~ 白馬八方尾根・白馬三山を背景に ~
左から白馬鎚ヶ岳・杓子岳・白馬岳
むかしむかしの、結婚前に勤めていた頃のお話。
職場では冬になると、老若男女入り混じって、
研修旅行と銘打ちあちこちのスキー場に遊びに行っていた。
メンバーの中には、元国体スキー選手だったという人がいて、
この時には、白馬八方尾根スキー場に連れて行ってもらった。
ずんずんとリフトで一番高いところまで上がって、
「さあ!ここから滑って下りるぞ!」
そう言い放って彼はサーっと滑って行ってしまった。
~ ~
他のメンバーも次々に滑って行ったが、まだ初級の私にはとても無理!
だって斜面は、私の目には断崖絶壁のように見えて、ちょっと間違えば
スキーもろとも谷底に滑り落ちて行きそうだった。
それもそのはず!このスキー場は最大傾斜35度、最長滑走距離8,000m、
ゲレンデはたくさんあるが、その大半が斜度が強めの中上級者向けで、
上級者が腕を磨くスキー場だというのであった。
~ ~
そんなこととは知らずに、負けず嫌いな性格がムクムクと頭をもたげ、
なんとしても滑り切りたい!
他人に負けるのはどうもないが、自分にだけは負けたくない!
そんな思いで何度も転びながら、乾く喉を雪で潤しつつ滑って行った。
途中何度か休んで周囲を見ると、そこには絶景が広がっていて、
眺めは良いが、ゴールが全く見えない悲惨な状況に一人ポツンといるのだった。
それでもとにかく下りるしかない!
泣いてもどうにもならない!
それからずいぶん経って下の方から声が聞こえた。
「おーい、早く来いよ~」
「はーい、頑張ってるんですけど~」
「日が暮れてきたからスキーを外して歩け!」
「大丈夫です!頑張ります!」
「ダメだ!遭難するぞ!」
その一言で私も諦めがついて、スキーを外して歩いて下りた。
自分一人なら暗くなっても滑っていただろうが、
遭難して皆に迷惑をかけてはいけないという判断だった。
しかし、この苛酷な経験は、
その後どのスキー場においても
恐怖心を抱かないという度胸を植え付けてくれた。
獅子は生まれて三日目の子を谷に突き落として、
這い上がって来たものだけを育てるという言い伝えがあるが、
今回は正に、この「獅子の子落とし」のようで、
苦難の道を切り拓き精神を鍛えるのに相応しい
「愛情あるしごき」だった。
~ 妙高国際スキー場 ~
こちらは日本初の国際スキー場。
広々としていて、私のような初級者でも爽快に滑ることが出来る。
~ 六日町ミナミスキー場 ~
(現在はムイカスノーリゾート)
こちらは素敵な林間コースがあって、一列になって滑り下りることが出来る。
さあ!行くぞ!
10人のメンバーが次々に出発。
私は真ん中あたりに挟んでもらって滑っていたが、
つい調子に乗って、前を滑る男性について行ったら、
急カーブを曲がり切れずに、谷に向かって大ジャンプをするはめに。
ぐるーっと折り返して下を滑っているメンバーが見える。
焦ったけれど、もうどうにもならないから、そのまま飛んだ。
もちろん、その後は雪の中に埋もれたが、皆が助けに来てくれて
怪我もなく無事にコースを滑り切ることが出来た。
度胸がついたのはいいけれど、
やはり身の程は知っておく必要があると学習した研修会となった。
左から白馬鎚ヶ岳・杓子岳・白馬岳
むかしむかしの、結婚前に勤めていた頃のお話。
職場では冬になると、老若男女入り混じって、
研修旅行と銘打ちあちこちのスキー場に遊びに行っていた。
メンバーの中には、元国体スキー選手だったという人がいて、
この時には、白馬八方尾根スキー場に連れて行ってもらった。
ずんずんとリフトで一番高いところまで上がって、
「さあ!ここから滑って下りるぞ!」
そう言い放って彼はサーっと滑って行ってしまった。
~ ~
他のメンバーも次々に滑って行ったが、まだ初級の私にはとても無理!
だって斜面は、私の目には断崖絶壁のように見えて、ちょっと間違えば
スキーもろとも谷底に滑り落ちて行きそうだった。
それもそのはず!このスキー場は最大傾斜35度、最長滑走距離8,000m、
ゲレンデはたくさんあるが、その大半が斜度が強めの中上級者向けで、
上級者が腕を磨くスキー場だというのであった。
~ ~
そんなこととは知らずに、負けず嫌いな性格がムクムクと頭をもたげ、
なんとしても滑り切りたい!
他人に負けるのはどうもないが、自分にだけは負けたくない!
そんな思いで何度も転びながら、乾く喉を雪で潤しつつ滑って行った。
途中何度か休んで周囲を見ると、そこには絶景が広がっていて、
眺めは良いが、ゴールが全く見えない悲惨な状況に一人ポツンといるのだった。
それでもとにかく下りるしかない!
泣いてもどうにもならない!
それからずいぶん経って下の方から声が聞こえた。
「おーい、早く来いよ~」
「はーい、頑張ってるんですけど~」
「日が暮れてきたからスキーを外して歩け!」
「大丈夫です!頑張ります!」
「ダメだ!遭難するぞ!」
その一言で私も諦めがついて、スキーを外して歩いて下りた。
自分一人なら暗くなっても滑っていただろうが、
遭難して皆に迷惑をかけてはいけないという判断だった。
しかし、この苛酷な経験は、
その後どのスキー場においても
恐怖心を抱かないという度胸を植え付けてくれた。
獅子は生まれて三日目の子を谷に突き落として、
這い上がって来たものだけを育てるという言い伝えがあるが、
今回は正に、この「獅子の子落とし」のようで、
苦難の道を切り拓き精神を鍛えるのに相応しい
「愛情あるしごき」だった。
~ 妙高国際スキー場 ~
こちらは日本初の国際スキー場。
広々としていて、私のような初級者でも爽快に滑ることが出来る。
~ 六日町ミナミスキー場 ~
(現在はムイカスノーリゾート)
こちらは素敵な林間コースがあって、一列になって滑り下りることが出来る。
さあ!行くぞ!
10人のメンバーが次々に出発。
私は真ん中あたりに挟んでもらって滑っていたが、
つい調子に乗って、前を滑る男性について行ったら、
急カーブを曲がり切れずに、谷に向かって大ジャンプをするはめに。
ぐるーっと折り返して下を滑っているメンバーが見える。
焦ったけれど、もうどうにもならないから、そのまま飛んだ。
もちろん、その後は雪の中に埋もれたが、皆が助けに来てくれて
怪我もなく無事にコースを滑り切ることが出来た。
度胸がついたのはいいけれど、
やはり身の程は知っておく必要があると学習した研修会となった。
こんにちは。
すごい経験をされたんですね。
お若い頃とはいえ、怪我をしていても不思議ではない経験です。スキーは寒いからやりませんが、山登りでは死にかけたこともありましたよ。
>谷に向かって大ジャンプ
どうにもならないから、そのまま飛んだ
とっさの冷静な判断は大したもの、感心します。
落ち方によっては大怪我ですものね。
私が一番最初にスキーした日
止まる事も出来ずにサイレンの様な声を発しながら坂を直滑降で滑り下りた事が・・・怖かった!
少し慣れてきた時、越後美人さんでは有りませんが
リフトを降りたら、その斜度45度(そう見えた)
しかもアイスバーンです。
どうにもならずエッジをきかせ横向きで一歩一歩、下りましたが
その時、同じ様な人がもう一人いましたね。
少し慣れた頃、興味本位でコブに入って見たのです。
ところが大変
出るに出られず、その時ばかりはスキーを外しました。
何だか昔の私を見ている様な越後美人さんの青春の思い出
楽しく拝見させて頂きました。
はい、どちらも骨折しているか、命を落としていても不思議はありませんでした。
大ジャンプの方は、素直にそのまま飛んだのが良かったのだと思います。
その後はしばらく、職場で笑いのネタにされていました。
山登りも危険がいっぱいですが、命拾いして良かったですね(^_-)-☆
はい、スキーは子供たちが小さい頃にはまだやっていたのですが、
子供たち(三人)の習い事や少年団等の活動が増えたためにやめてしまいました。
本当ですね、大怪我をしているか、命を落としていても不思議は無かったです。
うわあ!たかさんも元気者だったんですね(^^♪
私とどっこいどっこいの良い勝負ですねえ。
斜度が45度に見えるほどで、しかもアイスバーンだったら、
それはもうお手上げですね。
エッジを効かせて横向きで下りるにしてもかなり危ないですよね。
それに、興味本位でコブに入るとは、たかさんらしいですね(^^♪
そして出られなくなるとは・・・^^
私、そういう人、大好きです♡
もし私たち二人がその頃、一緒にスキーに行っていたら、
とんでもないことになっていましたね(^_-)-☆
今は名前が違うんですね。
妙高国際は、そのスキー授業の後、友人と行った記憶が。
そして八方は、大学の部活の仲間とスキーバスに乗って。大学生にもなると、部活の先輩にスキーの上手な方がいて、色々とレッスンを受けたなぁ。ちゃんとした?レッスンは、その時だけ。
たしか、32℉なんて名前の喫茶店?があって、アフタースキーで行った記憶が。
「私をスキーに連れてって」を真似て、名木山ゲレンデで、下の人々の目をしっかり意識しながら大勢でトレインしたり。
セピア色の写真が、そんな思い出を蘇らせてくれました。
子供たちが大きくなって、遊び相手になってくれなくなったら、スキーにも行かなくなりました。山スキーに憧れますが、今から一式そろえるのもなかなかの出費で、財務大臣に言い出せません。
そうですか、高校の授業に使われていたんですね。
ここでちゃんとしたボーゲンを初めて習って、それで「きれいだ!」と褒められたとは、
すごいじゃないですか♪
niceshotpeteさんが学生の頃は、若者のレジャーといえば冬はスキーでしたかね。
ゲレンデで滑るのも楽しかったですが、アフタースキーも別な楽しみがありましたね。
私は残念ながら、人にお見せ出来る段階ではなかったですから、
ただひたすら滑って楽しんでいました。
上級者たちは、それは格好良く滑っていましたねえ。
そうですね、今から一式というのは言いずらいですが、
何か、言い出せる恰好の話題でもあればいいですのにね(^_-)-☆
こんばんは
スキーができたらいいですね
広々としたスキー場で爽快な滑りができたらどんなにか
夢のようです
仰るように恐怖心を抱かないことができれば気持ちが楽になるのかも
運動は大の苦手な私です
他の記事からは窺い知る事のできない、
無鉄砲さも御持ちになってるんですね。
他の記事を見る限り、
古式床しい淑やかな方としか思われませんからね。
意外な一面を見せて戴きましたよ。
雪って人の距離感や方向感覚を狂わせるから本当に怖いです。
昔信州いた頃、視界を塞ぐ雪と骨まで凍る寒さで身動きがとれなくなり、ああこのまま死ぬのかなと思ったことが何度かありました。
そのおかげで東京の冬とか熱燗の引き立て役ぐらいの寒さで過ごせます。極限の経験って心に余裕を備えますね。
はい、広々としたゲレンデは気分爽快ですよ♪
そうですね、恰好よく滑っている人を見ると、あんな風になりたいなあ、と
思ったこともありました。
もう少し上手ければ今でも続けていたかも知れません(^_-)-☆