凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

「やくざ映画の見過ぎだ」って、それをアンタがいうか。

2012年12月07日 | 映画
というわけで、昨今、映画ネタが殆どなんですけどね、
大体忙しくても月2本くらい観るペースを変えないようにしております。

で、先月から既に公開されてますんで、ある程度「ネタバレ」しても許されそうな、
今回の作品。

「任侠ヘルパー 劇場版」

主演:草 剛
共演:安田成美 香川照之 
   風間俊介 夏帆
   堺 正章 黒木メイサ
   杉本哲太 宇崎竜童 他
   (敬称略)

かつてテレビドラマシリーズにて大ヒットした「問題作」を、テレビスタッフそのままで製作した劇場版。
ストーリーも、「テレビスペシャル」で描かれたその後、であります。


最愛の人との死別・その忘れ形見である「涼太」との決別を経た翼彦一。
見知らぬ街の夜のコンビニで働く彼は、ある晩、コンビニ強盗を撃退。・・・しかし、その犯人が「老人」と気づいた彼は、
レジの金を渡すと、逃がしてしまう。
やがて犯人は捕まるが、彼も「共犯では?」と疑われ事情聴取を受ける為連れて行かれる際の警官の一言にキレ、そのまま警官を殴って逃走する。
が、あっさり包囲され、刑務所に。
刑務所で偶然、コンビニ強盗の老人・蔦井雄三と再会。元ヤクザで同じ「桜」の刺青を入れたこの老人と意気投合するも、彦一の出所を目前に蔦井は獄死。
出所後、帰る宛てもなく、とはいえ堅気になることも出来ない彦一は、コンビニ強盗の一件で、何故か彦一に心酔してしまった若者・成次とともに、蔦井のツテを頼って、寂れた海の街「大海市」へ。

大海市に着いた彦一は、蔦井が所属していた地元の暴力団「極鵬会」のチンピラと一悶着起こし、
組長・朝比奈との会見を果たす。
客人として扱われるところ、「行く宛てがない。凌ぎをさせてくれないか」と持ち込む。

兄弟分だった蔦井のツテだから、と承諾した朝比奈が、彦一に与えた仕事。
――それは、老人から生活保護費と年金を奪い、半ば強引に「収容」する介護老人ホーム「うみねこの家」の経営だった。

大海市では、元弁護士で二世議員である八代を中心として、「観光福祉都市プロジェクト」が立ちあがっていた。
福祉の充実とともに、地元で勢力を強める暴力団の排斥――熱意を持って推し進めようとする八代は、極鵬会にとって邪魔者でしかなかった。

一方で、蔦井の娘で高校時代に恋仲だった葉子を、今だ慕い続ける八代。
シングルマザーとして、家計を支えながら、痴ほう症が深刻な状況にある母を抱える葉子を見かねて、特養施設を持つ病院を紹介するも、症状はむしろ悪化してゆく。
苦しみから解放されない葉子は、耐えきれず、嫌っていた筈の「ヤクザ」である彦一を頼って、母を「うみねこの家」へ預けることとする。

最初は「凌ぎ」として、老人達から生活費を巻き上げ、施設の収容人員を一気に増やし、売上を伸ばしてゆく彦一。
しかし、収容され、悲惨な扱いを受け続ける老人達の姿にはやはり「見るに耐えない」矛盾を抱え続ける。
ヘルパー兼介護医が一人しかいないホーム。
それでも必死に生きようとする老人達を見かねて、彦一はついに動き出す。
「誰も助けてくれない、誰も面倒見てくれないなら、自分達でやるしかないだろ」と。
「うみねこの家」は、「介護老人の収容所」から、「共同生活支援の家」へと姿を変えてゆく。

しかし、勝手にリフォームし、老人達の「自立」を促す彦一の姿に、極鵬会若頭・日吉は激怒。
「これ以上やるならホームを潰す」と言う。

ヤクザに身を置きながら、老人達と触れ合い、再び「ヘルパー」として動き始めた彦一は窮地に立たされる。


とまぁ、こういうストーリーでございます。
・・・これで約半分くらいの内容を語ってしまいました。・・・愉しみにしていた方がいらっしゃったらスミマセン。
が、…
正直、これくらい解っても充分楽しめます。
全く「意外性」がないですから、テレビシリーズを見ていれば。


えー、要するに、「劇場版 ライアーゲーム:再生」でもそうでしたが、テレビシリーズの大筋を、その後のシチュエーションで再現している作風。
テレビシリーズを最後まで観ている方なら、大体エンディングまで想像できてしまう。
そういう意味で、全く意外性がありません。


彦一がなりたかった「弱気を助け、強気を挫く」本物の極道・任侠道。
しかし、「本物の侠(オトコ)」とは、一体どういう人を指すのか?
結局、それが解った時、彦一はそこから「逃げる」ことを止めます。
本当に強い者は「腕っぷし」ではない。「権力」でもない。
「心を捨てない」者である、と。
まぁ、劇中でこんなコトを語られるシーンはありませんが、「昔のコトも家族のコトも忘れていても、昨日の思い出と人との触れ合いだけで、精一杯生きようをする」老人達の姿に、彦一は何度も救われ、そして立ち上がります。

そういや、そういう話でしたよ、「任侠ヘルパー」って。


ちなみに、これは勝手に思ったことですが、
劇場版前のスペシャルのエンディングで、
「何だか往年の名作西部劇『シェーン』みたいだな」などと思ったのですが、
今回の劇場版を観ていて、
「なんだか内容は違うけど、名作時代劇『七人の侍』や『用心棒』を思わせるなぁ」
などと思ったのですが・・・

テイストとしては狙っているかもしれません。

そういう意味では、この映画、「問題作」というより「娯楽作」です。


内容としては結構楽しめました。
ですが・・・
間違っても「続編」は作らないで欲しいな、と。

これ以上やると、「フーテンの寅さん」状態になりそうなので、彦一君が。


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