中学生時代からの友人N君に久しぶりに電話する。元気そうだ。子どもの頃遊んだことなど思い出す。来月は四年に一度の中学学年同窓会だ。最初の同窓会から12年も経つ。あっと言う間に歳をとってしまう。今でも学校に遅刻しそうになる時間に家を出て猛烈ダッシュでN君とY君と近道を抜けて走っていた頃の夢を見る。学校では授業に興味がなく絵ばかり描いていた。授業中、机の上に本を盾てた影でノートに絵を描いていた。先生もあいつは絵馬鹿だと思っていたのかあきらめていた。休み時間や下校になるとほとんど美術教室にいた。学校の絵具や版画プレス機を美術担当の先生公認で使い絵を描いていた。美術教室に置いてあつた美術やデザインの本は読み放題で楽しかった。生意気に中学生が近代から現代までの美術の本を読んでいた。将来は絵を描くか、デザインの仕事に就こうと真剣に思っていた。校外の絵のコンクールで入賞するとその先生は我がことのように喜んでくれた。まったく我がままな中学生でその性格は今も変っていない。