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灯芯草(とうしんそう ?鬚草)の臨床

2008-07-28 00:32:42 | ブログ

尿道炎 膀胱炎 不眠症 神経衰弱にお勧め

日本ではイグサ科の「ホソイ」と呼ばれている。中国の安徽省では燈芯草と呼んでいるのを上海在住時に聞いたことがある。昔、茎の皮を剥いで、油に浸し、燈芯として灯り(あかり)を得たそうだ。中国では江蘇省、浙江省、安徽省、湖南省、四川省の湖沼の湿地帯に生息し、地上部分の全草が薬用とされている。中国では9~10月に採取し、陰干しにする。

灯心草の薬効

性味は甘 淡 微寒で、心 肺 小腸に帰経を持つ

中国医学では排尿痛を伴う尿路系疾患の総称を「淋(りん)」と呼ぶ。淋の中でも熱証を伴うものを熱淋という。灯芯草は熱淋に効くとされる。同時に配合されるのは、山梔子 滑石 生甘草 甘草鞘などである。

清熱除煩作用もある。

心火を下降させ小便として排出し、心火による焦燥、小児の夜泣きなどに、同じく清熱除煩作用をもつ淡竹葉などと煎じて服用する。

現代中国での一般的な使用方法は、不眠症と神経の高ぶりなどに対して、何首?の蔓茎である夜交藤、丹参などと一緒に煎じて服用させている。民間療法の一つである。

中国伝統医学の臓腑学説では心と小腸は表裏関係にある

臓腑の表裏関係肝-胆、心-小腸、脾-胃、肺-大腸、腎-膀胱とされる。さらに、次の経路が中国医学独自の考え方である。

  心――――――小腸―――――膀胱――――尿

この臓腑の表裏関係、腎-膀胱―尿は西洋医学そのものだが、心―小腸―膀胱―尿の関係は、西洋医学オンリーで頭が固くなると、まったく受けいれられないものである。灯心草と同じ効能をもつ淡竹葉について語れば、舌にアフターができ、不眠傾向が出現し、尿道炎、膀胱炎症状が出現した場合などに、心熱が原因と考え、清心熱、除煩の目的で灯心草などと煎じて服用すると良い効果が得られる。心火を下降させ熱を尿として排泄させ、同時に熱淋も改善させると中国伝統医学は考えたのである。淡竹葉は心 胃 小腸に帰経を持つ。

現代医学であれば、舌のアフターはステロイド軟こう、不眠症には睡眠導入剤と睡眠維持剤、膀胱炎症状には抗菌剤と頻尿改善剤ということになる。なにか、ばらばらの感が否めない。

中国で?草(ロンスツァオ りゅうしゅそう)とも呼ばれるわけ

現存する中国最古の医学書と呼ばれている黄帝内経で有名な黄帝の最後にまつわる話である。紀元前2510年から紀元前2448年に中国を統治した三皇の最後、または五帝の始めに必ず名前のあがる人物で、中華民族の祖とされている皇帝である。司馬遷の史記には風后 力牧 常先 大鴻の四人を登用して人民を治めさせ、「日月 星辰 水波 土石 金玉をも徳をもって覆う」という世の中を作り出した中華民族の祖ともいえる名君であった。黄帝は首山の銅を採掘し、荊山の麓で高さ一丈三尺の巨大な鼎を鋳造した。その鼎が完成すると、一匹の龍が髯を垂らして迎えに下り、黄帝はそれに乗って昇天した。臣下たちは竜の髯をつかまえ、帝の弓にぶら下がって、帝について行こうとしたところ、さしもの重さに耐え切れず龍の髯が抜け、弓も落ちてしまったので、臣下たちは地上に落下し、帝に随行しゆくことができず、大衆や臣下は天に召され他界した黄帝をしのんで泣き叫んだという。これが黄帝の最後である。人々は黄帝をしのび、龍の髯を一寸ほどに切り分けて持ち帰ったところ、やがて、その一寸の髯は植物と化し、灯心草が生えてきたという伝説である。

いかがであろうか?伝説も伝説なり、臓腑学説もまたそれなりに、中国人の想像力の豊かさを示してはいないだろうか?漢方を勉強するにつれて、そのファンタジーにはまっていく自分を感じている昨今である。

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