先日、いつも元気印の私が、珍しく風邪をひいた。
しんどくて何も出来ない頃に、主人が「読んでみるか?」と
貸してくれたのがこの本。
第1刷発行が2012年だし、映画化もされて今上映されているので、
本は読まずに映画を観て済ますつもりだった。
しかし
寝ながら出来る事といえばTVを見ることくらいだったから、
それよりはこの本を読む方が面白いだろうと思って読み始めてみると、
創業者の美しいまでの決断と、果敢な行動力に、ぐったりとしていた
心身に喝を入れられ、活力を注ぎ込まれた気分になった。
~ ~
感動の場面はいくつもあるが、その内の二つを紹介してみたい。
一つは、戦後丸7年も経ずして巨大タンカー(日章丸)をサンフランシスコに航行させたこと。
昭和27年1月9日、ゴールデンゲートを通過し、サンフランシスコ港に到着。
この日、日章丸の処女航海の成功を祝い、船上でパーティーが開かれ、
このパーティーにはサンフランシスコの政治家や財界人などが200名以上が集まった。
敗戦国の日本が世界最大級のタンカーでやって来たということが注目され、
彼らは美しく巨大な日章丸に感銘を受け、
招待客の一人で、当時世界最大の銀行であったバンク・オブ・アメリカ
(BOA)の極東部長ハリー・クィネルをして
「ゴールデンゲートをこれほど大きなタンカーが通ったことはない。
その船を造ったのが、戦争に敗れた日本人だということはすごいことだ」
と言わしめたことである。
* * *
二つ目は、敗戦後、日本の石油エネルギーを牛耳っていたのは
巨大国際石油資本「メジャー」たちだった。
日系石油会社は次々とメジャーに蹂躙される。
一方、世界一の埋蔵量を誇る油田をメジャーのひとつアングロ・イラニアン社
(現BP社)に支配されていたイランは。国有化を宣言したため、
国際的に孤立し、経済封鎖で追い詰められていた。
アングロ・イラニアンの全施設を接収したイランは世界に向けて
石油を売り出そうとしたが、イギリス政府は「イランの石油はイギリスのもの」
と宣言して、国際司法裁判所に提訴した。
さらに世界の国に対して、「イランの石油を買わないように」と警告を発したため、
大英帝国の怒りを買うことを恐れて、イランの石油を購入しようという国は
現れなかった。
そのため、イランは有り余る石油を抱えて、たちまち経済的に困窮した。
そんな中、イランの石油を積んだイタリアの船がイギリスの軍艦に
拿捕されるという事件が起きた。
しかし、出光創業者は
「イランの苦しみは○○商店の苦しみでもある。
イラン国民は今、塗炭の苦しみに耐えながら、タンカーが来るのを
一日千秋の思いで祈るように待っている。これを行うのが日本人である。
そして我が○○商店に課せられた使命である」
として
イギリス海軍による拿捕や撃沈の危険も承知で
イランのアバダンに向けて日章丸を極秘裏に航行させ、
石油の輸入に見事成功した。
そのことである。
* * *
自社のためだけでなく、国のため国民のため、
またイランのためにも闘った出光興産創業者の
その生き様に惚れた本だった。
自分も日章丸に乗ってサンフランシスコまで行き、
また、イランのアバダンにも同行出来た気分になって、
読み終わる頃には、勇気凛々、元気も頂いたのであった。
講談社: 著者 百田尚樹
しんどくて何も出来ない頃に、主人が「読んでみるか?」と
貸してくれたのがこの本。
第1刷発行が2012年だし、映画化もされて今上映されているので、
本は読まずに映画を観て済ますつもりだった。
しかし
寝ながら出来る事といえばTVを見ることくらいだったから、
それよりはこの本を読む方が面白いだろうと思って読み始めてみると、
創業者の美しいまでの決断と、果敢な行動力に、ぐったりとしていた
心身に喝を入れられ、活力を注ぎ込まれた気分になった。
~ ~
感動の場面はいくつもあるが、その内の二つを紹介してみたい。
一つは、戦後丸7年も経ずして巨大タンカー(日章丸)をサンフランシスコに航行させたこと。
昭和27年1月9日、ゴールデンゲートを通過し、サンフランシスコ港に到着。
この日、日章丸の処女航海の成功を祝い、船上でパーティーが開かれ、
このパーティーにはサンフランシスコの政治家や財界人などが200名以上が集まった。
敗戦国の日本が世界最大級のタンカーでやって来たということが注目され、
彼らは美しく巨大な日章丸に感銘を受け、
招待客の一人で、当時世界最大の銀行であったバンク・オブ・アメリカ
(BOA)の極東部長ハリー・クィネルをして
「ゴールデンゲートをこれほど大きなタンカーが通ったことはない。
その船を造ったのが、戦争に敗れた日本人だということはすごいことだ」
と言わしめたことである。
* * *
二つ目は、敗戦後、日本の石油エネルギーを牛耳っていたのは
巨大国際石油資本「メジャー」たちだった。
日系石油会社は次々とメジャーに蹂躙される。
一方、世界一の埋蔵量を誇る油田をメジャーのひとつアングロ・イラニアン社
(現BP社)に支配されていたイランは。国有化を宣言したため、
国際的に孤立し、経済封鎖で追い詰められていた。
アングロ・イラニアンの全施設を接収したイランは世界に向けて
石油を売り出そうとしたが、イギリス政府は「イランの石油はイギリスのもの」
と宣言して、国際司法裁判所に提訴した。
さらに世界の国に対して、「イランの石油を買わないように」と警告を発したため、
大英帝国の怒りを買うことを恐れて、イランの石油を購入しようという国は
現れなかった。
そのため、イランは有り余る石油を抱えて、たちまち経済的に困窮した。
そんな中、イランの石油を積んだイタリアの船がイギリスの軍艦に
拿捕されるという事件が起きた。
しかし、出光創業者は
「イランの苦しみは○○商店の苦しみでもある。
イラン国民は今、塗炭の苦しみに耐えながら、タンカーが来るのを
一日千秋の思いで祈るように待っている。これを行うのが日本人である。
そして我が○○商店に課せられた使命である」
として
イギリス海軍による拿捕や撃沈の危険も承知で
イランのアバダンに向けて日章丸を極秘裏に航行させ、
石油の輸入に見事成功した。
そのことである。
* * *
自社のためだけでなく、国のため国民のため、
またイランのためにも闘った出光興産創業者の
その生き様に惚れた本だった。
自分も日章丸に乗ってサンフランシスコまで行き、
また、イランのアバダンにも同行出来た気分になって、
読み終わる頃には、勇気凛々、元気も頂いたのであった。
講談社: 著者 百田尚樹
出光は、シェルとの経営統合に創業家が反対し、とニュースになっています。詳しいことは知りませんが、この本を読んでしまうと、なんとなく納得してしまう気になります。いえそんな簡単なことではないのでしょうけど。
治り際が肝心ですので用心して下さいね。
でも御主人様、やさし~~♡♡ね。
偶然にも昨晩、読み上がった本が敗戦国から立ち上がる人々の暮らしを描いた乙川優三郎著「脊梁山脈」でした。
「海賊と呼ばれた男」感動の一冊の様ですね。
未だ読んでおりませんが
何時か図書館に置かれた時には私も読んでみたいと思います。
私の絵の教え子の父親が出光社員でしたので
家族と共に20数年前にイランに向かいました。
既に戻って来ているのかどうかその後の事は解りませんが
イラン、出光・・の文字を見てふと昔が思い出されて来ました。
読んでみたくなります。評判の良い作品でも在りますしね。
それにしても、風邪で朦朧としている時の私などは読む気にも成れませんから感服します。又何か紹介してください。
お待ちしてます(掛、プレッシャー)
はい!船長のかっこよさにもしびれました~!
この船長になら一命を預けて悔いなし!と思わせますよね。
この時の乗組員が羨ましいです。
アバダンに到着した時には、もちろん泣きました!
国際的に孤立していたイラン国民にとって、日章丸は神の船に見えたでしょうね。
経営統合のニュースにも、この本を読んでしまうと複雑な気持ちになりますね。
広島カープが広島市民の球団であるように、創業者の血のにじむ努力を思うと、
出光も国民の会社であれば、、などと思ってしまいますね。
はい、お陰様ですっかりと良くなりました。
風邪で寝込んでいる私に、本を勧める主人もどうかと思いますが、
寝ながら読む私もどうかと思いますね(^^;
まあ、結果的には元気が出たわけですから、良いお見舞い品だったと思います。
そのお陰で読書熱に火がついて、今では主人の蔵書を読み散らしています。
たかさんも偶然に同時代の人々が描かれた小説を読んでいたんですね。
脊梁山脈ですか、図書館で見つけて読んでみますね。
「海賊と呼ばれた男」は、分厚くて上下二巻ありますが、面白くて一気に読み進められます。
是非読んでみて下さいね。
国と国とが信頼しあって付き合えるということは素晴らしいことですね。
出光創業者の努力が、こうした国際親善に今でも役立っていることに感謝したい気持ちです。
イランに行かれたご家族もその一翼を担われたわけですね。
有り難いことです。
うわあ~、そう言って頂くと紹介した甲斐がありますねえ♪
自分の感動を皆さんと共有したい、という思いでしたから、
読んでみたくなって頂くと、なお嬉しいです。
また感動したことがありましたらアップしますね。
(受、プレッシャー・・・笑)
体調がよくないときに よく読まれたものですね
感心しました。
ストーリーについて
名解説で・・よく理解できました
解説に感銘を受けました。
はい、いつでも何かしていないと落ち着かないというか、
まあ、しんどいと言ってもまだ余裕があったからでしょうね。
30年ほど前に肺炎で入院した時には、隣室の患者さんから「がん病棟」を借りて読んでいました。
入院中の人が読む本じゃあないですけど、貸す方も、借りる方も
どうかと思いますけどね・・・(笑)
名場面はまだまだいっぱいあります。
私の文章力ではとても紹介し切れませんから、ほんのさわりだけです。
「名解説」で満足されずに(笑)、是非全部読んでみて下さい(^_-)-☆
風邪を引いて休んでいる時に
こんな本を読まれたのですね。
自分が読んだような気持ちにさせられる
名解説でした(^^)/
戦後の混乱の中、世界をあっと言わせる凄さに
同じ国民で居られることを誇りに思いました
はい、風邪で寝込んでいなければ、この本は読んでいなかったと思います。
能天気な私に喝を入れるために、神様が風邪をひかせてくれたのだと、
そう思うことにしました。
少しでも、私の感動を皆さんにお届けしたいと思いましたの、
そう言って頂いて嬉しいです。
本当に、日本人として誇らしい気分になりますね。
昔の日本人はすごかった!と終わらせずに、これからも頑張っていきたいですね(^_-)-☆