの試験炊きをしてきました。
主暖房は、電気の床暖房なのですが、春や今時期の一寸暖が欲しい時や
炎を見ながら団欒といった時のためのストーブです。
オーナーは、当初「薪ストーブ」がほしいといっていたのですが、
煙突の設置や薪の用意、メンテナンスを考えてペレットストーブにしました。

ペレットストーブは、木質ペレットを燃料とするFFストーブです。
室内の空気を汚しませんし、大げさな煙突もいりません。
燃焼温度が高いのでCO2も大幅にカットでき、灰も少量です。
灰は肥料に利用できるそうです。
もっとも重要なことは、燃料のペレットが環境に優しいということです。
木屑や樹皮やおが屑など捨ててしまう物を木質ペレットに加工しているのです。
元々吸収しているCO2を燃やしてCO2になりますが、プラスマイナス0です。
そして、林業関係者にお金が回るので、森林の育成に繋がっていきます。

ペレットストーブの横に座り、雪景色を見ながら冷たいビールを飲むなんて良いですね。

冠雪の羊蹄山

2005年10月25日 | 景色
寒いです。
羊蹄山が今シーズン2度目の冠雪です。
初冠雪が10月3日(例年より1日遅れで昨年よりは19日早いそうです。)でしたから、3週間振りの寒さです。
町内でもチラチラと雪が降りました。いよいよ冬将軍が動きだしたようです。
町では、冬に備えて庭木の雪囲いが始まっています。

散水栓

2005年10月24日 | カラマツ住宅
通常、車の洗車や庭での水まきのための散水栓は、水道の蛇口を地面の箱にセットしているのが一般的です。
必要な時に蓋を開け、蛇口にホースなどを接続して使います。
でも、地面の中に蛇口があるので、開け閉めやホースの接続がしづらいです。
そこで、靴洗いの蛇口のように地上にセットしてみました。
配管は床下になるので、メンテナンスや水抜きもしやすいです。
雪国の高床住宅ならではの納まりだと思います。
蛇口の下にある水瓶は、古物商で見つけたものです。
ちょっとジョウロで水まきといったときに便利です。

犬走り

2005年10月23日 | カラマツ住宅
建物の軒下などの外壁に沿った周囲の地面を砂利やコンクリート敷きにして固めた部分を「犬走り」と呼んでいます。
雨が降って建物に泥がはねるのを防いだり、雑草が生えないように砂利やコンクリートを敷いています。
特に北海道の多雪地域では雨樋を付けないので、泥はね防止が主目的のようです。
(雨樋は屋根の雪で壊れてしまう)
以前は川の豆砂利が主流でしたが、最近は切込砕石が一般的です。
このカラマツ住宅では、犬走りの材料として「カラマツのチップ」を敷きました。
雨も吸い込み、雑草も生えづらいのです。何と言っても砂利より軽く、扱いやすく、古くなって土に同化するので自然に優しい材料です。
「カラマツのチップ」は、フワフワと歩き心地もよいのです。
最近では、公園の遊歩道などにも木材チップが敷かれていたりしますし、富良野のプリンスホテル周囲の遊歩道も木材チップで出来ており、足が疲れませんでした。


清家清展・札幌

2005年10月22日 | 雑感
札幌市立高等専門学校で開催されている「建築家 清家清展・札幌」に行ってきました。
特に今日は建築家林昌二氏の記念講演会「清家清の世界」が行われる日です。
事前の申込では、定員オーバーでキャンセル待ちでしたが、運良く入場でき、しかも一番前の席に座ることができました。
林氏は清家清氏の教え子(3期目)で最初の住宅である「森博士の家」の竣工時の話から「私の家」をはじめとする清家一族の住宅の設計や思想をわかりやすく解説してくれました。
特に清家清氏の特徴として、
1.暮らしから考える。(生活の設計)
2.鮮やかな発想を大切にする。
3.エンジニアリングを大切にする。(構造に裏打ちされた設計)
4.住宅と非住宅を区別しない。
といった人の生活や暮らしの設計をした建築家であったようです。
展示場のビデオの中で清家清氏が、
「家にはふたとおりの言い方がある。HouseはハードでHomeはソフト。Houseは地震で壊れるが、家族の絆が強ければHomeは壊れない」との言葉が印象に残っています。
久しぶりに気持ちの良い時間を持てました。
「清家清展・札幌」(http://picasso.sapporo-sa.ac.jp/seiketen/)は、11月5日(土)まで開催しています。