凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

皆々様の『真』と『理』、

2008年10月17日 | 本・漫画
お聞かせ願いたく候―。

…えー、時代がかった台詞ではありますが、今回は「ある意味」時代劇なもので…

( ̄― ̄)
モノノ怪
原作/~ayamkashi~製作委員会
作画/蜷川ヤエコ
スクエア・エニックス刊

で、ございまする。

この作品、元々はアニメ作品「~ayamkashi~」から始まり、それがシリーズ化。
去年の夏、フジテレビ系列の深夜時間帯で「モノノ怪」として放送されていた作品を、きっちりと漫画化したもの。

ワタシ、「モノノ怪」は観ていたんですけどね、その始まりとなった「~ayamkashi~」は観てなかったんですな。
そこにきて、スクエア・エニックスさんが、アニメ「天保異聞 妖奇士(てんぽういぶん あやかしあやし)」に続き、蜷川ヤエコさんを起用して漫画化したっつうことで…

「おお、これは買いだ」と。

てなわけで、二巻にて完結いたしました、「~ayamkashi~」もとい「化猫」もとい「モノノ怪」。


( ̄▽ ̄)
すごいわ、蜷川さん。
ホントに、貴女はすごい。

つうか、貴女のホントの「画風」「作風」がわからない。

…という位、見事に「モノノ怪」の世界が再現されております。


えー、簡単に内容を申しますと…

曰くありげな武家屋敷にて祝言が執り行われるその日、花嫁が頓死。
それを予期するように現れた、謎の「薬売り」。
彼は屋敷の者達に、「これは化猫の仕業」と言う。

「モノノ怪を斬りに来た」と。

その後次々起こる怪異に、彼は更に言う。

「モノノ怪が『形』を為すは人の因果と縁。
―よって皆々様の『真(まこと)』と『理(ことわり)』、お聞かせ願いたく候―」

そして、かつて坂井家に起きたおぞましき「真」と、悲しき「理」が明らかになる時――


要するに、「怪談」であります。
ホラーではなく、怪談。

アニメ「モノノ怪」では、謎の薬売りが、時代(平安・鎌倉?~江戸~昭和)を超えて現れては、人が隠してきた「真と理」を暴いてモノノ怪を斬ってゆく、という、…正直、毎度「救いのない、後味の悪い」結末。
無論、この漫画版でもそうなんですが、何が圧巻って…

アニメで話題となった「おどろおどろしくも美しく、そして滑稽な映像(まかり間違うと、『まんが日本むかしばなし』になりそうな)」がですね、モノクロとコマ割りの世界で、見事に再現されております。

…なんかですね、見事に「テレビ」観てる感じ。

いや、フィルムコミックじゃないですよ。
ちゃんと、漫画です。


久々に「画力」で「ゾクっ」と来ましたね。


話自体はですね、元々「モノノ怪」という作品が、「内容を理解しようとすると頭痛がしそうな」作品でして、映像で「うぉーっすげー」とか、演出で「こえーっ」てな感じで十分楽しめる。
この漫画も同様。

逆に言えば、漫画版を読む前に、必ず「アニメ版をDVDで観る」ことをお奨めします。

…ホント、「小気味悪い」ですよー、この話。
( ̄▽ ̄)V