櫻井孝昌氏は、外務省アニメ文化外交に関する有識者会議委員や、カワイイ大使アドバイザーなどの役目を持つ。世界を飛び回って、いま世界で日本のポップカルチャーがどのように熱狂的に迎えられているかを著書『日本はアニメで再興する・クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)』、などで生々しくレポートしている。
この本でとくに印象に残ったのは、海外に出るたびに現地のメディアから「若者たちの考え方や生き方に、アニメやマンガがものすごい影響を与えていることを日本人は知っているのですか?」という質問を受けるという事実だ。同じような質問が色々な国で何度も出たという。ということは、アニメ・マンガが世界の若者の生き方に与える影響がかなり普遍的なものになっているということだろう。そしてその事実を知らないのは日本人だけということに、世界の人々がうすうす気づいているから、こういう質問が何度も出るのだろう。
櫻井氏は『アニメ文化外交 (ちくま新書)』の中でも、日本のポップカルチャーを好きとか嫌いとか言う以前に「僕たちは日本アニメで育っているんですよ」という人々が急増しているという現実を紹介していた。
著者は「世界の若者の人格形成の日本のアニメやマンガがいかに大きなな影響を与えているかを、日本人自身もっとしっかり知らなければいけない時期がきている」と何度も強調する。実際に世界中の多くの若者やメディアに接した上で語る言葉なので説得力がある。いくつか若者の言葉を拾ってみよう。
「今の若いブラジル人の魂は日本のアニメで作られているんですよ」(ブラジル人、バーバラさん)
「夢中になったものは、これまですべて日本のものでした」「みな同じ人間。考えれば考えるほど、同じ結論(日本のものが好きになるということ)に世界の人たちが至るのは当然だと思います」(ブラジル人、カロリーナさん)
「友情、正義、人間関係に何が必要か、人生で大切なことの多くを、私はアニメやマンガから学びました」(イタリア人、シモーナさん)
ところで、日本のアニメ・マンガやポップカルチャーに最も大きな影響を受け、ついに日本に来て、日本から世界に情報発信し、大きな影響を与えるようになった人物がいる。ダニー・チュー氏だ。
ダニー・チュー (Danny Choo)氏について、彼の運営するサイト『Culture Japan』から紹介しよう。
彼は、「マレーシア人の両親を持ち、イギリス生まれ育ちで現在は東京を拠点に活動。彼がプロデュースしているカルチャージャパンブランドは様々な地上波テレビ番組、キャラクター、グッズやイベントを通して日本文化をシェアしている。彼の功績は日本政府に認められ、経済産業省クリエイティブ産業国際展開懇談会のメンバーに任命された。彼が監督と司会を務めているテレビ番組『カルチャージャパン』と『ジャパンモード』は国内外で毎週放送されている。」
彼が、日本にのめり込んでいく過程は上のサイトに詳しい。内容を要約しながら紹介したい。ダニー・チュー氏は中国系マレーシア人の両親の下にロンドンで育った。幼い頃は、かなりつらかったようだ。両親が多忙で里子にとして預けられ、子供時代のほとんどを何家族かの里親の下で過ごした。そこの子どもにいじめられたり、虐待されたり、里親にひどい扱いを受けたことも多かったという。学校生活も、とてもつらいものだったようだ。「あの頃の記憶と言えば、砂利の上を引きずられたり、袋叩きにされたり、持ち物を燃やされたり、フットボールの時間には常に顔を狙われたり、僕はここでも常に虐められていた。」
やがて彼は、両親と一緒に住むようになった。そして、オーストラリア生まれのシンガーソングライターで女優のカイリー・ミノーグの大ファンとなり、ファン仲間と出逢うことで、学校外で本当の友人が出来始めたという。
彼の部屋の壁は、カイリーのポスターで埋め尽くされていたが、やがてその一角を日本のゲーム機器、メガドライブのゲームの山が占めるようになる。彼の興味が「カイリー」一色から「日本」へと移っていったのだ。彼が、日本のものだ知った上でアニメを見たのは『マクロス』が最初だった。そのアニメーションのクオリティー、ストーリー、BGM、メカ、それと可愛い女の子たちに圧倒され、これを切っ掛けにアニメへの関心が高まった。
アニメを通して日本文化に接し、日本に魅了されて、人生で今まで感じた事がないような情熱と願望が目覚めたという。そして日本文化に関する知識をより深めるため、独学で日本語の勉強を始めた。「らんま1/2」や「クレヨンしんちゃん」などのマンガからはたくさんの日本語を身に付け始める事が出来た。
また、ロンドン在住の日本人が見なくなった古い録画ビデオを手に入れ、家にいる時は常にビデオを流しっぱなしにしていた。そうしていると、まるで日本にいるかのような気分にさせてくれたからだという。『なるほど・ザ・ワールド』や『世界丸見えテレビ』などのテレビ番組や、『ひとつの屋根の下』などのドラマも観た。外出中にもウォークマンで聴けるように番組の音源をカセットテープにダビングし、常に日本語が頭の中で流れるようにしていた。
その後も、彼の涙ぐましい日本語学習は続いていく。これほどの情熱があれば確かに語学は急速にマスターできるだろうなと感心してしまう。先に触れたように、学校生活はかなりつらいものだったし、勉強への目的意識も持てず、成績はかなり悲惨なものだったようだ。しかし、一たび目標と情熱を得れば、このようにやる気と能力は開花していくのだ。彼の場合は、情熱の対象が日本であり、目標は、いつの日か「日本で暮らし働くこと」だった。
この本でとくに印象に残ったのは、海外に出るたびに現地のメディアから「若者たちの考え方や生き方に、アニメやマンガがものすごい影響を与えていることを日本人は知っているのですか?」という質問を受けるという事実だ。同じような質問が色々な国で何度も出たという。ということは、アニメ・マンガが世界の若者の生き方に与える影響がかなり普遍的なものになっているということだろう。そしてその事実を知らないのは日本人だけということに、世界の人々がうすうす気づいているから、こういう質問が何度も出るのだろう。
櫻井氏は『アニメ文化外交 (ちくま新書)』の中でも、日本のポップカルチャーを好きとか嫌いとか言う以前に「僕たちは日本アニメで育っているんですよ」という人々が急増しているという現実を紹介していた。
著者は「世界の若者の人格形成の日本のアニメやマンガがいかに大きなな影響を与えているかを、日本人自身もっとしっかり知らなければいけない時期がきている」と何度も強調する。実際に世界中の多くの若者やメディアに接した上で語る言葉なので説得力がある。いくつか若者の言葉を拾ってみよう。
「今の若いブラジル人の魂は日本のアニメで作られているんですよ」(ブラジル人、バーバラさん)
「夢中になったものは、これまですべて日本のものでした」「みな同じ人間。考えれば考えるほど、同じ結論(日本のものが好きになるということ)に世界の人たちが至るのは当然だと思います」(ブラジル人、カロリーナさん)
「友情、正義、人間関係に何が必要か、人生で大切なことの多くを、私はアニメやマンガから学びました」(イタリア人、シモーナさん)
ところで、日本のアニメ・マンガやポップカルチャーに最も大きな影響を受け、ついに日本に来て、日本から世界に情報発信し、大きな影響を与えるようになった人物がいる。ダニー・チュー氏だ。
ダニー・チュー (Danny Choo)氏について、彼の運営するサイト『Culture Japan』から紹介しよう。
彼は、「マレーシア人の両親を持ち、イギリス生まれ育ちで現在は東京を拠点に活動。彼がプロデュースしているカルチャージャパンブランドは様々な地上波テレビ番組、キャラクター、グッズやイベントを通して日本文化をシェアしている。彼の功績は日本政府に認められ、経済産業省クリエイティブ産業国際展開懇談会のメンバーに任命された。彼が監督と司会を務めているテレビ番組『カルチャージャパン』と『ジャパンモード』は国内外で毎週放送されている。」
彼が、日本にのめり込んでいく過程は上のサイトに詳しい。内容を要約しながら紹介したい。ダニー・チュー氏は中国系マレーシア人の両親の下にロンドンで育った。幼い頃は、かなりつらかったようだ。両親が多忙で里子にとして預けられ、子供時代のほとんどを何家族かの里親の下で過ごした。そこの子どもにいじめられたり、虐待されたり、里親にひどい扱いを受けたことも多かったという。学校生活も、とてもつらいものだったようだ。「あの頃の記憶と言えば、砂利の上を引きずられたり、袋叩きにされたり、持ち物を燃やされたり、フットボールの時間には常に顔を狙われたり、僕はここでも常に虐められていた。」
やがて彼は、両親と一緒に住むようになった。そして、オーストラリア生まれのシンガーソングライターで女優のカイリー・ミノーグの大ファンとなり、ファン仲間と出逢うことで、学校外で本当の友人が出来始めたという。
彼の部屋の壁は、カイリーのポスターで埋め尽くされていたが、やがてその一角を日本のゲーム機器、メガドライブのゲームの山が占めるようになる。彼の興味が「カイリー」一色から「日本」へと移っていったのだ。彼が、日本のものだ知った上でアニメを見たのは『マクロス』が最初だった。そのアニメーションのクオリティー、ストーリー、BGM、メカ、それと可愛い女の子たちに圧倒され、これを切っ掛けにアニメへの関心が高まった。
アニメを通して日本文化に接し、日本に魅了されて、人生で今まで感じた事がないような情熱と願望が目覚めたという。そして日本文化に関する知識をより深めるため、独学で日本語の勉強を始めた。「らんま1/2」や「クレヨンしんちゃん」などのマンガからはたくさんの日本語を身に付け始める事が出来た。
また、ロンドン在住の日本人が見なくなった古い録画ビデオを手に入れ、家にいる時は常にビデオを流しっぱなしにしていた。そうしていると、まるで日本にいるかのような気分にさせてくれたからだという。『なるほど・ザ・ワールド』や『世界丸見えテレビ』などのテレビ番組や、『ひとつの屋根の下』などのドラマも観た。外出中にもウォークマンで聴けるように番組の音源をカセットテープにダビングし、常に日本語が頭の中で流れるようにしていた。
その後も、彼の涙ぐましい日本語学習は続いていく。これほどの情熱があれば確かに語学は急速にマスターできるだろうなと感心してしまう。先に触れたように、学校生活はかなりつらいものだったし、勉強への目的意識も持てず、成績はかなり悲惨なものだったようだ。しかし、一たび目標と情熱を得れば、このようにやる気と能力は開花していくのだ。彼の場合は、情熱の対象が日本であり、目標は、いつの日か「日本で暮らし働くこと」だった。
私もおっさんなので、海外の方々が日本関連に夢中になってるのは
なんか不思議な感じがするのです。なんとも言葉で表現できない感じで「マジですか?」と。
ここ最近だと、きゃりーぱみゅぱみゅとかpefumeの
ヨーロッパツアーの現地の方々のUPした映像とか、フランスのJapan expoの映像、
ロスのanime expoの映像、メキシコのexpo TNTの映像(ボカロのliveやってる、1曲はスペイン語)
もう、枚挙にいとまがないくらい。
こんな感じでジワジワその参加人数が増えて行ってる感じがします。
※海外の方々の描く絵もかなり『日本でも通用するのでは』というのが増えてきてる気がします。
段々と日本基準に接近しているかと。
後は『どう国益につなげるか?』でしょう。日本人は物作りは超一流でも、
販売・営業系になると駄目駄目が多いと思う。特に違う国への営業はね。
やはり言語の壁なんでしょうかねぇ。
とある漫画家のサイン会で「人生を変えてくれた。ありがとう」って
言いに来た方もおられるとか。感慨深いですね。
>ここ最近だと、きゃりーぱみゅぱみゅとかpefumeの
ヨーロッパツアーの現地の方々のUPした映像とか、フランスのJapan expoの映像、ロスのanime expoの映像、メキシコのexpo TNTの映像(ボカロのliveやってる、1曲はスペイン語)もう、枚挙にいとまがないくらい。
本当にそうですね。この事実は、日本人にもかなり知られるようになっているけど、しかしまだまだ知らない人も多い。私の関心は、こうした現象をできるだけ正確に認識し、その意味を考えることです。
それが一つの潮流として無視できないものになっているのだとすれば、その潮流の実態を正しくとらえ、それが日本と世界にどんな影響を与えていくかを把握していくことが大切だと思います。