欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

『貴方の家は、他人の土地の上かも!?』…地図混乱地域の謎!!

2014年10月27日 09時24分41秒 | 建築のうんちく




『自分の家が、知らない内に、他人の土地の上にある事は、良くある事!』



先日、私どもの事務所がある町内会の、『回覧板』が、まわって参りました。

…内容を見てびっくり、『町内会の集会所』が、隣接している土地に、またがって建設

されていて、隣の敷地の所有者から、『一部建物を壊せ!』と、内容証明郵便が、

町内会に来ていたのです。



これ、よくある事なのです!  『びっくりでしょう^^』



実は、日本では、未だに民有地の多くで、『きちんとした測量』が行なわれていません!

…でも、不思議ですよね。

『法務局』には、『登記簿』があって、所有する土地の面積が書いてあります。



…更には、『公図』なるものまで存在します!





…しかし、『登記簿』や『公図』があっても、貴方の土地は、『貴方の土地とは

限らない』のです!



これは、なぜか??




実は、今の『登記簿』や『公図』の多くは、明治時代に作られた『いい加減な地図』

を元に、作成されているんです。




そして、『公図』と『公図』は、隣接する土地であっても、まず『繋がらない』の

です。



…そんなの当たり前の事で、『公図』と言うのは、『絵地図』でしかないからです。



実は、そんなにいい加減なものが、『日本では使われ続けています!』

戦後、進駐軍が、『日本は土地の管理が、だらしなさ過ぎる!』と、叱ったほど

なのです。



そこで、日本は、『不動産登記法』をつくり、国が正しいと認めた『14条地図』

と言うものを、登記所に置く事になったのですが、未だに、多くの土地は、この

地図には記載されていません。



それで、仕方なく、従来よりあった『公図』も、未だに使用している訳です!





…『法律では、こんなおかしな規定があります!』

『公図と公図が、つながらない場合、無理に繋げてはいけない…』



実際に、真四角な土地でも、『公図』では五角形だったりします。

これでは、『隣の土地の公図』とぴったり合わせる事等、到底無理なのです。





この様な事では、非常に困るのですが、国は、何もしてくれませんから、

『土地の所有者』は、自ら、大金を払って、自分の土地を測量し、『地積測量図』

と言うものを、作成しなければ、いけません。



そして、この『地積測量図』が登記官に認められれば、国の『14条地図』と

して、『登記所』の備え付けられる訳です。





…もしも、『貴方の土地に地積測量図が無ければ…』、貴方は、何となく、

その辺りの土地を使用しているだけです!



『塀や植え込み』があっても、『そこは、他人の土地』かも知れないのです!




『日本には、地図混乱地域が多く、不正確な公図が、今日も争いを生んでいます!』



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