私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

クマバチの願い

2014年04月26日 | 虫のお話
                       吾輩はクマバチである。
                       藤の花の蜜が大好物だ。山からせっせと通って来ている。
                       体はデカイが、いたって温厚な性格だ。気は優しくて力持ちってとこだ。

                       だから、他のハチを襲ったり、人を刺したりはしない。
                       ただ花の花粉と蜜をいただきに来るだけの「ミツバチ」なのである。


                    なのに、時々「クマンバチ」と呼ばれて、あの凶暴で攻撃的な「スズメバチ」と
                    一緒くたにされて困っている。迷惑千万なのだ。

                    我々オスには針はないから、刺しようがない。
                    攻撃したくてもできないのだ。
                    メスにはあるが、巣の近くに寄るなど、特別なことがない限り、
                    めったに刺したりはしない。
                    というか、人間にはほとんど興味がないのだ。
                    だから、我々を見ても恐がらないでほしいのだ。

                    我々の体は黒くて尻が丸い。そして背中のところだけ黄色だ。
                    スズメバチは我々よりも細くて、黒と黄色の縞模様で、まるでトラみたいだ。
                    すぐに見分けがつくだろう。
                    いっそのこと、「トラバチ」と名を変えた方がよっぽど似合っている。


                    この家のお母さんは我々がブンブン飛び回っていても、平気な顔をしている。
                    怖がるどころか、「可愛いい」なんて言ってくれている。

                    そして、殺虫剤などをかけられないから、こうして毎日蜜を集めにこれるのさ。
                    我々も子育てが大変だからね。よろしく頼むよ。




                    ウーン、やっぱり藤の蜜は最高だ!




                    この魅力的な大きなお尻を見てくれ。
                    まるで、クマのプーさんみたいだろ。えー、ブドウの「巨峰」みたいだって?

                    この大きな体で、この小さな翅(はね)。
                    航空力学的に飛んでいるのが不思議だと昔は言われていたんだ。
                    今では、その謎は解明されてるがね。

                    どっちにしても、花が咲いている内が勝負だ。
                    毎日せっせと働かねば。
コメント (4)
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