不動産が売れないです。
売れない状況については、不動産のサイトをご覧になるとわかると思います。
全く売れないので、同じ物件(新築・中古・土地)が、いつまでも掲載されています。
「相変わらず、この家、売れないな」
「この物件、3年前から売り出してるが、まだ売れない」
そんな状況です。
不動産業界には、誰も買わない物件たちであふれています…
戦後、昭和の高度成長期には、『家を買って一人前だ!』という思想がありました。
若者たちは家を買う目標を持ち、無理してでも家を買ったものです。
その時代には、『家(不動産)は資産』だと考えられていました。
一般的に資産というのは、預貯金であったり、株式であったり、金地金であったり、これらが資産と呼びます。
当時は、資産のなかに、不動産も入っていたのです。
1軒家であれば、その資産価値は、平均3,000万円と試算されたでしょうか。
しかし、なにゆえに、3,000万円なのか?
「土地の評価(1,800万円)と建物の評価(1,200万円)で、だいたい3,000万円ぐらいだな」という感覚で、計算されていたのです。
これは、固定資産の評価額や、不動産鑑定士など、誰かが勝手に決めた数字をもとにしたものです。
本当であれば『売買ができる価格』こそが、その事実たる、真の資産価格なのです。
現在では、3,000万円で売ったって、売れないでしょう。
2,000万円にしても売れないのであれば、1,000万円に値下げして売ります。
でも、1,000万円でもまだ売れないのであれば、800万円に値下げします。
800万円で売っても、誰も買わなければ、500万円に…
500万円でも売れないので、遂に200万円まで値下げしても、まだ売れない…
要するに、誰も買わないのであれば、その不動産は0円の価値です。
40年ほど前、5,000万円で購入したマイホームが、現在では、誰も買い手がつかなくて、その価値が0円であるという現象が、今の不動産の状況です。
0円ならまだいい。
「株も暴落したら、ただの紙きれになるから恐ろしい」なんて言われていますが、不動産はもっと恐ろしい!
不動産は、毎年、固定資産税がかかります。
建物は経年劣化していくので、メンテナンス・管理もかかります。
周囲・近所に迷惑にならぬよう、敷地内にある木々の手入れや伐採・雑草の管理も必要です。
株は下落したらそれでおしまいですが、不動産は下落して価値がなくなっても、税金と諸経費と労力が、永遠にかかり続けるのです。
不動産は、持っているだけで、お金と面倒がかかるものなのです。
さらに近年は、毎年のように大型の台風が日本を襲うようになったので、台風被害で、家が壊れるという現象も多発しています。
屋根の補修など、家の補修費というのは、莫大な費用がかかります。
お金を失い、住まいを失い…
はっきり言って、『不動産は、金食い虫』です。
昔は、不動産を所有していたのは、資産家たちでした。
財閥とか商家とか地主などです。
彼らは、多くの資産を持つ人たちですので、不動産の一つを失ったところで、痛くも痒くもありません。
それが、戦後の昭和の時代、住宅メーカーが仕掛けた『マイホーム信仰』が起こり、マイホームを借金して(ローン返済で)購入することが当たり前だと洗脳されました。
そして「不動産は資産であるから、借金してでも買え」と、洗脳されてしまいました。
その結果、労働者たちも不動産を持つようになりました。
不動産購入は、株以上に、危険なものですので、資産のない者が手を出すべきではありません。
不動産で人生を台無しにしないよう、安易に購入してはいけません。
意外に、賃貸で生活している人たちの方が、縛りもなく、幸せなのではないでしょうか。