歴史と事実。

秋の彼岸で墓参り。下関で「竜馬とお龍の下関」が出版されているので、唐戸の亀山神宮に買い求めに行く。渡船でに久しぶりに乗って嬉しくなり、ひとりはしゃぐ。亀山神宮もひさしぶりにお詣りする。さっそく本を入手。竜馬が一時期下関に住んでいたとは知っていたが、本によると下関を長崎から移り、活動拠点にしていたことがわかる。住居は現在の春帆楼敷地内。お龍さんは竜馬が京都で暗殺されたころまで下関に住んでいる。
亀山神宮にお詣りされていた女性が、観音崎の山口銀行旧本店が開放されたのでご覧になられたよいですよと、勧められたので行くことにする。唐戸から歩いて15分ほど、昔で言えば官庁・商社などが集中していた界隈でそれらしき名残りがうかがえる。館内にはだれも見学者はいなく、ひとり見物していると、二階に上がったところで事務所らしきところから女性が現れて、「観光でお見えになられたのですか」と声をかけていただく。「はい。こういう古い建物などを見るのが好きなもので」と言うと、親切に館内を案内していただいた。大正9年の建物である。ギリシャ風のデザインは風格があ.る。貴重な歴史的建物を保存して公開することはよいことであるが、ニューヨークの古い建物のように実際に営業などで使用したら、さらにいきいきしてきていいのだろうが、県の有形文化財に指定されているからそうはいかないのか。併設する資料館に案内されて別棟に行くとそこでも、違う年配の男性から丁寧に収蔵物の説明をしていただく。山口銀行の創設からの貴重な歴史資料は見ものである。門司港の出光美術館も出光の歴史を紹介しているゾーンがあるが、企業と時代のかかわりが伺えておもしろいものである。
見学を終えて近くの鯨専門店で鯨刺とベーコンを買って帰途につく。

普通に。

Nさんと会う。一年前にNさんは脳出血で倒れた。一年半ぶりに会うNさんは以前と様相に少しも変化はなく、しっかりとした足どりと話しぶりではつらつとしていた。倒れた時の恐さと健康の大切さを話してくれた。「からだは歳に比例するけん、自分のからだに生意気したらいけんぞ」とアドバイスしてくれる。Nさんが描いイラストレーションを見せてくれた。Nさんらしいタッチと透明感のある絵はひとつも変わっていなかった。

こだわりの門司とこだわりの絵画。受賞。

『もじこう』〈C〉HIROMI NAGANO


朝から県立美術館で福岡県美術協会展会員デザイン部門の審査で張付き。先日から描いていたぼくの作品「もじこう」が“福岡県美術協会賞”を受賞する。ほとんどの出品作品がパソコンで描いたものが多い中で手描きの作品は少ない。ぼくの作品はオールアナログ手描きと言っていいほどにプリミティブ。手で描くことにこだわる。門司の町にもこだわる。忘れさられていく、町の原点・昭和の町にこだわる。ぼくは、これもデザインだと思っている。


作品はふたつの展覧会場〈平成21年度65回福岡県美術展覧会〉でご覧いただけます。お運びいただけると幸いです。
○ 福岡県立美術館　
　2009年9月18日（金）～9月23日（水・祝）
○ 北九州市立美術館
2009年11月3日（火・祝）～11月8日（日）

ペインティング。

展覧会に出品する絵が完成する。B全サイズに直接絵の具で描くのは何年振りだろう。日頃は小さいサイズに絵を描くので、大判になると画面と目の距離感に悩む。加えて目の衰えもあり、定着させる絵の具の筆の先をピンを合わせるのに苦労する。日頃はパソコン作業ばかりに慣れきってしまっているから、プリミティブな作業に本来持っている手と頭のメカニックが蘇ってきた。手や着ている服に絵の具が付くのも、絵を描く実感が涌いてくる。日頃のデザイン作業と絵画の作業を時間割りして進めるのも楽しい。

導師。

このところFMではビートルズの曲が一日中流れている。1965年ころから1970年までのビートルズ。ビートルズフリークにとってはビートルズはグル。ビートルズ以後はありえない。今聴いてもビートルズのマージサウンドはからだに染み付いてしまっている。ビートルズは導師。そして今はレクイエム。ビートルズ・ノーリターン。