欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

あなたの住む家は風速60mで倒壊する

2021年06月24日 11時39分06秒 | 台風

ここ数年、大型台風が日本列島を襲っています。

昔の台風ならば、風速30m~40mでしたが、現代の台風は風速60mなんてあり得る状況になってきました。

 

これは、手に持ったティッシュペーパーを下に落とすと、1秒間で60m離れた場所まで吹き飛ぶ風の強さになります。

 

『電柱や街灯が倒れる』

『ブロック塀が倒れる』

『木造住宅が倒壊する』

 

 

さらに、高圧電流を送る鉄塔のような鉄骨構造物が変形します。

 

こんな地獄のような強風が、毎年のように日本にやってきます。

 

 

しかし、気象の研究者たちは、

「今後、もっと強力な台風が日本にやってくる。風速70mの風が吹く可能性がある。」と指摘しています。

 

 

もし、風速70mの風が吹いたらどうなるでしょうか?

 

『アスファルト道路のアスファルトが、剥がれて、宙を飛ぶ』

『路上の自動車は、転がりまくる』

という惨状になります。

 

 

このような強力な台風が来ると、木造家屋は倒壊する可能性が大きくなります。

 

では、私たちはどのような家に住めば安全なのでしょうか?

 

『鉄筋コンクリート(RC)造住宅』

または、

『補強コンクリートブロック造住宅』

であれば、強風でも壊れません。

 

コストを考慮すると、補強コンクリート造の住宅がベストでしょう。

 

これは、ブロック塀と同様に、コンクリートブロックをモルタルでつなぎ合わせ、補強のために、鉄筋も入れた建物です。

 

 

補強コンクリートブロック造の家は、見た目は冴えませんが、とにかく頑丈です。

 

 

沖縄では、補強コンクリートブロック造の家は、非常にポピュラーです。

 

沖縄というと、毎年何度も、大変強い台風にみまわれる地域です。

 

 

 

沖縄の不動産屋さんに聞いた話ですが、

「沖縄では、補強コンクリートブロックだと、築50年を経過した中古の家でも、値段が落ちない」

というので、驚きです。

 

 

私の研究では、補強コンクリートブロック造の家は、鉄筋コンクリート造の家よりも寿命が長く、100年は実用に耐えるという計算が出ています。

 

 

また、風速70mの風圧にも十分耐えうる強度を持ち、木造住宅のようにシロアリに食べられる心配もありません。

 

さらに、木造住宅ほどメンテナンスの必要はありません。

 

 

このような優れた家が、補強コンクリートブロック造の家なのです。

 

 

今後建てる家は、台風で倒壊リスクの高い木造住宅の家よりも、補強コンクリートブロック造の家を建てるのが良いと思います。

 

 

ところで、優秀な補強コンクリートブロック造も家でも、2つ、困った問題があります。

 

 

1つは、先述したように、補強コンクリートブロック造の家は、見た目が良くありません。

ゴツゴツして、ぱっとしません。

おしゃれな家とは言い難いです。

 

コンクリートブロックが外部にむき出しの状態であることを想像すると、おわかりかと思います。

見た目が悪いです。

 

こに難点を解消するためには、コンクリートブロックにレンガタイルを貼るなど、工夫が必要です。

 

レンガタイルを貼ることで、一見、レンガの家みたいで、おしゃれになります。

 

 

もう1つは、補強コンクリートブロック造の家を建築できる大工・職人が少ないということです。

 

沖縄以外の地域では、職人探しに苦労すると思います。

 

 

間違っても、技術のないその辺の職人に、補強コンクリートブロック造の家を建てる依頼をしてはいけません。

 

彼らは必ずこう言います。

「木造でも強風に耐えられる家を建てますよ。」

 

このような嘘は信じてはいけません。

 

 

大工や職人は、自分がわからないこと、自分に技術がないこと、無知であることを隠すために、適当な、都合の良いことを言って誤魔化す生き物だからです。

 

 

 

家はあなたの命、家族の命、財産を守るシェルターです。

 

 

今年もまた強力な、風速60m級の強風の吹く台風がやってくるでしょう。

 

大工や職人の建てる木造の家は、大きな被害が出るでしょう。

 

大工や職人の建てる木造の家などに住んではいけません。

 

 


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台風被害は”家”が悪いんじゃない、土地が悪いんだ!!

2019年10月25日 10時43分23秒 | 台風

2018年、2019年と、2年連続して大きな台風がきました。

そして多くの家が被災しました。

地球温暖化の影響で、これからは毎年、風速60m以上の超大型台風がやってくるでしょう。

 

風速60mの風の中では、鉄骨造の建物だって、歪んでしまいます。

木造の建物の屋根が飛んだり、瓦が飛んだりするのは当たり前のことで、木造の建物は、風圧で倒壊してもおかしくありません。

 

そもそも、木造の建物は、超巨大台風に耐えられるほど強くありません。

立地条件によっては、強風で破壊されても不思議ではありません。

 

2018年、2019年に、壊れた家を調査してみると、建物の構造にはこれと言って欠陥はありませんでした。

 

しかし、なかには、”大工の仕事の粗さ” が災いして、破壊された家もありました。

→とは言っても、その数は、わずかです。

 

つまり、台風によって家が罹災しても、家そのものの構造には問題がないことがほとんどなのです。

 

すでに、日本では、木造の家を建築することは、無理な自然環境になってきたのです。

 

日本の住宅でも、沖縄では、コンクリートブロック造の家や、鉄筋コンクリート造の家が多いです。

 

これは、沖縄が台風の通り道であり、頻繁に強風の被害を受けるからです。

 

本州においても、これからは木造住宅をやめて、沖縄のようにコンクリートブロック造の家や、鉄筋コンクリート造の家を建築する必要があります。

 

日本は、台風の通り道です。

 

こんな自然の厳しい場所に、コストのことだけを考えて、木造の住宅を建築するのは間違いなのです。

 

 

一方で、以上のように『自然環境に合わせて住宅を造る』という考え方は、マンションにも当てはまります。

 

武蔵小杉のタワーマンションが浸水して、地下の配電盤やポンプが水没し、停電や断水になったのも、タワーマンションを建築するのに、不適当な場所に、タワーマンションを建てたからです。

 

…私が子供の頃、武蔵小杉駅前は、少し大雨が降ると、すぐに冠水していた場所でした。

 

自転車に乗って、武蔵小杉駅に向かってこいでいたら、途中からペダルをこがなくても、武蔵小杉駅前まで辿り着けました。

 

要するに、武蔵小杉駅前の土地が、一番低かったのです。

 

このように、建物を建てる場所を間違うと、あとで、とんでもないことになるのです。

 

 

今、木造の家にお住まいの皆さま、今の内に家の強度をアップして、来年の台風に備えましょう。

 

欠陥建築バスターズでは、皆さまの家の耐風(台風)対策に関しても、有料でアドバイスしています。

 


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