BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBA世界フェザー級タイトルマッチ

2012-01-01 00:53:54 | Boxing
王者 セレスティーノ・カバジェロ VS 挑戦者 細野悟

カバジェロ 判定勝利

考察 ~カバジェロ~

はっきり言って舐めていたか、あるいはそもそも練習段階から手を抜いていたとしか思えない。
そんな出来だった。
実況が絶叫していたように疲れてはいたが、それは打たれ疲れでもダメージでもなく、
調整不足から来る単純な疲労のせいだったようにしか見えなかった。
それともWOWOWで観ていると舞台の華やかさや実況、解説の影響で
ボクサーを過大評価してしまうという陥穽にはまってしまうのだろうか。
ガードの真ん中を強引に割っていくジャブ、
かと思うと相手のテンプル目掛けてオープンブローなんのそのの左右フック連打。
これらが見られなかったのは、細野のプレッシャーがそれほどキツかったからなのか?
とてもそうは思えなかったが……

ディフェンスではその長身のおかげで顔面がナチュラルに相手のパンチから遠く、
なおかつ斜に構えてダッキングと戻りのバネでのスウェーまでを駆使するのだから
並みのフェザー級では届くものでもない。
SフェザーでJ・リッツォーに判定で完敗し、そのリッツォーがA・ブローナーに瞬殺と
間接的に株は落ちていたが、この勝利でもその株は戻らない。
敵地で戦ったとはいっても、この王者はもともとフーテンの寅さんばりに
世界を転々としているからだ。


考察 ~細野~

作戦の骨子はインサイドでのボディ攻撃だったと推測するが、
クリンチの際にラビット気味に手が出てしまうのは癖なのだろうか?
クリンチを念頭に置いて戦うのならば徳山とホプキンスのビデオを
擦り切れるまで(今はDVDかBDか)観なければならない。
駄々っ子のごとく相手のアゴを拳でグリグリするのは悪印象しか与えない。
まあ、それだけ必死だったということなのだろうけどね。

最大の敗因はジャブの欠如(≠不足)。
相手は本質的にカウンターパンチャーではなく、
体にもさほどキレがなく精神的にもなまくらだった。
それを追い詰められなかったのは自分自身にもキレがなかったからだ。
バズーカとはいっても「当たらなければどうということはない」
カバジェロほどの身体的特徴を持つ選手対策には
当然それ相応の長身スパーメイトを呼んだものと思うが、
試合になってそれがスコーンと頭から抜けたとも思えない。
結局、練習段階から工夫がなかったわけで、
訳が分からず密着してしまったのは最適な距離を測れず、
また作れてもいなかったから。
それとも相手を苛つかせる作戦が……?
いずれにせよ、意志を込めたジャブであれば相手がそれにかぶせてくることは
99%無いのだから、そこから展開を作るべきだった。
良いパンチを限りなく食い、明らかに効いた場面でも乗り切った
tenacityとresillienceは亀田大毅を上回るものがあったが、
気持ちで勝負が決するのは技術、体力、作戦において五分に近かった場合だ。
これらを無視した精神論は禁断の神風アタックに過ぎない。

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