JR日田彦山線に乗って田川へ向う沿線にも秋が深まって、景色はいつもと違う表情を見せている。石原を過ぎたあたり平尾台の濃い緑を背景に、葉が落ちた柿の木に熟した真っ赤な実や、金柑のが鮮やかな黄色が重なって見事な彩りを見せている。紅葉も幾重に拡がっている。都心を僅かに時間を移動しただけなのに趣きが自然の秋の色を見せている。沿線にはえんえんと、すすきもしっかり穂を垂れている。田んぼの後は草を燃やす煙がのどかに登っている。秋がしっかり染まっている。昨今はあまり目にする事ができない日本の自然の風景だ。まだ残っている光景を忘れない様にと、列車の窓ごしに手帖にクロッキーで採集する。