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2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

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中学数学再入門 - できる、やさしい、役に立つ (中公新書)

2013年07月01日 21時03分29秒 | 書評 教育系
中学に入学して一番最初に学ぶ数学の単元は
「正負の数」なのですが、
マイナスの概念をすいすい理解して進む子どもいれば、
この負の概念を理解できずに、
最初からつまずく子どももいます。

単に公式や解き方を丸暗記するのではなく、
その仕組みや根拠を理解して
問題を解くことができれば、
応用力が身につくと思うのですが、
現実は、手っ取り早く答えが導ければよいという
誘惑に負けてしまいます。


中学数学再入門 - できる、やさしい、役に立つ (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社


この本は、中学数学の概念を分かりやすく
根本から理解できるように書かれた
大人向けの数学入門です。

「0(ゼロ)」という概念には、
なにもないという意味をしめす「0」と
1000というように桁をしめす「0」があります。
これらは、小学校の算数で学ぶ「0」の概念。

中学数学では、これに加えて
基準としての「0」を学びます。
0には基準としての意味があるということが理解できれば、
負の数の意味も理解できてくるし
負の数×負の数が正の数になる意味も理解できるようになります。

時間に追われて
このあたりをすっ飛ばすと
「なぜマイナス×マイナスがプラスになるのか」
理解できない子がでてくくるようになるのです。

もっとも大半の子は、
そういうもんだと理解して先に進むのですが・・・。


本書は、ともすれば見過ごされがちな
基礎・基本から理解する中学数学の全単元に触れられています。

算数再入門とともにおすすめです。
算数再入門―わかる、たのしい、おもしろい (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社


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すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる。

2012年01月29日 23時34分45秒 | 書評 教育系
伝説の灘校教師が教える 一生役立つ 学ぶ力
クリエーター情報なし
日本実業出版社


神奈川県知事・黒岩祐治著「恩師の条件」やNHKでの放送、
『奇跡の教室』で紹介されているので、ご存じな方も多いでしょう。

『銀の匙』という中勘助の小説一冊を教材として
中学3年間で読みとおす授業を行っていた
灘校の伝説の教師・橋本武先生が
「本当に伝えたかったこと」が書かれてあります。

関西の中学受験では頂点に位置する灘中。
その授業で、受験テクニックとはかけ離れた
「スローリーディング」や「横道にそれた」
授業がなされていたというのは
何とも皮肉な現象といえそうです。

ただ、実際にやってみるとわかると思いますが
一冊の小説を題材にして、そこに書いてある事柄を
膨らませながら生徒に国語力を身に付けさせるということは
教える側に相当の教養と力量がなければ出来ません。
それに加えて橋本先生の情熱とたゆまぬ努力、
教えることにやりがいを感じられる環境など
さまざまな条件があいまって
奇跡の授業が生まれたように思います。

付け焼刃ではない本物の実力を。

京都には洛星・洛南、奈良には東大寺・西大和
大阪には星光、兵庫には甲陽など
関西各地に私立トップ校があっても、
長らく灘が関西中学受験界でダントツのトップであり続ける
理由の一つかもしれませんね。

「なんでも手っ取り早く、楽して手に入れたい」
という風潮に一石を投じる本です。

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消える大学 生き残る大学 (朝日新書)

2011年05月29日 21時58分52秒 | 書評 教育系
少子化、全入時代と言われる大学の現状を
国公立、私立、大都市圏、地方、各学部など
網羅的に取り扱った本です。

存亡の危機にあるのは弱小私立大学だけではありません。
国公立も、近年相次ぐ合併を果たしているように
事実上消滅している大学は少なくありません。

独立行政法人化で、競争原理が導入され
地方・文系単科・小規模国立大学の経営は
維持できなくなるほど逼迫することが予想されるか
現に逼迫しています。

一方で、最近マスメディアで盛んに取り上げられている
秋田県の国際教養大学は今後の大学のあり方を考えさせる
大きな成果をあげつつあります。
就職率だけが大学の評価を決めるものではありませんが、
新興の大学としては画期的な就職率100%。
しかも商社など有名大企業への就職が多く、
企業からも注目を集めています。

その他、本書では医・歯・薬学部の現状、
法科大学院の今後についても触れられています。

法科大学院については
当初の理念からは
程遠い現在の状態から、
制度設計のミスと断罪されています。

アルバイトの学生から話を聞くと
学部生のころから新司法試験を意識して
既に予備校に通っているというので、
結局、僕が学生のころと何ら変わっていない。
単に法科大学院という無駄な制度が出来ただけではないか。
「やってしまった」責任をとらないまま
責任者たちは退場していくのでしょうが
残された方たちにとってはいい迷惑ですね。

消える大学 生き残る大学 (朝日新書)
クリエーター情報なし
朝日新聞出版


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つまずき克服!数学学習法

2011年05月07日 21時12分50秒 | 書評 教育系
大人になってから数学を学びなおうそうとする人が多く、
意外と数学ブームが起こっているらしいです。

その火付け役となった方が
語りかける数学を執筆なさった高橋一雄さんです。
語りかける中学数学
クリエーター情報なし
ベレ出版

数IA・IIB・IIICがこの1冊でいっきにわかる もう一度 高校数学
クリエーター情報なし
日本実業出版社



その高橋さんがちくまプリマー新書で執筆されたのが本書です。
つまずき克服!数学学習法 (ちくまプリマー新書)
クリエーター情報なし
筑摩書房


子供たちが算数・数学のどのあたりでつまづくのかを
単元ごとに詳細に書いてあります。
特に小3から小4にかけて
算数の概念が劇的に変わるので
小4あたりから算数が嫌いになる児童が増えるというのは
目からうろこでした。

つまずいたところを丹念に探し出して
そこから遡って学習し理解しなおすことが
数学の苦手意識を克服する方法であると
述べられております。

そのほかに、「伸びる生徒、伸びない生徒」の特徴が
書かれていたのが個人的に共感できました。

学校の先生、社員教育などなど
教育に携わる人なら誰でも共感すると思いますが
伸びる人の特徴ってなんだかわかります?

それは

『素直さ』

なのです。

能力の有無も確かにありますが
それ以上に『素直かどうか』が
その人が伸びるかどうかの試金石になります。

能力があっても素直でない人は
なかなか伸びないというのは
とても実感するところです。

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街場の大学論 ウチダ式教育再生 (角川文庫)

2011年01月01日 23時29分39秒 | 書評 教育系
あけましておめでとうございます。
みなさん、今年もよろしくお願いいたします。
今年1発目のブックレビューです!

街場の大学論 ウチダ式教育再生 (角川文庫)
内田 樹
角川書店(角川グループパブリッシング)


ブログのエントリー記事をまとめているので
体系的な内容とはいえませんが、
首尾一貫しているのは
『「学ぶ」ということは「自分が何を知らないかについて知ること」であり、
「金になるか、ならないか」のために学ぶのではない』、という思想です。

ダイレクトな表現をすると、現代日本の風潮が、
「金になるか、ならないか」の判断基準が底流にあり
子どもと大人の狭間にいる大学生がもろに影響を受けるのは
仕方がないことなのかもしれません。

よくよく観察すると、個々の大学生たちが
「金になるか、ならないか」の判断基準だけで
動いているわけではないというのは良くわかるのですが、
それでも肝心なときに肝心な判断で影響を受けているのは間違いない。

どんな人物・書物に出会えたかによって
社会の底で流れる歪な価値観の攻撃から
自分を守ることができるかもしれません。

『古来、胆力ある人間は、危機に臨んだとき、
まず「ふだん通りのこと」ができるかどうかを自己点検した。

状況がじたばたしてきたときに、「ふだん通りのこと」をするためには、
状況といっしょにじたばたするよりもはるかに多くの配慮と節度と
感受性が必要だからである。

人間は自分のそのような能力を点検し、磨きあげるために
「危機的な状況」をむしろ積極的に利用してきたのである。』
~第3章 ウチダは何を教えているのか p88


こういった内田先生の発想が好きです。
こういった言葉に出会えるだけでも、
この本を読む価値はあるのだろうと思います。



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40歳の教科書

2010年12月13日 23時18分00秒 | 書評 教育系
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
クリエーター情報なし
講談社


ドラゴン桜の番外編です。
16歳向けの副読本がベストセラーとなったので、
第2弾に続いて出版されたのが、この「40歳の教科書」です。
朝日新聞に連載中から反響があったらしく
子育てに悩み始める40代に向けて、
巷間流れる「常識」を疑ってみることを平易に
スペシャリストたちが語っています。

テーマは、
①英語を学び始める時期
②中高一貫校の是非
③「お金」と「仕事」
④挫折や失敗をした子どもに対してどう接するか?

それぞれなるほどと大いに示唆を受けましたが
個人的には言語学の大西さんと失敗学の畑村さんの言説に
もっとも共感できました。

親世代の成長を促すところに特色ある一冊です。


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「本当の国語力」が驚くほど伸びる本

2010年06月27日 00時38分16秒 | 書評 教育系
社会人になると、論理的思考力がやかましくいわれ
論理的に考え、論理的に文章を書き、論理的に話す
勉強をみんな必死にやります。

でも、この力って小さい頃から養われてこなかったのかな?

素朴な疑問として
論理的思考力って小学校からの学習で
身につかないものなのでしょうか?

論理的にモノを考えると言うと
算数・数学がすぐに浮かびますが、
算数・数学だけが論理的思考力を養う教科なのでしょうか。

だとしたら、数学が苦手な人は
論理的ではない?!


実は、国語だって十分に論理的思考力を養うのです。


学校の国語の授業、とくに小・中学校の国語の時間は
どちらかというと「感性」を養うような授業が多く
論説文はともかく物語や随筆で「論理」が問われた印象は
薄い方が多いのではないでしょうか?

しかし、実際には日本語の文章も優れた文章は
「論理性」の高い構造で出来上がっており、
論理を使って読み解くと、驚くほど読解力がつくのです。

それをわかりやすくシンプルに解説したのが本書です。

本書では、論理的思考力を
「バラバラの考えや言葉を整理する(関係づける)ための力」と
定義づけ、論的思考力を構成する三つの力について言及します。

その、『三つの力』とは?

①言いかえる力

②比べる力

③たどる力(因果関係を整理する力)

拍子抜けするほどシンプルですが
最も基本的な論理的思考力を文章によって養うのには
この三つの力を意識するだけで十分でしょう。

これ以上の論理力はすべてこの三つの力の応用バージョンといって
いいでしょう。コンサルタントがよく使う「So、What?」も
つまるところは、「言いかえる力」にすぎないのですから。

なるほどと思うところは多かったのですが
とくに、因果関係を説明するところで、
論理の飛躍について「急行列車」を例にとり
説明されていたのはとてもわかりやすかったです。


本書は、小学生をもつ親向けの解説書になっていますが
国語力とは論理的思考力であるということに気がつけば、
ビジネスマンにとっても飛躍的に論理的思考力が
身につくのではないでしょうか?


「本当の国語力」が驚くほど伸びる本
―偏差値20アップは当たり前!

福嶋 隆史
大和出版

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「使える学力 使えない学力」 田中保成著

2010年04月04日 00時06分04秒 | 書評 教育系
学習指導要領が改訂となり本格的に「ゆとり教育」から
決別する方針を打ち出した文科省。
あの「ゆとり教育」は一体何だったのでしょうね?
国家が教育内容を主導する限界を
戦前とはまた違った角度から垣間見せられた一件でした。

使える学力と聞くと、
どうしてもビジネス社会で生き抜くための学力
とイメージしてしまいます。社会人になってから、
あのとき勉強していればよかったと後悔するのは、
意外と小・中で身に付けた基本的な学力が、
社会人になっても必要とされるからにほかなりません。

小・中学生の時はこんなことを学んでなんの役に立つのか、
一度は疑問に思うもの。
確かに知識として義務教育で学ぶ内容は限定的で、
実務に直接役に立たないのかもしれません。

しかし、知識を習得する過程で学ぶ
学びの技法や思考力は、
一度きちんと身につけると一生役に立つ。
まさに学習指導要領に書いてある通り、
「生きる力」を身につけることができるのです。

本書では、使える学力を「論理的表現力」と定義しています。
具体的に言うと、論理的表現力とは、
①十分な語彙をもち、
②目の前の事柄を思考・判断して、
③自分の考えを筋道立てて表現する主観的な能力
を言うとしています。

そして、
①言葉をもつ
②思考・判断する
③論理的に話す・書く
ということは、それぞれどういうことなのか
身につけるためにはどうすればいいのかを、
知識の習得に偏ることなく懇切丁寧に解説していきます。

第2章に書かれている、
論理的に考えるための7つのスキルは
まさにビジネスマンにとっても必須のスキルで
成果を上げるために欠かせない能力です。



使える学力 使えない学力 (ディスカヴァー携書)
田中 保成
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識

2010年03月25日 00時41分14秒 | 書評 教育系
『エンゼルバンク』という漫画、読んだことはないんですが、
流行っているんですか?

その登場人物のモデルとなっている方が著者です。
リクルート「Works」の編集長を経て、
現在人材コンサルティング会社の代表です。
人事・雇用の専門家だそうです。

「はじめに」でキャリア本は嫌いだという理由を
教条的な物言いになる著作物は嫌いだからと言っていますが
いやいや著者も相当『偉そう』な物言いで上から目線です。
「エンゼルバンク」の作者の三田紀房も
最近ビジネス書を相次いで出していますが
こちらも結構上から目線で、
なんでこんなに『偉そう』なのかよくわかりません。
キャラなのでしょうか?
そういえば、ドラゴン桜の主人公も
めっちゃ偉そうでしたもんね。
キャラなんでしょうね。

それはおいといて・・・。

内容は、現在の学歴事情と若者の就職事情を
データを示して克明に論じて言います。
とくに、玄田有史を批判しているところなどは舌鋒鋭いです。
学歴や就職などは意外と誤解と思いこみで成り立っている
ところがあるので、現状を詳しくリポートされれば、
昔と今の違いがよくわかります。

学歴のところでは、大学入試の現状が述べられています。
推薦入試が9月ごろから始まり11月ごろに終わるので、
1月ごろから始まる一般入試と合わせて、
かなり分散されています。
20年前の入試状況とは大きく変わっています。
偏差値については、
科目数など基準となる物差しが違えば、
偏差値の難易度も変わるのは当然だから、
科目数の違う国立大と私立大を
単純比較できないのはよくわかります。
しかも、推薦入試は偏差値と関係ないので、
その大学の入試時の難易度を学生が
維持しているかは未知数です。
イマドキの学生の学力が怪しいのは
この推薦入試制度も原因かもしれませんね。

就職事情も、大企業志向に一石を投じているので、
一読を勧めます。
例の日本航空は、1970年、1975年と
人気ランキングトップでした。1990年でも第8位。
人気ランキングがいかにアテにならないかの証左です。

でも、中小企業もそれなりの厳しさはありますが。

学歴の耐えられない軽さ
やばくないか、その大学、その会社、その常識

海老原 嗣生
朝日新聞出版

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強育論 宮本哲也著

2010年03月07日 00時00分21秒 | 書評 教育系
携書 強育論 (ディスカヴァー携書)
宮本 哲也
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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少子化と言われて久しいのに、
中学受験の世界は、
まだまだ熾烈な競争社会です。

3月1日発売の東洋経済の特集は
「塾・予備校」で教育業界の状況が分析されていましたし、
先週でしたか「ガイアの夜明け」でも
学習塾の様子が放送されていました。

週刊 東洋経済 2010年 3/6号 [雑誌]

東洋経済新報社

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ちょうどこの時期は、
入試→合格発表と受験シーズンですから
話題にしやすいネタではあるわけですね。

中学受験はある意味特殊で、
公教育のカリキュラムをベースに
入試問題が作られていません。
とくに難関私立の場合、
普通に小学校で勉強していないことが
出題されます。
学校の先生もカリキュラム通りに
やらない場合があるので、なおさらです。
すると、難関私立に進学させたい保護者は
家庭学習で手に負えなければ、
塾に頼らざるをえません。

オーソドックスな大手進学塾は
大抵ボリュームのある学習量を提供するので、
中学受験には神話がいっぱい生まれます。

いわく、毎日夜1時、2時まで塾の宿題をしていたとか、
受験前は学校に行かなかったとか、
夏休みどころか正月も朝から晩まで勉強したとか・・・etc.

著者は、そんな受験界の風潮を
「やらせ過ぎ」と一刀両断でぶった切ります。

宮本先生は宮本算数教室を主宰され、
無試験先着順の入室で在籍生徒の85%が
難関私学へ進学しているという結果は
すごい実績です。

それだけに本書に書かれた内容は
ゆるぎない確信に満ち溢れています。

・睡眠時間は削ってはならない。
・学習は本能であり、勉強しろと言ってはならない。
・勉強のやり方は生き方と同じくらい個人的なもの。
・何かひとつのことを成し遂げるのに
 もっとも必要な資質は堪え性。
・自分の欠点や弱点を直視する勇気を持つ。
・努力の見返りは成功ではなく、成長。

また、中学受験は親との二人三脚でもあるので、
親への提言も辛辣に述べられています。
・自分の不安の解消のために
 子どもに学習を無理強いさせてはいけない。
・子どもの悪口を言うことは自分を否定することと同じ。
・子どもとともに成長する。

「強育論」の根本的な主張は
「人間的な強さ」を身につけよう
というところにあり、「強さ」の意味について
本書に詳しく書かれています。
宮本先生が言う「強さ」は単純な強さ、弱さを
言っているわけではありません。

学力が、この社会をよりよく生きていくために
必要だと考えれば、これからも「教育」が
人間にとって必要なキーワードになることに
変わりはないと思うのです。

「龍馬伝」や「坂の上の雲」を観ていると
本筋を支えるサブストーリーで「教育」の大切さが
痛いほど伝わってきます。日本が発展した原動力に
「教育」があったことは間違いありません。


教育業界もほかの業界と同じく、
少子化を迎え業界再編が行われ、
大手の塾に収斂されていく傾向にあります。
しかし、それでも個人塾が消えないのは、
確固とした教育理念に基づいて的確な教育が行われていれば、
それを支持する根強いファンがいるからなのだと思います。


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不勉強が身にしみる 学力・思考力・社会力とは何か

2010年01月27日 00時38分38秒 | 書評 教育系
2005年12月が初版なので、
『勝ち組』『負け組』論、ゆとり教育の是非など
社会状況を論じる部分は若干古い印象を受けますが、
教育に関する評論、とくに国語、哲学、倫理を論じている
箇所については深く考えさせる内容です。

著者の文章がよく大学入試に使われるというのも
うなずけます。

著者のアイロニーに富んだ言い回しが
自虐的でもあり、現状を追認する読者への再考を
促すきっかけになったりして、
独特の教育論が展開されています。

「やればできる」とは「やらなければできない」の虚飾的告白、とか
勉強そのものに虚しさや疑問を感じて徹底的に悩むのもよいとしながら
野口悠紀雄氏の『超「勉強法」』や和田秀樹氏の勉強本を推薦して
勉強に対する一厘の疑問も持たせない明るい姿勢に接すれば
勉強する気になる、とある意味皮肉をこめて
書いているところが印象に残りました。

ただ、著者の主張はそうそう単純でもない。
第二章 「読書のすすめ、もしくは戒め」の章では、
受験勉強に「読書」は妨げになるとは言いつつも、
受験に直接関係のない無駄な教養主義的知識を省いて、
試験でいい点を取ることだけを目的にした効率のいい
お勉強をするのが正しい、と思っているわけでもない、と。

そうして『悩むこと』が逆に著者の誠実さと知性の奥行き
感じるゆえんでもあるのだと思います。

そういえば、『悩む力』という本がベストセラーになっていましたね。

正解のない一つの判断を下すときに、
悩むことなくすぱっと判断をくだせる人は
一見優秀な人であるようにも見えますが、
実のところ誠実でも知性的でもない場合もあると
いうことは心にとどめておいてよいかもしれません。



不勉強が身にしみる 学力・思考力・社会力とは何か (光文社新書)
長山 靖生
光文社

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亡国の中学受験 瀬川松子著

2010年01月06日 00時05分32秒 | 書評 教育系
教育について語らせると、
誰もが経験していることだけに、
みんなが「教育」には一家言もっており
いっぱしの評論家になれるのが
「教育論」の特徴です。

本書での内容は
ほぼ関東における中学受験事情の批判に終始しています。

関東ほどではないにせよ、
また2008年9月のリーマンショック以来の不況で、
中学受験状況は以前と比べ変化してきているとはいえ、
関西の中学受験事情も熾烈をきわめている部分があります。

本書の主張はつまるところ、
中学受験ブームに煽られ冷静さを失っている親たちに対し、
そのブームは実は受験産業によるつくられたものであり、
事態を冷静に見極める必要があるのでは?という点にあります。

本書独特の過激で一方的な決めつけと思い込みには
にわかに支持しがたい面もあります。
不安定な親の心理状況に付け込んで
ひたすら親を煽って本書を売っているのは
著者も同じでしょと思う部分もありますが、
学習過程における「つまずき」に対する指摘には
賛同できるものがありました。

亡国の中学受験 (光文社新書)
瀬川松子
光文社

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学習でつまずいている層の子どもに必要なのは、
たとえ進度が遅れても、全ての範囲が終わらなくても、
基本に立ち返って、「理解」を経験させること。


「つまずき」を抱えたまま、
「理解」の積み重ねができないでいると
学力と呼べる下地をほとんど形成することができない。


本書では中学受験の問題点のなかで
指摘されていることですが、
なにも中学受験に限ったことでなく
あらゆる学習の局面で大切な指摘だと思います。
教育関係者であれば、
ある程度納得いく話なのではないでしょうか。

ところが、学校でも塾でも、
つまずきの部分から遡って学習することが
十分になされていません。

されていない原因の一つが、
年間のカリキュラムがあらかじめ決められている
クラス授業の特性にあるように思います。

学校であれ、塾であれ、
「年間のカリキュラムが終わらなかった」というミスは
大きなクレームにつながる可能性が大きく、
「理解」はさておき授業を進めていかざるを得ません。
クレームにつながってもカリキュラムを中断させる勇気は
教師にはないですし、『つまずき』の原因は生徒それぞれなので、
遡行学習はそもそもクラス(集団)授業に馴染みません。
「理解」できない者は残念ながら脱落することになりかねません。
「理解」には「個性」があり、
早い遅いはどうしても存在します。
そこを認めることができないクラス授業には
そもそも欠陥があります。完全なシステムではありません。

中学受験では、小学校では習わない特殊な内容と
早い進度のためそれがデフォルメされてあらわれ
問題点が浮き彫りになるのでしょう。

この手の問題はクラス(集団)授業を行う以上
基本的に内在している問題なので、
教育制度が悪い、学校が悪い、先生の教え方が悪い、
塾のサービスが悪い、と誰かの責任にしても始まりません。

それこそ、事態を冷静に見つめて
どこで「つまずいたのか」を見極めることから
始める必要があります。

年が明けると、すぐ受験シーズンが到来です。
受験する本人だけでなく、
保護者の気持ちも浮足立ってくる季節です。


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