いつも東海道新幹線に乗ると感心することに
東京駅での車内清掃スタッフのパフォーマンスがある。
わずか7分の間に、一車両を一人で完璧に清掃し整えていく。
その手際の良さは美しいとまで思える。
いつだったか、もう数年も前だがTVでも紹介されたことがあった。
海外メディアも驚きをもって報道したそうだ。
日本のTVだけでなく、何故海外メディアもが報道したのか?
その疑問が、この本を読んで良く分かった。
* * *
世界最高峰と言われるハーバード大学では
今日、日本の企業の研究が盛んに行われている。
その中の一つとして、この新幹線の清掃スタッフのことが
経営者側の観点から取り上げられていた。
欧米で清掃と言うと下層階級の仕事として、
雇われる方には職業に対する誇りはなく、
従って向上心もなく、不平、不満ばかりで
まともに働かない、というのが問題だった。
なのに、日本のこの清掃員たちは何故こんなに
きびきびと美しいまでの仕事ぶりなのだろう?
そこに経営者として学ぶものがあるのだと、
それを研究したというのだった。
* * *
それによって学んだことは、
経営者(リーダー)と従業員との距離が離れ過ぎてはいけない。
リーダーは現場の声を吸い上げ、問題点を解決していく。
それによってリーダーは現場との信頼関係を築かなければならない。
(欧米では階級間の意識の隔たりが大きく、信頼関係が築きにくい)
結局
リーダーが現場と心を一つにして、仕事に誇りを持たせ、
向上心や会社に良かれと思う気持ちを育てることが大事なのであり、
「人は心を動かさないと働かない」
その心得を持つことが経営者には必要なのだと言う結論だった。
(それが出来る日本企業は尊敬の眼差しを向けられている)
※この本にはトヨタや他の日本企業の例も挙げられています。
ハーバード大学が何故日本の企業から学ぶのか?
興味を持たれましたら是非読んでみて下さい。
ハーバードの学生が主宰する日本ツアー「ジャパントレック」は
100人の定員が、募集してから数分で埋まってしまうそうです。
日本人も日本をもっと知る必要があるようです。