凡そ、平凡。-ohyoso,heibon.

副業的サラリーマンの競馬バカが、そんなコトとは全く関係なく、日々のうつらうつらしたことをあーだこーだと語る、趣味の駄文。

あやまる時人は誰でも主人公。

2013年10月09日 | 映画
えー、てなわけで…

観た人ならわかるでしょう、記事のタイトルで。

ええ、観て来ました。

映画、
「謝罪の王様」。

監督:水田伸生・脚本:宮藤官九郎・主演:阿部サダヲ・製作:日本テレビ
でお送りする、不条理コメディ(でもない)コメディ第3弾。

出演:阿部サダヲ 井上真央 
   竹野内豊 岡田将生 尾野真千子 
   荒川良々 濱田岳 岩松了 松本利夫
   六角精児 中野英雄 松尾論 川口春奈
   小松和重 笠原秀幸 鈴木伸之 美波
   真飛聖 井上琳水 大川ヒデキ 若林瑠海
   吉永秀平 深水三章 田村健太郎 野間口徹
   池田鉄洋 中村靖日 嶋田久作 濱田マリ 白井晃
   小野武彦 津嘉山正種 
   高橋克実 松雪泰子
   (敬称略)

ええ、謝る時に、
「なんかぁ・・・」
は駄目です。

すいません、観た人しか解りません。

つうかですね、ホント、キャストが豪華。
まるで三谷幸喜の映画の如く。

これまでも作品もそれなりに豪華だったんですけど、
大体主要の方々以外に「大人計画」の面々がいたのですが…
良々だけじゃんか。
松尾スズキさんとか、港カヲルとか、バイト君とかが…
あ、みんな「あまちゃん」に出てるのか、撮影時期に。
まぁ、良々も「吉田くん」だけれども。

てなわけで、…

コワーい人の高級車にぶつけちゃった、とか、酔った勢いでセクハラしちゃったとかいう「半分自業自得的」窮地から、
「二世タレント」の起こした暴行事件を大御所俳優・女優の元夫妻の、あざとい「謝罪会見」やら、
取り返しのつかない「親子関係のヒビ」とか、ひいては国交断絶の危機という「国際問題」まで…

「悪いと思うなら誠心誠意、トコトン『どんな手を使ってでも』謝って許して貰おう」

という、

『謝罪の王様』の活躍を描く、オムニバス形式であってそうではない物語。


いやー、…二時間ほどの上映時間が短く感じるほどスピーディーかつ歯切れのよいリズム感。

つうか…「謝る」という後ろ向きな行為に、この爽快感。

なんでしょうか、この映画。

「謝りたい人が謝れば、謝って欲しい人は笑顔になる」

まー、これは真理ですね。
確かにそうだわ。

なんかですね、相変わらずの小ネタの連発と不条理の連続なんですけど、
なんつうか、それでいて「いちいち納得できる」箇所の多い映画です。


つうか、多分当分上映されるでしょうから殆ど内容は書けませんが…
久々に「レイトショーなのにそれなりに人が入っていて、そして皆ゲラゲラ笑っている」
と言う風景を観ましたよ、この映画で。

まぁ、これは受けるわ、確かに。


まぁ、観てない人は、騙されたと思って観てみてください。
「騙された」と思われても、ワタシは謝りませんけどね。




毎度相当ご無沙汰している上に、纏めて挙げますと・・・

2013年09月27日 | 映画
えーとですね、ご無沙汰している間にどんだけ映画観たか…。

…「銀魂完結篇~万事屋よ永遠なれ」前後あたりから行きます…

6月
①「中学生円山」

NHKで「あまちゃん」が高視聴率をゲットしている最中に、ここまで
「放送できない」映画を作っていいのか、クドカン?!
…というのが素直な感想。
「あまちゃん」で初めてクドカンを知った人がこれ観たら…多分引くでしょうが、
そもそもこういう人なので、ワタシは違和感ありませんでした。
つうか、これをやっている少年少女達、よく頑張った。

②「俺はまだ本気出してないだけ」

うん。…福田監督作品だね。明らかに。
どこまでもバカバカしい。そしてどこまでもポジティブ。
しかして、40代(要するに同世代以上の方)には、身につまされる部分は多いかと。
ワタシは素直に笑えない部分が多々ありました。
が、羨ましくもありました。


7月

①「劇場版 銀魂完結篇~万事屋よ永遠なれ」

はい。「風立ちぬ」よりワタシはこっちです。
泣きました。
…つうか、「アレ勃ちぬ」はクレーム来なかったのか?!

②「劇場版 ガリレオ 真夏の方程式」

…ぶっちゃけて言いますと…
テレビスペシャルでも良かった気がします。
「容疑者Xの献身」のクオリティには遠く及びません。
つうか、映画の出来云々よりもね、ストーリー自体がね。

8月

①「劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョOFミュージック」

夏の映画はぶっちゃけ外伝で、しかもテレビ一話分しか枠がありませんので…
ともかく、30分弱でどんだけのモン作れるか…
で、…うーん、勿体ない気が。
ハナシ的には面白かったですが、なんせ詰め込み過ぎです。
その詰め込み状態の中でも、「チラ魅せ演出」を忘れない坂本監督。
…そんなに重要か?

②「劇場版 仮面ライダーウィザード IN MAGIC LAND」

えー、テレビが佳境に入った辺りで、しかも話が暗くなりがちだった時期の上映ですからね、
全く違う方向性で作りたかったんでしょうね、全体的に話は明るいです。
が、やはりストーリーのキーパーソンはコヨミちゃんでした。
悪くはないですが…今年のMOVIE大戦、ちょっと期待できず。

③「劇場版 謎解きはディナーのあとで」

テレビドラマを観ていなかったら、観なくて良いかと思います。
…つうくらい、良くも悪くもテレビドラマの延長線上にあります。
出来はまずまずですが、特に変わったことはやってません。
お嬢様と影山の関係性も何も変わりません。
2作目も作れる話ではありますが…
多分、何本作っても寅さんの如く進展しないでしょう。

④「ガッチャマン」

去年製作発表されたときに、ともかくキャストに「?」がついた作品ですが…
まぁ、このストーリーなら剛力さんが「白鳥のジュン」でも納得いたします。
元々のアニメのテイストは全くありません…が、
映像のクオリティは流石。
つうか、アニメ観てない世代の方が素直に入れそうな気がしますね、ここまで違うと。
ワタシは前半苦しみました。後半で盛り返した感じです。


9月

①「キャプテンハ―ロック」

フルCDの松本零士作品。…ともかくクオリティに圧巻でございます。
モーションキャプチャーで役者の表情までトレース出来がスゴイ。
つうか、影武者となった「名護さん」や「おねいちゃん」…お疲れ様でした。
(すいません、もと仮面ライダー出演の方々です)
えー、ストーリーは…
これも元を知らない方のほうが入りやすいと思います。
全くの別物です。
つうか、このハ―ロックは、どっちかつうと「原作版宇宙戦艦ヤマトでデスシャドウ号の船長として蘇った古代守」
ですな。設定もキャラも。
「自由の旗のもとに、己の信じるものの為に宇宙を旅する」海賊ではなく。
「罪に囚われ宇宙を流離う死ねない男」であります。
やっぱり前半苦しみ、後半で盛り返しました。

②「劇場版 ATARU~FAST LOVE&LAST KILL」

素直に面白かったですよ。本編も小ネタも。
どこまでやるんだおい、てな感じも、テレビシリーズと変わらず。
今も大ヒット上映中の映画ですんで、ネタばらし的なコトは出来ませんが…
テレビ観てた人は観た方が良いかと。
観てない人は、DVDでスペシャルまで全部観てから観た方が良いでしょう。
「なのね」鑑識チーム、大活躍。
犬飼、吠える。
そして…マッチョなピーポ君、…誰?


てなわけで、この先は、
「謝罪の王様」
「SPEC 前後篇」
ですかね、今のところ。

つうか、ドラマの映画化ばっかですな、ホント。




「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ、発情期ですかこのヤロー」。

2013年07月10日 | 映画

もう、言わずと一部の人には知れた名言である。
・・・しかも、含蓄なんて欠片もない。

てな訳で…

4か月待った。

そもそも、4か月延びたワケだし。

まぁ、でも、なんだかこの日が来て欲しくない気分でもあった。


映画「劇場版 銀魂 完結篇~万事屋よ永遠なれ~」

数々の問題を引き起こし、ファンに期待と希望と落胆と絶望を味あわせ、まるで「前科30犯くらいの結婚詐欺師」のような手口で7年と言う月日を、何人かのスタッフとプロデューサーの人生を犠牲にして続いて・・・
嘘です、言いすぎました。

ていうか、ホントに7年も続いてたんですよね、この作品。
まぁ、途中、何度となく休んでますけど。
再開しても、まるでサザエさんのごとく「よりぬき」で誤魔化したり。
「3年Z組銀八先生」でお茶濁してみたり。

まぁ、イロイロな悪事を働いてきた…

すいません、言いすぎました。

でも、待ってました。

去年、「金魂編」で一時的再開した時も。
今年、「一国傾城編」まで新作作らなかった時も。

最終回が何故か「定春」だった時も。

必ず、性懲りもなく帰ってくるだろう、と。

そして、「映画第二弾」が「完結篇」だって解っても。

「どうせまた、例の『やめるやめる詐欺』だろ?」

と。

映画観終わった今も、そう思ってます。

だって、そもそも映画の中で、主人公が言ってますから、しかも冒頭に。

「劇場版ナルトだって、『ナルト死す!』なんつっても、死んでねェし、『さらば』とか『永遠』とか言ってもいまだに続いてるアニメだって・・・」

・・・つうか、それを物語の中で、しかも主人公に言わせるアニメって・・・

やっぱ、これが「銀魂」なんだなぁ、と。



で、映画についてですが・・・

なんもかけねぇ。

あのー、映画冒頭からですね、いかにも「銀魂」らしい仕掛が施されてましてですね、
「それいっちゃうと全部話すことになっちゃう」わけです。

・・・なんのことやらですね。

要するに、「テレビでまんま放送したら、おそらく、プロデューサーが次の日、自分の席を片づけ始めちゃう」ような内容です。

でもまぁ、無関係なワタシですので、・・・

こういう話。

ひょんなことから、5年後の未来に飛ばされてしまう「銀さん」こと坂田銀時。
しかして、そこにあったのは、まるで『199×年、荒廃した世界で、北斗と南斗が争っているような』かぶき町。
そして、銀さんの前に現れたのは・・・
ツッコミを一切言わず、アイドルおたくでも中二病でもなくなった、クールな二枚目の志村新八。
似非中国語もヒロインらしからぬボケも捨て、その代わりにナイスバディを手に入れたクールビューティ・神楽。
そして、「黒王号が白くなった」ような定春。
「白疽」という原因不明のウィルスが蔓延し、総人口の9割がいなくなった地球で、彼らは強く、逞しくなっていたが…
すでに「万事屋」を解体し、お互いを「仲間」とは呼ばなかった。

そして、この未来に、「坂田銀時」はいなかった。

かぶき町の仲間達の殆どがその姿を変え、立場を変えてしまった未来。
そして皆が「あの男が生きていれば…」と嘆く世界。

過去の銀さんは、この世界で一体何を為すべく飛ばされてきた(呼ばれてきた)のか?


と、実際かなりシリアスな話なのに、全編、「銀魂」です。
もう、どこでボケてどこで突っ込むのか、つうか、全編ツッコミがいないこの作品で、観客にどこまで突っ込ませるのか?


もうね、最初の30分くらいで、腹筋が「アブトロニクス」つけっぱなしみたいな状態に。
・・・痛い。笑いこらえるのが辛い。
つうか、あまりにボケがきつすぎる。

・・・という苦しみを味わった上で。

最後の30分。

久々に、…かなり久々に、
映画館で「堪えられずに」泣きました。
マジで。
…銀魂で、ですよ。
本来、笑って、ならまだしも。
感動して、泣きました、ワタシ。

結構、イイ歳の大人なんですよ、ワタシ。
駄目な大人ですけどね。・・・所謂、「マダオ」ですけど。

どこで泣いたか。
何故泣いたか。

それは・・・

なんもかけねぇ。

書いちゃうとね、全部書くことになるから。
さすがにそれはダメでしょ。
始まったばっかなんだから。

でもまぁ、終わったあとに思ったのは、やっぱり・・・

どうせこれも『終わる終わる詐欺』だろ、来年当たりちゃっかり月曜の18:00あたりに再開してんだろ、そんで、すっかり何もなかったように、『映画化第3弾』なんつってんじゃないの、再来年あたりに。まー、大人ってぇのは、そうやって騙して騙して、引きずって、取れるところからはトコトン搾取してゆくもんだよね?完結篇?…そんなの、どこのマンガでもやってるじゃない、困ったら「スピンオフ」とかいってさ、真撰組とか、柳生流とか、長谷川さんで映画作っちゃえばなんとか繋がるから。それでもイマイチだったら、「描かれなかった白夜叉と攘夷志士の過去が、今明らかに!!」なんて言えば…って、それ、今週のジャンプぢゃねーか、一体何やってんだ、ゴリラ原作者ーーーー!!

って、銀ちゃん・神楽のボケに新八がツッコムような…

そんな「希望」でした。


この作品に限っては、「綺麗な終わり方」なんて望んでないんだなぁ。

どんな形でも、続いてくれないかなぁ、と。

切に願います。

プレシオサウルス。

2013年06月13日 | 映画


なんつうんでしょ、これ。

なんて言っていいんでしょ。

「リアル~完全なる首長竜の日~」

映画版つうべきでしょうね、
原作小説とは全く異なる話だそうですから。

ええと、観て来ました、レイトショーで。

監督:黒沢 清
脚本:黒沢 清 田中幸子
主演:佐藤 健 綾瀬はるか
共演:中谷美紀 堀部圭亮 オダギリジョー 染谷将太 松重 豊 小泉今日子

主題歌:Mr.Children「REM」

正直、ストーリーについて、全く書けません。
ちょっとでも書こうモンなら、
「完全なるネタバレの日」になりそうです。

つうか、映画パンフが封印されてました。シールはがさないと監督のインタビューやらキャストコメントやら、全く読めない。そして、
「映画ご鑑賞後にお読み下さい」。

あっそう。
つまり、情報なし・先入観なしで挑めつうことですね、
それなら、はい。

まあ、原作も読んでないし。


・・・
・・・

正直、僕には合いませんでした。

ホラーなんですか、これ?
R指定だったっけ?
つうか、本質はそこでしたっけ?
わからん。
つうか、伝わって来ない。

うん、このキャストじゃなければまず観ないタイプの映画。

つうのもありますが、映像としても力の入れかたがちぐはぐ。
展開の山・谷、緩急もどうもちぐはぐ。
エンターテイメントでもないし、問題提議でもないし、重厚なテーマでもないし、じっくり丁寧にロマンスを描く訳でもないし、、、


何をどうしたかったんだか。

わからん。

役者さんたちの演技は素晴らしい。
でも、この人たちでなければいけない気がしない。

なんかね、こんな頭でっかちな作品見せられて楽しめって言われても、
ワタシには無理です。

なんか井筒監督的コメントになっちゃいますが。

たぶん、合う人には合うんでしょう。

そう言い方しかできません。

それでも彼らは「人間になりたい」と言ってくれる。

2012年12月25日 | 映画
てなわけで、実はとっくのとうに観に行ってました。

「劇場版 妖怪人間ベム」



主演:亀梨和也 杏 鈴木 福
共演:北村一輝 観月ありさ 筒見道隆 中村橋之助 畠山彩奈
   堀ちえみ 杉咲 花 石橋杏奈 あがた森魚 広田レオナ 永岡 佑
   柄本 明
監督:狩山俊輔
脚本:西田征史
音楽:サキタハヂメ
(敬称略)

ドラマ・テレビ放送される、って段階で、
「昨今のレトロアニメのドラマ化の流れだろうけど、これややり過ぎだし、ストーリー的にムリだろ」
と思い、正直1話目を観るまで全く期待してなかった「妖怪人間ベム」。
もう、「けなすネタ」としてしか挑んでなかった、つうのが、ドラマ放送前のワタシのスタンス。

で、一話観た後。
「来週も観よう。よく作ったな、これ」
でした。

ホントね、「観なきゃ解らない作品」てぇのはあるもんですよ。
ぶっちゃけ、ネタ・タイトル・作風考えたって、「イロモノ」扱いにされるであろうドラマ。
・・・テーマと描き方とのギャップが、そのまま「妖怪人間たちの悲哀」になっているような気がしました。


で、今回の劇場版。

福君の夏休みに撮影したそうです。
売れっ子小学生ですからね、夏休みでもないとオールロケとなる映画の為にまとまった休みなんか取れないでしょ。
昨今の小学生は社会人より忙しい。
大変です。

で、映画の内容はまんま、「ドラマのその後」です。
夏目家・緒方家の人々との触れ合いを通じて、「人間になること」を強く願うようになった妖怪人間3人であったが、
彼らが人間になるためにやらなければいけないこと=彼らに欠如している「悪心」を取り込むことには抵抗があった。
唯一彼らの正体を知る章規(北村)に誘われ、夏目家・緒方家の人々と音楽鑑賞に赴くが、そこで逃亡中の強盗犯達に拉致され、
人々を救うため・強盗犯を止める為に、人々の前で正体を晒す。
拉致事件は解決するものの、彼ら3人は、その後、人々の前から姿を消してしまう。
彼ら3人は、「悪心」を取り込まず、人間を影ながら守ってゆく「生き方」を選び、「名前のない男」と対決することとなった。

っていうのが最終回。

で、この後。

彼ら3人は、行く当てもなく、訪れる街で人々を影ながら救い、その度に「妖怪」の姿を目撃され、そして街を去ってゆく。
夏目達と出会う前の生活を繰り返していた。
そんなある日、辿り着いた街で、大手製薬会社の社員が次々と襲われる事件が発生していた。
行き掛かり上そのうちの一人を助けたベムは、その事件に「不可解」さを感じる。
一方、ベロは片足を患っている少女と出会う。
初恋である。
その娘の閉ざされた心を何とか癒そうとするベロは、少女・みちるとともに「家族ごっこ」を始める。
―少女は、製薬会社・MPLの研究員・上野の子供であり、同じ研究員であった母親・小百合は、原因不明の自動車事故で死亡。みちるもその時の事故が原因で片足が不自由になっていた。

一連の事件を調べてゆくうちに、上野家が何らかの形で製薬会社の秘密に関わっていることに気づく、ベムとベラ。

一方で、この連続事件と共に、「未遂に終わった」事件の奇妙さから、3人がこの事件を追っていることを確信した章規も、この街を訪れ、ベム達と再会。
一緒に事件の真相を追うコトとなる。


とまぁ、これが映画の導入部。
この後、会社の保身の為に犠牲になり、その復讐心を抑えきれず妖怪化してゆく母・小百合の悲哀、妖怪化してゆく原因がかつて自分達が関わった事件にあることを知ってしまう3人、「名前のない男」の幻影に怯え、自分の選択によりベラ・ベロを不幸にしてしまったのではないかと悩むベム、永遠の命を持つが故に、少女との約束を守れないベロの悲恋、そんなベム・ベロ、小百合を見守りながら、時には自分のことのように悲しみ、怒るベラの姿などが描かれてゆきます。

基本的に「ドラマのテイスト」そのまま。

人とは異なる存在故に、どれだけ人に憧れてもその輪に入れず、受け入れられず、傷つきながらも、それでも人の優しさ・暖かさに癒され、そして人を守るために自らを傷つけてゆく。

なんてゆうんでしょうか、非常に悲しい話ではあるのですが、どうにも暖かさを感じざるを得ない。
そういった演出の中で、またサキタハジメ氏のBGMが非常に効果的に流れる。

「妖怪ホラーアクション」として作られたかつてのアニメが、ゆるやかで心情あふれる「人間ドラマ」として生まれ変わっている・・・
えー、ドラマの時もこの作風には惹かれましたが、劇場版として続編を作りつつ、「ストーリーの規模」「仕掛」などを大きくするわけではなく、「そのまま」で「映像美」のみを追求した作りに、感心いたしました。

うん、ブレていない。

監督・狩山氏の狙い通りの作品に仕上がっていると思います。
「映画だからパワーアップではない、皆で作り上げたドラマの世界を逸脱することない進化形」。


逆に言えば、残念なくらい「ドラマを観ていなければこの話の中心自体が解りづらい」のですが・・・

うん。
テレビアニメ・ドラマの劇場版て大体そうですな、「一見さんお断り」的な。「そんぐらい解ってるだろ」的な。
(劇場版「銀魂」で銀さんが言ってたことで、まさに真理)
ここらへんがね、まぁ、誰にでも薦められるわけではないところなんですよね、こういう映画。


個人的には非常に良かったですね、この映画。
「ああ、こういう終わり方で良かった」と。
ドラマからの流れで言って、とても、ホッとさせられた作品であります。





ホントに『騙された』と思って観てくれ、KIO君。・・・騙されないから。

2012年12月13日 | 映画


うん、ホントに。
まぁ、「フォーゼ」は観てないだろうし、好み的に好きになれないだろうけど、
いや、「仮面ライダー」だと思うから好きになれないわけで、ライダーじゃないヒーローだと思えば
多分、観れるから。

主題歌が「デーモン閣下」だぞ。
敵役だぞ、閣下。
しかもあの「悪魔」、だぞ。

いや、閣下がどうとか、だけではなく。


…てなわけで、観て来ました、毎年のアレを。

「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」。

主演:福士蒼汰(フォーゼ) 白石隼也(ウィザード)
共演:吉沢 亮 高橋龍樹 清水冨美加 坂田梨香子 冨森ジャスティン 志保 土屋シオン/宇宙仮面ライダー部OB・OG
   奥仲麻琴 戸塚純真 高山侑子 小倉久寛/面影堂の面々
   
   (フォーゼパート)
   須賀健太 足立梨花 山谷花純 中澤兼利 原 勇弥 神保悟志 長澤奈央 田中卓志 
   遠山俊也 原 幹恵

    (ウィザードパート)
   入来茉里 渋谷樹生 芳賀 栞 坂本大河 阿久津秀寿 小宮孝泰 田谷野亮 KABA.ちゃん
   
   (アルティメイタム)
   真野恵里菜 渡部 秀 中山絵梨奈 篤海
   (声)デーモン閣下 関 智一 三ツ矢雄二 

スーツアクター:高岩成二 渡辺 淳 藤井祐伍 藤田房代 高田将司 岩上弘数 羽賀亮洋 おぐらとしひろ

脚本:浦沢義雄 中島かずき
監督:坂本浩一
   (敬称略)

なんか、ライダー映画ではここまでキャスト書かなかったんですけどね、
書いてみました・・・疲れた。

正直、ストーリーについては殆ど書けません。殆ど最初触れただけでネタバレになってしまうという作りです、今回は。
つうか、キャスト書いただけでネタバレなんですけどね。



地上から追放され、数千年に渡って地底に追いやられていた悪魔族の3人が復活を果たした。
彼らの目的は地上征服・そして、人類への復讐。
ファントムの協力を得て、5人の生贄(ゲート)を捕獲すると、精神世界(アンダーワールド)を媒介して、ダウンワールド(魔界)と現世を繋ぐ為の「魔法陣」を起動させようとしていた。
起動させる為には、もうひとつ、強力な「精神力」を集約した鍵「ゼーバー」が必要だった。



5年後。
天の川高校の教師となった、如月弦太郎。
相変わらず「全校生徒とダチになる」と豪語する彼。
だが、彼にも、他の生徒にも馴染まない、4人の生徒がいた。
風田・小巻・近藤・根津。
彼らはOG・ユウキが宇宙飛行士となって探査から帰る日に、ふとしたきっかけで「その帰還船を墜落させる」と言い出す。
「我々は超人同盟である。愚かな旧人類に復讐する」と。
教室の外へ出る彼らを止めようと、追いかける教師達を、「超能力」で退ける4人。
弦太郎はそれでも三郎を追い続けるが、そこに「ゾディアーツ」が現れる。
なす術もない弦太郎を救うようにして、流星=メテオが介入。難を逃れる。
インターポール捜査員となった流星は、「超能力兵士の開発とその売買」に暗躍する、「番場」という科学者を追っていた。
三郎達の蜂起に「番場」の影を感じた二人は、初代ライダー部のメンバーに「集結」を呼び掛ける――。


現代。
ファントムによって誘拐された5人のゲートを捜すうちに、巨大な建造物に辿り着いた面影堂の面々。
どうやらここが拠点らしいが…建造物から出てくるのは、グールだけでなく、ドーパント・ヤミー・ダスダードなど、かつてのライダー達が戦った怪人たち。
これまでと明らかに異なる異変を感じた面々。
建造物に入ると、巨大な魔法陣に繋がれた5人を発見。
彼らを救いだそうとするウィザードの前に現れたのは、ファントムの二人。
しかし…
「今回は私達の仕業ではない」と。
そして、その背後から現れた、三人の悪魔族。
圧倒的な力でウィザードを退けた三人は、ゲートの一人・上村優のアンダーワールドへと進む。
計画の総仕上げをする為に。
コヨミをその場に残し、三人の後を追う晴人・瞬平・凛子だが…
その先は…
「永遠に続く一日」に閉じこもる、「ポワトリン」の世界だった。



えー、ここらへんまではね、HPでも描かれてますんで、まぁ許されるでしょう。
もう、一見して「5年後」と「現代」で、その間をどう繋ぐのよ、「電王もデンライナーも」ないじゃんよ、てな展開から始まりますが…
見事、「魔法と悪魔力」で繋いでしまうんですね、これが。
5年後じゃないと出来上がらない、鍵。
現代じゃないと出来ない魔法陣。
ここらへんに、殆ど「矛盾」が発生しないよう、見事に繋いでくれてます。

まー、なんで毎回ハードルあげるかね、ライダーの製作陣は。

前回のメガMAXは二人のライダーの物語を、先輩ライダー達が繋ぐ、っていう形を採って、ゲストライダーが出てくること自体に矛盾が出ないようにしてましたが…

今回は、「友情」と「絆」を元にした「魔法」が、この物語を繋ぎます。
オーズ=映司は、単に「後輩の危機に駆け付けた先輩」の立ち位置。
フォーゼ編からアルティメイタムへ繋ぐ形で登場する「なでしこ」は、弦太郎の、宇宙規模の「友情」と「初恋」が生んだ奇跡。
ほかのライダー達の登場は、ぶっちゃけ「勇気」が生んだ魔法。
…いやぁ、子供がワクワクしそうな展開。

なんつうか、最初っから最後まで飽きずに、ダレずに観切ってしまいました。
いやー、展開とアクションがね…ともかく、速い。
そして派手。
息つく暇ない。



いやぁ、確かにこれは「メガMAX」も「40周年ライダー」も超えてます。素晴らしい。
…つうか、正直、フォーゼとウィザードで「超えられる」と思ってなかったので…そんな見たてをしていたことに、
申し訳なさすら感じてしまう。
ていうか、
今回の「ゲスト東映ヒーロー」が、「アクマイザー3」に「イナズマン」に「美少女仮面ポワトリン」ですよ。
同じ石の森作品だっつうても、仮面ライダーとは全く繋がらない上に作風すら全く違う。
ポワトリンに至っては、石ノ森作品のなかでも「ロボコン」と同列の作品ですからね、接点があるわけない。
どーすんのよこれ…
なんて思ってましたが…
すごい。
ちゃんと繋がっている。
つうか、全く違和感がない。
なんだ、これ。
つうか、サナギマンの段階でここまで強くていいのか、イナズマン。
てぇか、アクマイザ―ってぇことは、あの「ガブラッチョ」まで出すのか?
…出て来ました。しかも、強い。反則的に。

で、思ったんですけど…今回フューチャーされた3作品、実際本放送を見ていた世代って…
もうすでに「仮面ライダー観るお子さんの父母」の世代でもないんですよね。
大体、40代半ばくらいじゃないか…?
これ、お父さん・お母さんだってわからない気がするけど…
あれですかね、前に出した「東映ヒーロービデオ」の宣伝でしょうかね。

ちなみにワタシ、「アクマイザー3」が大好きでした、当時。
彼ら、おそらく唯一の「変身しない(そもそも普段から悪魔の格好)」のヒーローだったんですよ。
まぁ、それは色んな事情だったんですけどね、…当時の子供には斬新でした。

夏映画に出てきた「ワンセブン」も大好きでしたけど。

まー、そういうヒーローを、ともかく「強くて怖くて、それでも憎めない悪役」をして描く。
ここらへんが、ここんところのライダー映画のパターンになっているようでもありますが…

どうすんだ?

あと残っているの、「キカイダー」「キカイダー01」くらいじゃないか?


で、KIO君へ。

ともかく、・・・ウィザード観ているなら、今回の映画は観てください。
ホント、スゴイから。
あのー、「アベンジャーズ」とかね、「アメイジング・スパイダーマン」とかね、「ダークナイト・ライジング」とかね、
全然メじゃないですね、これは。
つうか、3D作品じゃなくて良かったっすよ。
多分、途中で気分悪くなってる。
1時間半ジェットコースターに乗ってる位の勢い。
そして、各々の見せ場が存分。

で、閣下がともかく素晴らしい。
…なんとなく「モモタロス」にダブる部分はあるけど。
そして、主題歌まで…閣下作詞作曲。
「多分我輩の曲の中で一番サビが明るい」だそうです。





ちなみに、次に観に行くのは「妖怪人間ベム」。











「やくざ映画の見過ぎだ」って、それをアンタがいうか。

2012年12月07日 | 映画
というわけで、昨今、映画ネタが殆どなんですけどね、
大体忙しくても月2本くらい観るペースを変えないようにしております。

で、先月から既に公開されてますんで、ある程度「ネタバレ」しても許されそうな、
今回の作品。

「任侠ヘルパー 劇場版」

主演:草 剛
共演:安田成美 香川照之 
   風間俊介 夏帆
   堺 正章 黒木メイサ
   杉本哲太 宇崎竜童 他
   (敬称略)

かつてテレビドラマシリーズにて大ヒットした「問題作」を、テレビスタッフそのままで製作した劇場版。
ストーリーも、「テレビスペシャル」で描かれたその後、であります。


最愛の人との死別・その忘れ形見である「涼太」との決別を経た翼彦一。
見知らぬ街の夜のコンビニで働く彼は、ある晩、コンビニ強盗を撃退。・・・しかし、その犯人が「老人」と気づいた彼は、
レジの金を渡すと、逃がしてしまう。
やがて犯人は捕まるが、彼も「共犯では?」と疑われ事情聴取を受ける為連れて行かれる際の警官の一言にキレ、そのまま警官を殴って逃走する。
が、あっさり包囲され、刑務所に。
刑務所で偶然、コンビニ強盗の老人・蔦井雄三と再会。元ヤクザで同じ「桜」の刺青を入れたこの老人と意気投合するも、彦一の出所を目前に蔦井は獄死。
出所後、帰る宛てもなく、とはいえ堅気になることも出来ない彦一は、コンビニ強盗の一件で、何故か彦一に心酔してしまった若者・成次とともに、蔦井のツテを頼って、寂れた海の街「大海市」へ。

大海市に着いた彦一は、蔦井が所属していた地元の暴力団「極鵬会」のチンピラと一悶着起こし、
組長・朝比奈との会見を果たす。
客人として扱われるところ、「行く宛てがない。凌ぎをさせてくれないか」と持ち込む。

兄弟分だった蔦井のツテだから、と承諾した朝比奈が、彦一に与えた仕事。
――それは、老人から生活保護費と年金を奪い、半ば強引に「収容」する介護老人ホーム「うみねこの家」の経営だった。

大海市では、元弁護士で二世議員である八代を中心として、「観光福祉都市プロジェクト」が立ちあがっていた。
福祉の充実とともに、地元で勢力を強める暴力団の排斥――熱意を持って推し進めようとする八代は、極鵬会にとって邪魔者でしかなかった。

一方で、蔦井の娘で高校時代に恋仲だった葉子を、今だ慕い続ける八代。
シングルマザーとして、家計を支えながら、痴ほう症が深刻な状況にある母を抱える葉子を見かねて、特養施設を持つ病院を紹介するも、症状はむしろ悪化してゆく。
苦しみから解放されない葉子は、耐えきれず、嫌っていた筈の「ヤクザ」である彦一を頼って、母を「うみねこの家」へ預けることとする。

最初は「凌ぎ」として、老人達から生活費を巻き上げ、施設の収容人員を一気に増やし、売上を伸ばしてゆく彦一。
しかし、収容され、悲惨な扱いを受け続ける老人達の姿にはやはり「見るに耐えない」矛盾を抱え続ける。
ヘルパー兼介護医が一人しかいないホーム。
それでも必死に生きようとする老人達を見かねて、彦一はついに動き出す。
「誰も助けてくれない、誰も面倒見てくれないなら、自分達でやるしかないだろ」と。
「うみねこの家」は、「介護老人の収容所」から、「共同生活支援の家」へと姿を変えてゆく。

しかし、勝手にリフォームし、老人達の「自立」を促す彦一の姿に、極鵬会若頭・日吉は激怒。
「これ以上やるならホームを潰す」と言う。

ヤクザに身を置きながら、老人達と触れ合い、再び「ヘルパー」として動き始めた彦一は窮地に立たされる。


とまぁ、こういうストーリーでございます。
・・・これで約半分くらいの内容を語ってしまいました。・・・愉しみにしていた方がいらっしゃったらスミマセン。
が、…
正直、これくらい解っても充分楽しめます。
全く「意外性」がないですから、テレビシリーズを見ていれば。


えー、要するに、「劇場版 ライアーゲーム:再生」でもそうでしたが、テレビシリーズの大筋を、その後のシチュエーションで再現している作風。
テレビシリーズを最後まで観ている方なら、大体エンディングまで想像できてしまう。
そういう意味で、全く意外性がありません。


彦一がなりたかった「弱気を助け、強気を挫く」本物の極道・任侠道。
しかし、「本物の侠(オトコ)」とは、一体どういう人を指すのか?
結局、それが解った時、彦一はそこから「逃げる」ことを止めます。
本当に強い者は「腕っぷし」ではない。「権力」でもない。
「心を捨てない」者である、と。
まぁ、劇中でこんなコトを語られるシーンはありませんが、「昔のコトも家族のコトも忘れていても、昨日の思い出と人との触れ合いだけで、精一杯生きようをする」老人達の姿に、彦一は何度も救われ、そして立ち上がります。

そういや、そういう話でしたよ、「任侠ヘルパー」って。


ちなみに、これは勝手に思ったことですが、
劇場版前のスペシャルのエンディングで、
「何だか往年の名作西部劇『シェーン』みたいだな」などと思ったのですが、
今回の劇場版を観ていて、
「なんだか内容は違うけど、名作時代劇『七人の侍』や『用心棒』を思わせるなぁ」
などと思ったのですが・・・

テイストとしては狙っているかもしれません。

そういう意味では、この映画、「問題作」というより「娯楽作」です。


内容としては結構楽しめました。
ですが・・・
間違っても「続編」は作らないで欲しいな、と。

これ以上やると、「フーテンの寅さん」状態になりそうなので、彦一君が。

「嫌なものは嫌なのじゃ」って、おい。

2012年11月15日 | 映画


えー、連続更新。

「009」を観た一週間後…つうことは、もうすでに2週間くらい経過してるんですけどね、これ観てから。
なんですかね、映画館に行ったり、テレビ見たりして、映画のCMが流れて…面白そうなんだけど、
何度も見ていると、もうCM見ているだけで本編観切っちゃったような気分になることが多々あります。
で、実際観る前に興味失っちゃったり、とかね。

しかし、不思議とね、この映画については、「こんだけやってるんだから、観てみようか」と。

狂言師・野村萬斎さんの「怪演」に興味が尽きなかった、つうのがね、一番の理由なんですけど。

「のぼうの城」

監督:犬童一心・樋口真嗣

脚本:和田 竜

主演:野村萬斎
共演:佐藤浩市 榮倉奈々 成宮寛貴 山口智充 平泉 成 西村雅彦 夏八木勲 前田 吟
   中尾明慶 尾野真千子 芦田愛菜 鈴木保奈美 中原丈雄
   上地雄輔 山田孝之 平 岳大
   市村正親
   (敬称略)


織田信長の死後、その圧倒的手腕で関白にのし上がり、天下統一へと突き進む豊臣秀吉。
残るは関東の北条軍。
小田原城攻めを前に、まずはその周囲で同盟を組む城を落とすことを画策する、秀吉。
その中には、北関東の小さな大名・成田家の「忍城(おしじょう)」もあった。
小田原攻めを前に、勤勉・実直だが実績のない部下・石田三成に武功を与えようと考えた秀吉は、
三成に二万の兵を預けると、この「忍城攻め」を命じる。
同じころ、平和な忍城下の家臣達に招集がかかる。
同盟の北条氏政より、小田原城の守りとして、加勢を命じられたのだ。
そんな中、北条の使者を前にして、「成田家の(でく)のぼう」と揶揄される長親は、
「豊臣も北条もない、今まで通りの暮らしができないもんかなぁ」などと発言し、父・泰季にどやされる。
泰季はこれが元で、床に伏せてしまう。
城主・氏長は北条への加勢に同意し、350騎の兵とともに小田原に向かうが、同時に秀吉への内通を進める。

そして、2万の兵と共に忍城下に到着した石田三成。
まずは開戦の使者として長束正家を向け、成田家へ「無血開城」を進める。

残り500騎の兵しかいない、成田家。
秀吉への「内通」を進めていることもあり、そもそも「無条件降伏」の段取りを進めていた、忍城下。
誰もが当たり前に「戦をせず、軍門に下る」と考えていた…

が、使者として現れた正家の尊大な態度と、その容赦ない「降伏条件」に、城主代行(形だけ)の役を担った「のぼう」長親の一言…

「たった今、気が変わりました。戦いまする」

敵味方一同が騒然とし、長親を諌めるも、のぼうの決意は変わらない。

こうして、前代未聞の2万VS500の、絶望的な戦が始まった。


…とまぁ、こんな下りでございまして…

これ、全くの「史実」でありまして、大昔の埼玉県行田市で、実際にあった戦でございます。


昨今、「戦国大名ブーム」とでも言いましょうかね、いろーんなところで「戦国大名」がクローズアップされますが、
この「成田家」は弱小中の弱小。
関西を中心に戦が繰り広げられたこの時代に、関東の片田舎でのーんびり暮らしていた大名でございます。
そして、その中でも、主人公・長親。
ひがな一日、農民・城下の民に「のぼう様」などと呼ばれながら、田植えの手伝い(むしろ邪魔)したり、歌や踊りに興じたり、と、おおよそ「武家」らしい振る舞いなどしたことのない、大うつけ。
ですが、なーぜーか、「人望」だけは厚い。
どんなことでも、「のぼう様が言いだしたんなら、しょうがないや」で済んでしまいます。

そして、この絶望的な戦も。

城下の民も、家臣達も、農民も、
「のぼうが降伏したくない、っていうんなら仕方ない。やるか」
と、何故か乗り気になってしまう。

ヒジョーに、不思議な人物であります。


そして、この「のぼう」を演じる、野村萬斎さん。
企画が持ち上がり、さぁ製作しようという7年前から、キャストとして打診があったとか…
ってぇぐらいですから、まー・・・このヒトしか出来ないようなキャラクターとなっております。
ちょっとね、安倍清明とは真逆というか、芯のトコロでは同じというか…
まー、「こんなんが軍の将でホントに大丈夫か?」としか言いようのない男。
明日開戦、という時になっての兵・領民へのメッセージが、
「オレの勝手な思いで戦にしてしまった、皆、ごめーーーーーん!!」
ですからね。
周りの家臣が呆れる中、
領民や兵たちは、のぼうを逆に励ます始末。

果たして、彼らは生き残れるのか…

ということになります。


正直、作品としては好き嫌いはありそうです。
これが現代への何かの「教訓」か、つうと、
…ワタシはそういうのを感じずに観た方が良いような気がしました。
まぁ、何せ宣伝が大きい分、作品として「観る前の期待感」てぇのが大きくなりますし、
まして「史実」ですから、
なんだか、「どんなスペクタル映画なのか」ってぇ感じにとらえがちですが…

観終わって言えるのは、「娯楽映画」であります。
スケールのおっきそうで、そうでもない、娯楽映画。

もうトコロドコロ、おちゃらけてますから。
ぐっさんの甲冑姿がまるっきり「バイキング」だったり。
佐藤浩市さんのカブトに「ドクロ」がついてたり。
まるで「花の慶次じゃねえんだから」なんてぇツッコミもいれたくなるような…
榮倉奈々さんの「甲斐姫」にしても、男勝りを通り越して「もしかして最強のキャラ?」みたいになってるし。

とはいえ、ワタシは充分楽しめました。
いやぁ、ともかく、萬斎さんがスゴイわ。
「(でく)のぼうでいるのも、それなりの覚悟とそれなりの意志と、それなりの優しさが必要なんだなぁ」と。
そんなコトを感じさせてくれます。


まだ当分上映しております。

「正統派」「硬派」の戦国時代活劇ではありません。
ぶっちゃけ、「マンガ」だと思って観た方が良いと思いますが…
「爽快感」を味わいたい方には、とてもお薦めな「娯楽作」です。



誰が為に戦う。

2012年11月15日 | 映画
えーと、実のところ、かなり前に観ていたのですが、どーにも更新する時間がございませんで…

てなわけで、映画です。

「009 RE:CYBORG」


えー、「仮面ライダー」「人造人間キカイダー」「イナズマン」など、数々のヒーローを生み出した巨匠・石ノ森章太郎さんがライフワークとして描き、未完となった名作・「サイボーグ009」。
その最新作を、
「攻殼機動隊S.A.C」シリーズを手掛けた神山健治氏とプロダクションI.Gが、「3Dアニメ」として完成させました。

…まぁ、「攻殼」「I.G」「石ノ森」と来た段階で、無条件で「観に行こう」と言い出すワタシ。
全く予備知識のない相方に付き合って観に行きましたよ。
…先月の10月27日・公開日に。


「死の商人」ブラックゴーストとの戦いから27年の月日が経過した、2013年。
世界は謎の「連続自爆テロ」の危機に晒されていた。
謎の声「彼」の囁きに導かれるようにして、世界各地で爆破テロに走る人々。

上海で起きた33番目のビル倒壊のニュース。
六本木ヒルズのマンションの一室でそのニュースを観た高校生・島村ジョーは、
「先を越されちゃったな」とつぶやくと、姿のない「母親」に一声かけ、部屋を出てゆく。
展望台に上がり、東京の夜景を眺めるジョーの前に現れた、同級生・トモエ。
「ずっと島村君を見ていた」という彼女は、ジョーの感じてる孤独を思いやり、癒そうと…
その時、米軍機により発射されたミサイルが、六本木ヒルズに着弾。
爆発と火災の混乱の中、突如としてジョーを襲う、巨漢のインディアン。
その攻撃を避けながら逃げるジョー。
屋上部まで追い詰められ、いよいよその拳に圧殺されそうになったその瞬間…
世界の全ての「動き」が、ジョーの眼前で止まった。



…とまぁ、こんな出だしで始まる今作品。

009である「島村ジョー」が何故「高校生」なのか?
005であるジェロニモ・ジュニアが、何故、そのジョーを襲うのか?
ジョー襲撃の指示を出す女性=003・フランソワーズの真意は?
…と、最初のシーンから謎だらけでありますが、ちゃんと、きちんと、「続編」であります。
「リニューアル」ではなく。


ブラックゴーストにさらわれ、望まずに「サイボーグ」として、兵器として、「最強」と「不死身」の身体を得てしまった、00ナンバーの戦士達。
ブラックゴースト・ネオブラックゴーストとの死闘を終え、「かりそめの平和」を得た世界の中で、彼らの安住はあったのか?
そして、新たな戦いの始まりの中、姿を見せない「彼」は、果たして本当に「敵」なのか?

まぁ、そういう話です。
ストーリーの位置づけとしては、ネオブラックゴーストとの戦いを経て、最終話となる「天使編」をつなぐところ、でしょうかね。
「自分たちは、果たして誰の為に戦い続けるのか?…自分たちの戦いは、果たして『未来』を繋ぐものになるのか?」
そんな矛盾に苦しみながら、9人の戦士達は戦いに赴きます。

ええ、映画としては、この作品だけでストーリーは完結しません。
再び9人が集まり、「戦いが始まる」ことを予期させるところで終わります。

とはいえ、この後を作るかどうか…つうのはあんまり問題じゃないかも知れません。
「かつて、こういうヒーロー作品があって、こういうことを描いていた」ということ。
そのことについて、とても忠実に描いている作品、と言えましょう。

まー、全編、抽象的でして、どうにも説明し辛いのですが、ヒジョーに良い出来です。
「こういう解釈の仕方もあったのか」と、そう思いました。

そして、ともかくスゴイのが、「映像」。
…あのー、これ、ホントね、アニメで3Dだから出来るとしか言いようがないですね。
なんでしょうか、この臨場感と迫力は。
009の代名詞である「加速装置」発動シーン…これはね、まるでハイビジョンで観るスポーツ映像ですわ。
(いや、褒めてるんです、マジで)
002=ジェットが操縦する戦闘機での空中戦シーンとかも…
高所恐怖症の方にはかなりキツイです。
(ワタシ、実際かなりキツかったんですけど)

まだ上映していますんでね、興味のある方、是非「3D」でご覧になることをお薦めします。

なんでここまで出来るんだ、日本のアニメーションは?…てなぐらいの映像美。
巨匠が御存命でこれ観てたら、なんて仰るか…

まぁ、それは知る由もありませんが、
本当に、「スゴイ」最新作です。








今さらそーとー前に録画した…

2012年10月09日 | 映画
『アバター』を観ました。

…あれですな、近未来SFアクションアドベンチャーの形をした、
『一時期やたら作られたインディアンサイドの西部開拓史』
ですな。

『ダンス・ウィズ・ウルブス』
を思い出しました。


話としては悪くないけど、
メカニックのみならずストーリー展開まで日本アニメに影響されてる感が気になります。


…つうか、これ続編作るのか?


やめとけ。