たそがれ時のつれづれに

人生のたそがれ時を迎えて折々の記を・・思うままに

輪廻転生

2013年02月03日 | 日記

ピアノソナタ 「月光」 第1楽章

アルジェリアのテロで邦人10人が犠牲になって間もなく三七日忌です。
仏教では人は死ぬと早い人で7日目に、遅い人では49日目に何かに生まれ変わるのだと教えます。
何に生まれるかは、生きていた間の因果報応、善因善果、悪因悪果によるといいます。何に生まれ変るかを裁くのが閻魔大王です。そのため死後7日目ごとに法要をやります。
7日×7回目を七七日忌といいます。49日間を中陰といい過渡的な段階におかれ49日目を満中陰といいますね。

「生まれ変わり、死に変わりして、やがて仏になる」というのが仏教の教えです。(歎異抄入門:梅原猛) 往相回向(おうそうえこう)、還相回向(げんそうえこう)といいます。
作家遠藤周作氏は、女優松坂慶子さんが妊娠中の時、「あなたの子になって生まれ変ります。そのときは母乳で育てて下さいね」、とからかったと書いています。(万華鏡)
魂魄はお墓の中なんかにはいないのです。

テロの犠牲者は人類の代受苦を一身に受け犠牲になりました。仏様か人間に生まれ変わるでしょう。
2月1日の読売新聞は生還したフィリピン人にインタビューし、邦人が狙われた状況を、生々しく答えていました。また事件後始めて報道陣を、ミリタリーゾーンといわれる軍隊で守られた砂漠の天然ガスプラントに案内し現地公開したと載せていました。

犠牲になった10人中3人が国立高専卒だったようで、愚息も高専から大学、大学院と進んで、犠牲になった29歳の青年も同じだったので余計哀れです。
テロの犠牲者の中で豊橋出身の派遣会社社員内藤文司郎(44)さんのお母さんが嘆き悲しまれる映像が哀れでした。 「文!(ブン)こっちだ帰ってこい」ブン、ブンと愛称で亡骸に呼びかけられました。 葬儀後に「こんなに早く死んで、世間に何か残しただろうか・・」とか、 「わたしの子でいてくれてありがとう」など、 絞りだされた悲嘆は激しくハートを揺さぶりました。
テレビカメラの放列の前で、普通の人はこうも的確なワンフレーズが出てこないのが通常なのです。無声の人になって帰国した息子さんに代わって、世間に名を留められた立派なお母さんだった。

かゑらじと かねておもえば 梓弓 なき数に入る 名をぞとゞむる
楠 正行(くすのき まさつら:如意輪寺の戸板に矢じりで残した辞世の句)

・朝日新聞は一面トップ大見出しに「ぶっ!」と報道したのはいただけない。他の新聞はすべてブンだったし、テレビもそう聞こえた。
・元NHKアナウンサーの山川静夫さんは、最近のアナウンサーは、花を二束の発音を、「にたば」、「さんたば」、と平気で発音する。ふたたば、みたば、よたば、いつたば、と読みなさいって、嘆いていました。七七日忌は「なな なぬか日忌」または「しちしち にち忌」でしょうね。