民主党政権になって「政治主導」「脱官僚」の目的は
達成しつつあるのでしょうか?
事業仕分けのパフォーマンスは一見、
官僚政治に風穴を開けているようにもみえますが
現実の予算削減は目標に至っていません。
鳩山政権下の混乱を見ていると、
官僚にいいようにあしらわれているようにも見えます。
一体、日本の統治構造はどうなっているのかを
解明したのが本書です。
本書の初版は2007年7月なので、
まだ安倍内閣のときです。
政党政治家を内閣の主体と考えず、
省庁の代表者が集まって内閣を構成するという認識が、
戦後日本の独特な議院内閣制を生み出したと、
著者は指摘しそれを「官僚内閣制」と呼びます。
鳩山首相が沖縄県外への普天間基地移設を唱えたものの、
外務・防衛・沖縄担当の各大臣の動きが極端に鈍くなりました。
官房長官の実行力のなさ等さまざまな要因はあるにせよ、
政治主導とは言いながら、
肝心な政策実行の場面では
結局のところ各省庁の利害が優先される現状を
浮き彫りにさせました。
著者が主張する改革の方向性は
①責任者への権力の集中
②一般有権者による民主的統制
の両立にあるとされています。
①責任者への権力集中は、
首相に権限を集中させるという意味ですが
この点においては、かなり進んでいるようです。
もっとも、鳩山-小沢政権のように
運用面で二重権力構造になってしまうのは
首相の資質に問題があるかもしれません。
この点で、菅首相の場合には
権力の集中が一元化される予感を抱かせます。
②一般有権者による民主的統制とは
端的に選挙、とくに衆院総選挙のことを言うのですが、
世論と言う名の各種マスメディア調査による
内閣支持率によっても内閣が倒れたりするので、
近年、民主的統制が格段に取れている気がするのですが
どうでしょう?
大きく見ると、①②の方向性に向けて政治改革は
進んでいるように思うのですが、
おかげで「振り子」のように安定しない政権が
連続する事態を著者はどのように考えているんでしょうね?
長期政権を維持し最後まで人気のあった
小泉元首相が特異だったのか
小泉元首相の行政改革のツケを
その後の歴代の内閣が払わされているのか
そのあたりの事情は論者によって
大きく分かれるところです。
達成しつつあるのでしょうか?
事業仕分けのパフォーマンスは一見、
官僚政治に風穴を開けているようにもみえますが
現実の予算削減は目標に至っていません。
鳩山政権下の混乱を見ていると、
官僚にいいようにあしらわれているようにも見えます。
一体、日本の統治構造はどうなっているのかを
解明したのが本書です。
本書の初版は2007年7月なので、
まだ安倍内閣のときです。
政党政治家を内閣の主体と考えず、
省庁の代表者が集まって内閣を構成するという認識が、
戦後日本の独特な議院内閣制を生み出したと、
著者は指摘しそれを「官僚内閣制」と呼びます。
鳩山首相が沖縄県外への普天間基地移設を唱えたものの、
外務・防衛・沖縄担当の各大臣の動きが極端に鈍くなりました。
官房長官の実行力のなさ等さまざまな要因はあるにせよ、
政治主導とは言いながら、
肝心な政策実行の場面では
結局のところ各省庁の利害が優先される現状を
浮き彫りにさせました。
著者が主張する改革の方向性は
①責任者への権力の集中
②一般有権者による民主的統制
の両立にあるとされています。
①責任者への権力集中は、
首相に権限を集中させるという意味ですが
この点においては、かなり進んでいるようです。
もっとも、鳩山-小沢政権のように
運用面で二重権力構造になってしまうのは
首相の資質に問題があるかもしれません。
この点で、菅首相の場合には
権力の集中が一元化される予感を抱かせます。
②一般有権者による民主的統制とは
端的に選挙、とくに衆院総選挙のことを言うのですが、
世論と言う名の各種マスメディア調査による
内閣支持率によっても内閣が倒れたりするので、
近年、民主的統制が格段に取れている気がするのですが
どうでしょう?
大きく見ると、①②の方向性に向けて政治改革は
進んでいるように思うのですが、
おかげで「振り子」のように安定しない政権が
連続する事態を著者はどのように考えているんでしょうね?
長期政権を維持し最後まで人気のあった
小泉元首相が特異だったのか
小泉元首相の行政改革のツケを
その後の歴代の内閣が払わされているのか
そのあたりの事情は論者によって
大きく分かれるところです。
日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)飯尾 潤中央公論新社このアイテムの詳細を見る |