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日本人とユダヤ人:キリスト教が広まらない日本03

2013年01月06日 | キリスト教を拒否する日本
日本文化のユニークさを8項目に従って、これまで書いてきたものを集約し、整理する作業を続けている。

(8)「西欧の近代文明を大幅に受け入れて、非西欧社会で例外的に早く近代国家として発展しながら、西欧文明の根底にあるキリスト教は、ほとんど流入しなかった」に関する記事の集約、整理のつづきである

今回は、キリスト教を直接扱うのではなく、その母胎となったユダヤ教に関係する記事を扱う。ユダヤ人の歴史と日本人の歴史は、比較すればするほど好対照をなしており、それほど歴史が違う両者から生まれてきた宗教も極端に違う。キリスト教は、その教義のほとんどをユダヤ教から受け継いでいるので、日本人がキリスト教に違和感を感じる度合いが強いのも当然だろう。

さて、ユダヤ人と日本人の歴史や文化の違いついては下記の記事「ユダヤ人と日本文化のユニークさ」で詳しく書いた。ここではそのポイントだけを紹介する。

1)ユダヤ人の歴史は、言うまでもなく征服され、迫害され、虐殺され等々を繰り返した歴史だった。もちろん大陸の歴史は、ヨーロッパ、アジアを問わず、一般に侵略と征服の繰り返しであったが、日本は、渡航に困難を伴う海峡によって隔てられた島国だったため、大陸に共通する侵略の歴史から免れた。一方ユダヤ民族は、厳しい大陸の歴史の中でも、もっとも過酷に征服、集団捕囚、迫害、虐殺などを味わい尽くした。

ユダヤ教の成立にとって重要な意味をもつ出来事の一つが、モーセによる出エジプトである。エジプトで隷属状態に置かれていた人々が、モーセに率いられてエジプト脱出に成功するのだ。異民族の中で虐げられていた人々が、その状態から脱出し、やがてカナンの地に到着して定住する。その成功の導いてくれた神への信仰が強固になる。その成立事情は、日本列島に安住し続けた人々の自然宗教と何という違いだろう。

2)さらにユダヤ人は、自分たちの安住の地としての国土を二千年の長きにわたって失うという歴史をもつ。日本人は、日本列島という自然の境界線によって守られた国土に、だれに追われることもなく安住し続けることができた。

ユダヤ人は、民族のアイデンティティを保つためにユダヤ教という強力な観念を必要とした。日本人は、大陸から海で隔てられた列島に何らかの文化的まとまりをもって住んでいるという事実によって、ほとんど無自覚に(無観念に)日本人としてのアイデンティティを保つことができる。

3)この違いを個人の成育歴にたとえれば、どのようにいえるだろうか。ユダヤ人は、誕生と同時に両親(豊かな自然と国土、母なる大地)と死に別れ、歓迎されない親戚の家をたらいまわしされ時には虐待され、どの転校先でもひどいいじめや差別に会いながら、「私は偉人になるべく生まれてきた」と信じて、歯を食いしばって生きてきたたくましい青年とでもいおうか。

それに対して日本人は、いいとこのお坊ちゃんで大事に大事に育てられ(日本列島という豊かな国土に守られ)、いじめも虐待もまったく知らずに生きてきた人のいい青年だろうか。この日本人の育ちの良さ、善良さは、最近世界に知られるようになり、けっこう好かれて、世界でもっともよい影響を与える人(国)と評価されたりもする。ところが、なぜか彼は、変に自信がなく自分はダメだと思い込み、いつもおろおろしている。何よりも世間知らずで、周囲の人はみな良い人たちだと信じて、いつも騙されている。

この他、キリスト教のところで語った、遊牧・牧畜の有無というのも重要な要素になるが、繰り返しになるので、ここでは省略する。詳しくは、以下をご覧いただきたい。

ユダヤ人と日本文化のユニークさ(1)

ユダヤ人と日本文化のユニークさ(2)

ユダヤ人と日本文化のユニークさ(3)

ユダヤ人と日本文化のユニークさ(4)

ユダヤ人と日本文化のユニークさ(5)

ユダヤ人と日本文化のユニークさ(6)

ユダヤ人と日本文化のユニークさ(7)

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