これは、紛れもなく「岩根絞り」という名の椿です。
江戸時代からある名花の一つで、絞りの美しい品種です。
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本来ならば、濃い紅地に白い斑が入るのですが
今年も紅色一色になってしまいました。
「今年も」というのは、この一色になったのが昨年から、だからなんです。
それまではきれいに白斑が入っていたのですが、、、
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この椿の特徴として上げられるのは、生育が大変遅いことと
生育環境や植栽地域によって大きさや性質が変化することだそうです。
我が家に来てから10年経ちますが、ずっと玄関前の同じ所に置いています。
朝日が当たって西日の当たらない特等地なのに、なぜ白斑が消えたのか謎です。
恐らく植木鉢の中は根っこが渦巻いているに違いありません。
植え替えをしなければいけない、と思いつつも
「樹勢が弱く、移植に弱い、綿密な管理が必要」という難題を抱えているため、
なかなか思い切って植え替えに着手することが出来ずにいます。
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そのうえ、今年は12cmもの大輪に成長し、おまけに、昨年は一個だった蕾が
今年は三個もついてしまいました。
「いかにも弱っています」といった様子があれば話は早いのですが、
こんなに元気そうにしているのに、果たして植え替えをするのが
この椿のためになるのか、、ならないのか、、
この元気さが最後の力を振り絞ってのことなのか、それとも居心地が良くて
機嫌よくしているのか、この椿に聞いてみたいところです。
「お引越ししたいですか?」「そのままがいいですか?」「どうしましょう?」と。
ああ、、何だか「なに言ってるの!このままでいいわよ!」って言ってるよう、、
もし、そういうことでしたら、来年は白い模様をお付けになってお出まし下さいませね。