多くの日本の中小企業が倒産しています。
これまでは、コロナ禍のために、国から給付金があったり、金融機関からの借入がしやすかったりして、なんとか、会社を存続させることができました。
ところが現在は、給付金がなくなったり、借入れが難しくなったりして、中小企業は厳しい状況になっています。
神戸のある小売店は、県内に何店舗かある、生活用品を販売しているお店です。
知人がこのお店に勤めています。
1年前と比べて、お客さんの数が激減しているそうです。
お客さんが減ったので、もちろん売り上げも激減です。
店側からは、従業員やパート・アルバイトに対し、働く時間を減らすようにと言われています。
新しい商品の仕入れも激減しています。
仕入れても売れないので、仕入れないのです。
また、商品のメーカーに対し、商品を仕入れたお金を支払えないようで、急に他社の、安いメーカーに変更になったりしています。
バックヤードで使用するかご車は、レンタルですが、ある日突然、かご車をレンタルしている会社が店にやって来て、かご車をほとんど引き上げていきました。
店は、かご車のレンタル費を支払えなかったようです。
従業員の休憩室は、真冬の極寒時でも、暖房は切られていました。
店内も、暖房は入っていません。
お客さんが、「この店、寒いわ。」と言いますが、絶対に暖房は入れません。
店内には、毎日、買い物をしない、フラフラと歩くだけのお客さんばかりだそうです。
一日中、買い物をしないで店内をウロウロし、トイレに何度も行き、疲れたら、店内にあるベンチに座っているのです。
そんなお客さんだらけだそうです。
仕事がない職人も、何も買わず、店内をフラフラと歩き回り、商品を触って、元に戻さず、散らかして行ったり、または盗んで行くそうです。
工具、ネジ、水道用品など、毎日、大量に万引きされています。
商品の中身だけ盗んで、箱や梱包材は、そのへんに放ってあるそうです。
フラフラ歩くだけのお客さん、万引きのお客さんばっかりで、売上はさっぱりです。
物価が上がり、給与が減り、日本人は生活が苦しく、とても買い物をする余裕もないのです。
こんな状況で、店は営業が厳しくなっています。
知人が言うには、もういつ倒産してもおかしくない状況だそうです。
従業員の給与の支払い、店内の光熱費の支払い、店の家賃代など、支払えない状態になりつつあります。
そこで、店は、対策として、追加融資にすがります。
金融機関から融資を受けようとするのです。
すでに、金融機関からの融資は受けていて、これ以上の融資は、もう難しいです。
店も、必死です。
私募債も発行して、数億円の資金を調達しました。
しかし、調達した資金も、半年ほどで底を尽き、現在は、さらなる資金調達の必要があるのです。
借金をして、借金を返す
そんな状況です。
先日、お店に、めずらしく、店の創業者である会長がやってきました。
会長は社員と話をしていました。
その後、知人が用事があったので、店内にある事務所に行くと、社員が、パソコンに向かって必死に作業していました。
知人は、チラッとパソコン画面が見えたので、見ると、それは会社の決算表でした。
その社員は、会長に指示されたのか、決算表を作り換えていました。
よく、企業が粉飾決算をして、金融機関から融資を受けますが、まさに、そうでした。
銀行というのは、企業にお金を貸しますが、経営状況が悪い企業や、資産がない企業には、融資はしません。
だから、企業は、うちは経営状況が良いのよ、資産はちゃんとあるのよ、といった、偽りの決算をするのです。
要するに粉飾決算です。
粉飾決算を銀行に見せて、うちの会社は健全だと、だからお金貸してちょうだいというわけです。
こんな粉飾決算に騙される銀行は、アホですね。
ちょっと、この店に行ってみれば、店内に買い物をするお客さんが少なく、店内の商品も埃だらけ、という状況がわかります。
誰が見ても、商品が売れていないことが、一目瞭然でわかるはずです。
銀行のお金は、預金者たちのお金です。
こんな未来のない店のために、預金者の大事なお金を湯水のように使わないでほしいですね。
また、ある日、店内の商品の値上げの処理の指示をされました。
最近は、物価上昇で、値上げラッシュですが、商品の値上げをすることで、店の資産が上がるのです。
会社の資産には、商品も入りますので、商品を値上げると、資産が増えることになるカラクリがあります。
経営が末期状態の企業が、よくこの手法を取るんですよ。
知人が言います。
「倒産するなら早く倒産しないと、傷口が広がる一方。」
日本の中小企業は、このような惨状です。
倒産は、悪いことですが、隠して、ますますお金を借りようとする企業は、あくどいですね。
こんな企業は、一日も早く倒産して、債権者に少しでも返済するよう努力するべきです。