欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

目学問・耳学問・体学問

2013年10月31日 08時45分07秒 | 建物調査



『素人の人は、専門の人の意見を聞いてください!』



私たちが、「欠陥調査」で皆様のお宅を訪問しますと、どこのお宅の

ご主人様も、大変、建築にお詳しいです。


実際に、良く勉強をされています!




…私たちが、書物で学問する事を『目学問」と言います。

また、人の話を聞いて学ぶ事を、「耳学問」と呼びます。

ここまでは、誰もがする学問の仕方です。



しかし、「目学問」「耳学問」だけでは、実際に何の役にもたちません。

頭で知ってるだけだからです!



これを、本当の「学問」にする為には、体で「真実」を体験するしか

ありません。

…これを、「体学問」と、言います。






「欠陥住宅の施主」さん達は、自分で建築知識を得て、自分だけの力で

「業者」と戦おうとします。


しかし、これは、無謀な事です! 必ず、負けます!





我々の様に、「建築」「土木」の世界で生きて来た人間と、付け焼き刃で

知識を得た人間では、「体学問」において、大きな差があるのです!




私たちは、「体にしみ込んだ感覚」があります。!



…これは、何年も何年も修行して、やっと得られる感覚です。



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コンクリートの『梁にヒビ!』が入るから強い!

2013年10月29日 08時45分38秒 | 建築のうんちく



『東京大学の、講義録のPDFを参考に、解説致します!』



かなり前になりますが、「マンション」の様な「鉄筋コンクリート」の

「耐震建築」が地震に強い理由を、「梁に入るヒビ」から見て解説している、

東京大学の「講義録」を見ました。



「鉄筋コンクリート」の建物の多くは、「梁」と「柱」から出来ています!

丁度、ローマ字のHの字の、縦の棒が「柱」で、横の棒が「梁」だと思って

下さい。



この横の棒こそが、鉄筋コンクリートの建物で、重要な「梁」なのです。

そして、この「梁」のコンクリートに、大きなヒビが入っても、建物は、

倒れない様に、設計されて居るのです!



建物の重要な構造体である「梁」に、地震で大きなヒビが入ったら、

すぐに建物は、倒壊しそうですが、これが、意外に大丈夫なのです。



もちろん、これは、コンクリートの中に、正しく規定量の「鉄筋」が、入っ

て居る場合の事です。




「コンクリート」は、「圧縮する力に強い」です。そして、「鉄筋」は、

「引っ張る力に強い」です。


この事が、大地震で、「梁」に大きなヒビが、いくつも入っても、

「鉄筋コンクリート」の建物が、ボロボロになりながらも、倒壊しない

秘密なのです。




…これを、力学的に説明すると、ヒビが入ってバラバラになった、

「コンクリート」と、それを、つなぐ「鉄筋」が、鉄橋などに使われる

「トラス構造」に似た、力の釣り合いをするからだと、東京大学の講義録

には、書かれて居ました。



頭の良い、「東京大学」が言う事なら、そうなのかも知れませんね!



何れにしても、ちょっとした「コンクリートのヒビ」で、病的に騒ぐ、

「施主」や「怪しげな建築技術者」の話は、聞き流すのが、一番と言う事

です。



「鉄筋コンクリート」の建物は、大地震の時でも、自らは、「ボロボロ」

になりながら、私達を護ってくれるのです!



今日から、もう少し、「建物」を敬いましょう!


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大地震で『マンション損傷』は正常!!

2013年10月28日 08時58分44秒 | 皆様からのご質問にお答えします



『大地震で、倒壊しなければ、耐震建築なのだ!!』



一般の方は、「耐震建築」と言う意味を、間違って認識して居られます!

大地震では、建物が倒壊したり、死傷者が出ない設計が、「耐震建築」です。



最近、どこかのマンションで、「震度6以上の地震で損傷」が生じる恐れが

あると、騒いで居ますが、それが、普通ではないでしょうか!



阪神大震災の時に、地元の「建築士」達が集まって、「欠陥建築撲滅」を

訴えた時期があります。



しかし、これには、「大いに疑問あり!」なのです!



大地震で、「梁」や「柱」にヒビが入ったマンションまで、彼らは「欠陥だ!」

と、騒いだのです。



建築士ならば、「大地震で倒壊しなければOK!」と言う、国の耐震基準を、

誰よりも理解していたはずです!




今、思えば、この頃から、「欠陥で無い建物」まで「欠陥だ!」と、騒いで、

建設会社を「ゆする!」犯行が、エスカレートした様に考えられます!



大地震で、建物に損害が出るのは、仕方ない事です!

特に、「耐震建築」には、問題が多いのです!



皆さんが、「被害」に遭わない様にするには、

『鉄筋コンクリートの、耐震設計されたマンションを、買わない事!』

…しかないのです。



ここまで、説明したのは、「耐震設計のマンション」に、関してです。…

大地震でも、建物に被害がない「マンション」もあります!

…それは、『免震構造のマンション』です。



『免震構造のマンション』は、地震の力を、「免震装置」が受け流すので、

建物には、ほとんど、被害が出ないのです。



今の所、『免震構造のマンション』は、大手の建設会社で主に建設されて

居ます。



『耐震構造のマンション』は、買わないで、『免震構造のマンション』を、

買う様にしましょう!



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池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.7

2013年10月27日 08時45分57秒 | 建築のうんちく




『慶応大学日吉キャンパス地下に眠る、コンクリート要塞!』



我が国で、本格的に「鉄筋コンクリート」の研究が、進められたのは、

第二次世界大戦の頃からです。


それまでも、「鉄筋コンクリート」は、既に実用化されていましたが、

やはり、「空爆」に強い「鉄筋コンクリート」の軍事施設への必要性が出て、

特に研究が促進されました。



横浜市港北区日吉にある、慶応大学日吉キャンパスの地下には、総延長

5キロ弱の地下トンネル要塞が、今も残って居ます。


分厚いコンクリートの要塞は、当時の1トン爆弾でも、びくともしない

堅牢な造りです。



この要塞は、終戦間近な頃に、「陸軍」「海軍」の本部が置かれ、あの

山本五十六も、この要塞には来ました。

米軍の空襲が激しくなる中、「天皇陛下」も、この要塞に避難していただ

く予定だった様です。


実際に、天皇陛下の「御座所」まであります!



あの、有名な、「戦艦大和への特攻命令」も、この地下要塞から、発せら

れたのです。



平和な時代の今も、慶応大学の地下には、日本人が、アメリカを相手に

死にものぐるいで戦った時の、地下要塞が静かに眠っています!




当時のアメリカの工業力と、日本の工業力の差は、あまりに大きく、

勝てる訳の無い戦争だったと思いますが、終戦まで4年間も戦った事は、

日本人として、誇りにして良いと思います。




地下の薄暗い「鉄筋コンクリート」の要塞にこもり、徹底抗戦を続けた

「大和魂」こそ、日本人ならではのものです。




今、日本は、難しい問題に直面しているわけですが、この「鉄筋コンクリート」

の地下要塞を見ると、


「まだまだ、日本人は、戦える!」と、思うのです。





…私が「鉄筋コンクリート」で、真っ先に連想するのは、

「誇り高き日本陸軍、日本海軍の地下要塞なのです!」




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池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.6

2013年10月26日 08時44分19秒 | 建築のうんちく




『コンクリートのヒビ割れをどうすれば良いか!』



コンクリート壁に「微細なヒビ」が入っても、それは、「欠陥とは無縁」な

事が多いです。



では、そのヒビは、どうすれば、良いのでしょうか?



『そのままにしますか?』



いいえ、それは、絶対にいけません!

必ず、補修してください。



もし、ヒビを放置すると、そこから、雨水が浸入する事もありますし、

「コンクリートの中性化」が進んでしまうからです!



コンクリートは、強い「アルカリ性」を示し、これが、内部の「鉄筋」が

錆びるのを防ぎます。


ところが、「コンクリート」が中性化してしまうと、内部の鉄筋は、ボロボロ

に錆びてしまいます。


そして、一旦、コンクリートが「中性化」してしまうと、元には戻せないの

です。



つまり、何回、表面をモルタルで補修しても、次から次へと、ぼろぼろと、

修理した場所の、モルタルが、剥がれ落ちる様になります。




ですから、この様な、コンクリートの「中性化」が、ヒビ周辺から進まない

様に、ヒビの中に樹脂を流し込んで、ヒビ内部が、水や空気に触れない様に

します。



通常は、「シアノアクリレート樹脂」と言うプラスチックで、ヒビを埋めます。





コンクリートは、昔は、永久のものだと、考えられて居ましたが、やはり、

寿命はあります。


酸性雨の影響を受けなければ、50年~60年。

酸性雨の影響を受ければ、30年~40年と、考えられて居ます。



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