愛丸のサッカー観戦記

日本代表から欧州・南米などなど
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パラグアイ-ベネズエラ(コパ・アメリカ SF)

2011-07-21 23:49:10 | 各国代表戦
観戦日 7/21(木)       

愛丸’s チェック
グループリーグの最終戦で対戦したこのカード。
この大会、ベストゲームと言える試合をやってのけた両チームの戦い。
パラグアイのあの苦い思い出がしっかり残ってるだろう。
後半の終了間際に2失点を喫してのエンパテ。
ベネズエラを舐めてかかれないのは、あの試合で重々承知してるはず。
だから、この試合で、どうベネズエラに挑むのか。
力関係ではパラグアイに分があるし、その点をしっかりわかってれば、消極的なサッカーにはならないはず。
ベネズエラは、いい状態でこの試合に挑める。
初のベスト4だし、失うものは何もない。
チャレンジャーとしての気持ちは変わらないだろうし、ここも一発あっておかしくない。
今、一番勢いに乗ってるチームかも。

パラグアイは、この試合、なりふり構わずきた。
と言っても、攻撃的に攻めに転じるのではなく、ここまでパラグアイでひとり攻撃でアクセントになってたエスティガリビアを先発から外し、守備的布陣で挑んできた。
これはベネズエラの怖さがわかってるからで、SFという舞台がそうさせたのかも。
ただ、ここまでしてこの試合に望むべきだったか。
たしかに、失点もせず、PKで勝利を手にすることはできたが、これが先に繋がるとはとても思えない。
このコパ・アメリカを見てて、現在、南米のサッカーはかなり力が落ちてる。
ヨーロッパがあれだけのレベルのサッカーができてるのに、南米はまだ個人に頼るサッカーが主流。
このままだと、アフリカ、北中米、アジアにも並ばれてもおかしくない。
そんな中、パラグアイは守備に重点を置きつつも、ヨーロッパ的な組織だった攻撃もできるし、ここはあんながちがちに守備にこだわるサッカーはしてもらいたくなかった。
それもここまでの布陣をいじってまで、守備にこだわるなんて・・・。
ただ、結果だけを考えたら、これはこれでいいのかも。
いつだかのイタリアがそうだったみたいに、失点しなければ、負けることはないっていうカテナチオに通ずる考え。
これが時代遅れであることはパラグアイの選手も監督もコーチ陣もわかってるはずだが、それでも、タイトルに賭ける意気込みが強いから、あえてこれを選択したんだろう。
ピンチを迎える場面もあったが、今、乗りに乗ってるビジャールがいるし、そこは、この試合もしっかり仕事をしてくれた。
後半、試合を決めるつもりだったのか、サンタクルスもエスティガリビアも投入したが、この選手たちが、途中で流れを変えることもなかった。
先発で起用されてなんぼの選手だし、こういう使われ方に慣れてないんだろう。
ここで結果を出したパラグアイだし、フィナルも守備的に振舞って、失点をしないサッカーに徹するはず。
ブラジルにはこの戦い方で勝利したことは意義があることだが、ベネズエラにもこれで果たして満足なんだろうか・・・。
タイトルを取れれば、これが正解って言えるが、もしウルグアイに負けるようなことになれば、この勝利は全く先につながらない。
ブラジルに勝利したチームだし、W杯でも優勝を狙うようなチームにならないといけないわけで、サッカーとは点を取ってなんぼのスポーツ。
時代の波に逆らってるチームが、これから世界を舞台に結果を残すとは思えない。
ベネズエラは、パラグアイと違って、今まで通り、自分たちのサッカーを貫いた。
高い位置からのプレスで相手を追い込み、ボールを奪ったらショートカウンターからスピードに乗った攻撃で相手のゴールに迫る。
チームとしての共通認識はパラグアイよりも上だった。
ただ、いい攻撃ができても、不可解な判定に泣かされたり、ビジャールの好守にあったりで、運に見放された。
この運のなさがPK戦にも出て、惜しくもここで敗戦。
ここまでベネズエラが与えたインパクトはかなりのもので、もう野球だけの国とは思われないだろう。
アランゴを中心にした攻撃陣は試合を重ねるごとに機能してきたし、守備でもビスカロンドを中心によくまとまってた。
このチームを中心に、これからW杯の予選を戦うことができれば、念願の本大会出場も見えてくる。
カーサでパラグアイとやれれば、間違いなく勝てるだろうし、この試合も勝ってもらってフィナルに進んでもらいたかった。
やるべきサッカーをして勝つのが理想だが、結果が全てだし、パラグアイが勝ち上がったのは、負けないサッカーに徹したから。
これでフィナルはウルグアイとパラグアイが対戦することになったが、どちらも守備を起点にしたチーム。
ただ、攻撃陣で勝るウルグアイが多少有利か。
ここまで、この大会は下馬評の高いチームが負けてることが多く、フィナルもどうなることやら・・・。


スコア
0-0(PK5-3)
<得点者> 
 なし              

~愛丸's MVP~
ビジャール(この試合でもビッグセーブでチームを救った。PK戦でも強さを証明したし、この男がこのパフォーマンスを続ければ、そうそう失点はしないだろう。あれだけ守備的に振舞っても、まだGKが目立ってるようだと・・・)