伝説の灘校教師が教える 一生役立つ 学ぶ力 | |
クリエーター情報なし | |
日本実業出版社 |
神奈川県知事・黒岩祐治著「恩師の条件」やNHKでの放送、
『奇跡の教室』で紹介されているので、ご存じな方も多いでしょう。
『銀の匙』という中勘助の小説一冊を教材として
中学3年間で読みとおす授業を行っていた
灘校の伝説の教師・橋本武先生が
「本当に伝えたかったこと」が書かれてあります。
関西の中学受験では頂点に位置する灘中。
その授業で、受験テクニックとはかけ離れた
「スローリーディング」や「横道にそれた」
授業がなされていたというのは
何とも皮肉な現象といえそうです。
ただ、実際にやってみるとわかると思いますが
一冊の小説を題材にして、そこに書いてある事柄を
膨らませながら生徒に国語力を身に付けさせるということは
教える側に相当の教養と力量がなければ出来ません。
それに加えて橋本先生の情熱とたゆまぬ努力、
教えることにやりがいを感じられる環境など
さまざまな条件があいまって
奇跡の授業が生まれたように思います。
付け焼刃ではない本物の実力を。
京都には洛星・洛南、奈良には東大寺・西大和
大阪には星光、兵庫には甲陽など
関西各地に私立トップ校があっても、
長らく灘が関西中学受験界でダントツのトップであり続ける
理由の一つかもしれませんね。
「なんでも手っ取り早く、楽して手に入れたい」
という風潮に一石を投じる本です。
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