江別創造舎

活動コンセプト
「個が生き、個が活かされる地域(マチ)づくり」
「地域が生き、地域が活かされる人(ヒト)づくり」

ファミリー・コンサート

2014年01月21日 | 歴史・文化

 大麻(おおあさ)ファミリーコンサートは、51年6月下駄履きでクラシックを聞こうを合言葉に同好会が発足しました。

 発起人は土田英順(札響主席チェリスト)、高岡立子(短大助教授)、吉田豪介(美術評論家)ほか、大麻(おおあさ)に住むお母さんたちです。
そもそもの発端は、大麻(おおあさ)に住む音楽好きの市民の悩みは、札幌で開かれる演奏会に行きたくとも、なにかと不便であったことです。
第1に開演が午後6時30分となると、帰りが遅くなります。
それに料金も高いし、ドレスアップして出かけて行かなくてはならぬ煩わしさもありました。
一方、演奏側の中心となった土田の方では、音楽と気楽な付き合いのできるコンサートを開きたいという望みがありました。
その二つがうまくかみ合って、51年8月、大麻(おおあさ)公民館講堂にて第1回のコンサート「ピアノトリオの夕べ」の開催にこぎつけました。

 プログラムは、エリーゼのために(ベートーベン)、白鳥(サンサーンス)、セレナーデ(シューベルト)、ピアノ三重奏曲第1番(メンデルスゾーン)ほか。
出演は、土田(チェロ)のほか、ピアニストの高岡立子(ピアノ)、札響アシスタントコンサートマスター水谷正志(ヴァイオリン)、それに特区別ゲストとして読売日響指揮者若杉弘がタクトをとりました。
会場は、200人ほどの家族連れで超満員でした。
まずは、上々の滑り出しといえました。

 同好会発足当時からの会員である中村良子は、「チェロやヴァイオリンの弦の振動が目に見える距離で、演奏者の息づかいが伝わってくる感動は、なんともいえない」と語っています。
 そして、「休憩時間を利用して土田さんが曲や楽器の説明や作曲家にまつわるエピソードなどをお話しくださる、和やかなステージ作りが魅力」であると語をつきました。

 以降、コンサートは年4回定期的に開催され、56年8月のバッハの夕べで20回を数えるに至りました。
そして、その後60年1月に30回、63年1月に40回と回を重ね、盛況を続けました。
その成功の因は、水準の高い演奏と、宣伝や会場の設営などの裏方仕事を担った同好会の努力もさることながら、普段着のままで演奏者と聴衆がじかに交歓できる、ホームコンサートににた、その開放性にありました。

註:江別市総務部「えべつ昭和史」566^567頁.
写真:大麻(おおあさ)ファミリーコンサート
 同上書566頁掲載写真を複写し、当ブログ掲載いたしております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする