愛丸のサッカー観戦記

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アメリカ-ガーナ(W杯 決勝トーナメント1回戦)

2010-06-27 11:17:55 | 各国代表戦
観戦日 6/27(日)       

愛丸’s チェック
イングランドを抑え、グループ1位で突破したアメリカ。
2度、追いつく展開でのドローと、最終戦は、スコアレスドローかと思われたATに劇的なゴールで勝ち点をゲット。
勝負強さの伺えるアメリカ。
攻守での安定もあるし、できれば、FWがもっと点を取れるような状況になれれば。
この試合でも、あの勝負強さを発揮できるかどうか。
ガーナはドイツに破れはしたが、組織だった守備で、2位通過。
オーストラリア、セルビアと難敵が揃ったグループだったが、うまい試合運びで、ここまで駒を進めた。
この両チーム、ドイツW杯では同じグループで対戦。
そのときはガーナに軍配が上がったが、果たして、ここ南アの地ではどうのような結果になるか。

アメリカは、いい攻撃ができたが、ガーナの鉄壁の守備を最後まで崩せなかった。
ドノバンのPKで追いつき、90分1-1で今大会初の延長に。
ガーナのスピードに対応しきれてないうちに失点し、追う展開になり、それでも追いついて、延長に突入したんだが、その延長でも、開始早々に失点。
ギャンのスピードとパワーに押し切られてしまった。
アメリカの失点は、ガーナのうまさにやられたもの。
どちらも崩されてのものではなかったし、なんとかしてこれを防いでれば、この結果にはならなかったはず。
それにしても、アメリカはいい攻撃ができてもなかなか点が奪えない。
グループリーグ最終戦でも、あれだけ攻撃しながらATの1点だけだったし、運も味方してくれなかった。
あれだけ引かれたガーナのDFを崩すにはサイドに振る、2列目、3列目が裏へ飛び出すってことが重要だが、それができてないわけではない。
そういう動きは多く見られたが、それでも、最後が決めれない。
キングソンが当たってたのもあるが、どうしてここまで点が取れないのか。
デンプシーには力みが感じられたし、ドノバンは、どうも中盤での仕事に専念。
M・ブラッドリーもスロベニア戦で見せたようなダイナミズムさがちょっと足りなかった。
ここを活かそうと中盤のパートナーをだいぶいじってきたが、これも実らず。
これを考えると、やっぱり柱になるFWの不在が響いたか。
アルティドールもフィンリーもスピードとテクニックはそれなりにあるんだが、決定力に難がある。
ここに渡しとけばってことも難しいし、そうなると、中盤の選手に頼らざるをえない。
時間の経過とともに、中盤の選手は疲労もたまるだろうし、いい動きができなくなる。
ここがアメリカの弱点だったか。
ガーナのあのがっちり引いて組織だった守備に穴を開けれず、またしても、このアフリカの雄の後塵を拝することに。
もっともっと見てみたいチームではあったが、攻撃力の低さを考えれば、ここでの敗戦は妥当かもしれん。
ガーナは、唯一アフリカ勢として、この決勝トーナメントに進出してきた。
今大会から4-1-4-1システムを採用し、これが守備の局面では大当たり。
アンカーのアナンがばつぐんの守備力で、DF陣をしっかりサポートし、そのDF陣も壁を作れば、なかなか突破されることはない。
あのドイツですらエジルのミドルでこじ開けたわけで、守備陣の崩壊ってのはなかなか考えづらい。
アメリカを相手にしても、取られた点はPKだし、流れの中では全てを跳ね返した。
この守備力は、今大会でも1、2位を争うものかも。
スイスがグループリーグで敗退したことを考えると、今はガーナの守備が一番安定してるかも。
ただ、やっぱりガーナのアフリカのチーム。
相手が押し込んできてるときはしっかり集中して、守りきれるんだが、いったんそれが緩まって攻撃に展開ってときにミスが目立つ。
もっと強いチームはここを狙ってくるだろうし、QFで激突するウルグアイには強力な3トップがいる。
こういうミスがあると、そこを突かれてくるだろうし、ポジティブ・トランジション時の軽率なミスをなくさないと痛い目合うかも。
攻撃では今大会初めて流れの中から2点をゲット。
これまではPKでしか点を奪えてなかった。
1点目はK・P・ボウアテンクの個人技、2点目はギャンの個人技。
取った点は個人でのものだったが、攻撃全体を考えると、サイドの若手、アユーとインコームがかなり目立ってた。
このふたり、スピードもテクニックも兼ね揃えてる。
ただ、ラストパスってところに精度を欠き、これが決定機に繋がらないのは、ここが問題だから。
今後、一段とここが成長するとも考えづらいし、もっとコンビとしてこれを活かすことができれば。
ガーナは、これでまたアフリカの代表としてひとつ階段を上った。
次のウルグアイとの守備決戦を制することになれば、偉業達成も見えてくる。

スコア 1-2(1-1 ET0-1)

<得点者> 
アメリカ   ドノバン
ガーナ    K・P・ボアテンク、ギャン     
~愛丸's MVP~
キングソン(横への反応も、高さへの対応も、ポジショニングもかなり高いレベルにあるGK。この男は試合を重ねるごとに成長してる感じがある)