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アンチエイジングの漢方治療

2008-05-28 21:14:36 | アンチエイジング

続 腰痛 下肢痛と白髪の漢方治療

延年長寿を得るための漢方

今回は漢方薬の七宝とよばれる薬剤を使用した有名方剤についてご紹介したいと思います。「漢方は夢と希望に満ち溢れた世界」であることを実感していただきたいと思います。

七宝美髯丹(しちほうびぜんたん)

髯(ぜん)は訓読みすれば「ひげ」で、髪と置き換えてもよろしいと思います。

成分は以下のとおりです。

何首烏 牛膝 茯苓 枸杞子 当帰 菟絲子 補骨脂

何首烏が君薬です。

効能:滋養肝腎

主治:肝腎精血不足

中国明代に考案された処方で、肝腎精血不足からくる早期老化現象、具体的には、白髪、歯の動揺、足腰の軟弱化やだるさに対する方剤です。

この処方には中国の方剤学(生薬と生薬を組み合わせる学問)の興味ある考え方が含まれています。「陽中求陰」といい、禅問答のようですが、言ってみれば、料理の世界の「隠し味」のようなもので、少々の塩を加えると甘みが倍増するという具合に、補陰薬に補陽薬(この方剤では補骨脂)をちょっと加えると、より一層補陰の力が増すという考え方です。この生薬の組み立て方、配合の仕方は、中国漢方古典に「善補陰者 必干陽中求陰 即陰得陽昇 而源泉不竭」と記載されています。

何首烏が君薬で量がもっとも多く、肝、腎を強化します。特に養髪作用に優れます。さらに、枸杞子、菟絲子(としし)は何首烏を補助し、填精の働きをします。牛膝(ごしつ)は肝、腎を強化するとともに、筋骨を丈夫にします。補骨脂(ほこつし)は温腎補陽として働く他に、牛膝 枸杞子などの滋陰の効果を強めます。茯苓は胃腸の働きを健全にすると共に、牛膝、当帰などによる胃腸のもたれ(滋?)を防止します。

古来より、中国伝統医学では、腎は精を藏し其の華は髪に在り、肝は血を藏し髪は血之余りなり」といい、髪と肝腎との関係は切っても切れない関係にあるとされてきました。生まれつき、「肝腎虚損(がんじんきょそん)」の体質ですと、若白髪になりやすいと言えます。同時に肝血不足による目の乾燥感や眼精疲労も出現しやすくなります。中国漢方の教えでは「肝は目に開く(開竅する)」「肝経は目を巡りよく視る」とされています。また、女性の生理は漢方医学では肝と腎に支配されると考えます。従って肝腎虚損があると生理不順や生理痛の原因にもなります。また、耳鳴りや夜間頻尿の原因にもなるのです。

腎は作強の官」「腎は骨を主り髄を生ずる」といい、骨や筋肉の痛みも腎精不足が原因となります。腎には固摂作用という重要な機能があり腎気が衰えると、本来は血管内に保たれるはずのアルブミンなどの蛋白分子が尿中に漏れ出るようになります。典型的な病状は糖尿病性腎症に出現するマイクロアルブミン尿と呼ばれるものです。

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何首烏(かしゅう)

何首烏は生薬分類では補血、養血薬に入ります。帰経は肝、腎です。生の何首烏は腸を潤し便通を整える潤腸通便の作用がありますが、酒で炮制した何首烏は補肝腎の効果が強くなります(補益精血)。精神安定作用のある夜交藤(やこうとう)は何首烏の蔓(つる)の部分です。青蒿(せいこう)が発見されるまでは、マラリア(中国語で?)の治療薬でもありました。何首烏は薬性が穏やかで、補薬にありがちな胃腸のもたれや食欲低下などの副作用が無いために、不滋?の代表的な補薬です。これは、同じ養血薬に分類される当帰が胃腸障害を起こさない不滋?であるのと同じです。それゆえに何首烏や当帰は滋補の良薬とされています。

最近の研究では、何首烏は高脂血症にも効果があると報告があります。老化を防止すると言われ、薬膳料理では人気のある生薬のひとつです。

夢を与える何首烏伝説

中国には何首烏にまつわる伝説は多々ありますが、まず何首烏(かしゅう)は人名であったという伝説です。百歳を過ぎるまでの長寿で、髪も黒々としていたという言い伝えから、愛飲していた生薬を何首烏と名づけ、延寿の特効薬としたという話があります。また、何田児(かでんじ)伝説というものもあります。おそらく話の起源は同じだろうと思います。何田児(かでんじ)という名の、58歳になるまで、病弱で元気がなく、やせ衰え、皮膚も老化し、妻も娶れなく、仕事もせず、いわば「病弱フリーター的おじさん」が、いつものように、野山に出かけ、何気なく寝転がって虚空を見上げたところ、ふっと目に付いた蔓(つる)の根元を掘り返して拳ほどある根っこを掘り出して帰宅しました。久しぶりの労働でした。土間に放り投げ、疲れて眠り込んだ夜の夢に白髪長髯の仙人が現れ、「何田児(かでんじ)よ、掘り返した根っこを服せよ。神奇(ミラクル)が起こるであろう」と宣託しました。半信半疑で、石臼でつぶし、乾燥させ、空腹時に少量の酒と一緒に服用し始めました。2、3日たつと、まず、体中に力がみなぎるような気がしてきたといいます。1年後には、髪は青年の如く漆黒に変わり、ふさふさと量も増え、いままで乾燥気味であった皮膚は潤い、色艶もよくなり、病弱だった体は青年のように回復しました。そして、妻を娶ることが出来、60歳を過ぎて、人の子(息子)の父親になることが出来ました。親子共に160歳までの長寿だったそうです。評判は評判を呼び、門前には長蛇の列が出来、何田児は秘薬を売ることで財もなしました。何田児の子孫は皆、100歳以上の長寿で髪は黒々とし、皮膚の色艶がよく、腰痛や下肢のだるさなどは無かったといいます。なんとも羨ましい話で、何田児伝説といわれるものです。

何首烏の何は何田児の姓の何であり、首は頭を指し、烏はからすのような黒を指すと言われています。

夢と希望を与えてくれるアンチエイジング伝説ですね。

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牛膝<