福岡県立美術館で福岡県展合評会の講師をする。人の絵を講評するのはあまり好きではない。各々の作品が個性を持って主張しているので、むしろ作家が自信の作品を解説するなりした方がよいと思う。でも合評会なのでお互いが評価をするのが、その会の趣旨なのであろうと、出品された方の作品のディテールについて思いを伝えることにした。年配の方たちが入選されていて、会場にその入選者の方も参加されていた。皆さん若々しい作品を発表されていている。作家の方に聞くと、教養でデザインをされているようだ。デザインを生業にしている自分にとっては新鮮に思えた。そうだ趣味のデザインがあってもいいのだ。趣きの味のあるデザインは人を豊かにするのだとぼくは思った。あまりプロ意識を持つことなく、自分をテーマに自由にデザインをして他者に思いを伝えるデザインが、今からの時代を表しているのかもしれない。