BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界フェザー級挑戦者決定戦 松田直樹VSルディ・ロペス

2007-12-17 22:12:37 | Boxing
松田 8ラウンド終了時TKO勝利

序盤は前回の左フックの恐怖感がロペスにはつきまとっていたのだろう、
中間距離での右に磨きをかけてきた松田に対して、
ロペスは右をカウンター対策、あるいはブロッキングにしか使えなかった。
中盤以降に一挙に攻め込まれる場面もあったが、よく踏みとどまった。
5ラウンドに突き刺した右ストレートで出血させたのが最後に効いた。
敵地での挑戦に勝利、因縁のリマッチも(すっきりしない形ながら)勝利。
しかし、このまま行くとリナレスに挑戦?
リナレス転級後の王座決定戦進出?
そしてロペスと3度目の対戦・・・はもういいや。
しかし、また注目すべき日本人ボクサーが現れたのは喜ばしいことだ。
こういう選手にスポットライトを当てない日本のマスコミはどうなっているのか。

WBA世界S・フェザー級タイトルマッチ エドウィン・バレロVSサイド・サバレタ

2007-12-17 22:06:28 | Boxing
バレロ 3ラウンドTKO勝利

バレロ圧勝。
サバレタ側のファイトプランの選択ミスではない。
ピーカブースタイルでウィービングしながら懐にもぐりこんでいくのは正解、
というか唯一の回答だろう。
最初の1分でそれができなくなったというのは、
つまり、バレロのパンチ力が完全に予想以上だったということだろう。
カルザゲを思わせるオープン気味のブローを振り回す、あるいは突き刺すバレロだが、
一番の違いはやはりパンチ力。
背筋や腹筋の強さは同階級でnumero unoではなかろうか。
レフェリーは2ラウンド時点ですでに止めるタイミングを窺っていた。
やや微妙なタイミングでのストップに見えるが、これはなぶり殺しを阻止したレフェリーの好判断。
アルツール・アブラハムがコーレン・ゲボルを仕留めたフックがオーバーラップした
ところで・・・
バレロお茶目だな。
”プリメーラ、コンバンワ(まず、今晩は)!”
こういう選手にスポットライトを当てない日本のマスコミはどうなっているのか。

WBC世界フェザー級タイトルマッチ ホルヘ・リナレスVSガマリエル・ディアス

2007-12-17 22:04:31 | Boxing
リナレス 8ラウンドKO勝利

ディアスとミハレスは同じジムか?
セコンドにナチョさんがいたね。
このディアスもラリオス同様に前に前に詰めてくる。
初回、ロープ際で食らった右にはヒヤリとさせられたが、冷静にペースを取り戻した。
4ラウンドに奪ったノックダウンは右のカウンター気味のアッパー。
オスカー・ラリオスを髣髴させる一撃だった。
欲を言えば、前進してくる相手をスウェーでいなすのではなく、
振り回してくるフックをダッキングして体ごと押し返す、
あるいは強いワン・ツーで後退させて一気に攻め落とすという強引さを身に付ければ、
一試合で数百万ドル稼げるボクサーになれるだろう。
ブルファイターや変則的なファイターは苦手ではないが好きでもないといったところか。
ボディへの攻撃を受けると素直に後ろに下がってしまうのは、性格のせいか、
それとも減量苦からくるvulnerabilityか、タイミングを慎重に図っていたのか。
中盤にやや失速したのも減量からくるスタミナ不足と考えられる。
フィニッシングブローはライトクロス。
これは6ラウンド終了間際にもヒットさせていたが、1試合で2度耐えられるパンチではないことを証明した。
ヒットさせた瞬間のリナレスのリアクションを見れば、抜群の感触があったということが分かる。
あと、4ラウンドに右の足首を痛めたということだが、それであの右クロス撃てるんだから、
やはり素晴らしいセンスを持っている。
こういう選手にスポットライトを当てない日本のマスコミはどうなっているのか。

WBC世界ウェルター級タイトルマッチ フロイド・メイウェザーVSリッキー・ハットン

2007-12-10 21:39:52 | Boxing
メイウェザー 10ラウンドTKO勝利

やっぱりな、という試合。
メイウェザーが相変わらずのダーティーテクニシャン振りを見せ付けた。
とにかく肘の使い方とレフェリーの死角でのホールディングが上手い。
あと、あれでハットンから減点1とるならメイからも減点1をとるべきだろう。
まあ、あまりごちゃごちゃ言うまい。
多分この試合は現在進行形で観ないと面白くないだろうな。

メイウェザーは休暇明けにはポール・ウィリアムスとやってほしい。

日本ウェルター級タイトルマッチ 湯場忠志VS牛若丸あきべぇ

2007-12-07 21:13:17 | Boxing
湯場 1ラウンドKO勝利

湯場が最初に喫したダウンはフラッシュ気味だったような気がする。
まったく足が死んでなかったしね。
おそらく湯場としてはあきべぇが出て来るところを迎え撃つ形にしたかったんだろうが、
1ラウンドの初っ端から、というのは想定外だったのかもしれない。
あきべぇ、パンチは確かにあるようだ。
湯場、冷静に立ち上がると、あきべぇが右フックの打ち出し前にガードを下げるのを
完全に見越した上で得意の左を突き刺しノックダウンを奪い返す。
あきべぇも立ち上がるがややダメージがある。
冷静にジャブとフットワークで距離を置くか、クリンチする状況だが、何故か右フックを振り回すあきべぇ。
さっきそこを狙われただろうが!
ここまで分かりやすいテレフォンパンチもなかなかお目にかかれない。
ピンチに対処できないというキャリア不足の一面を露呈している。
あきべぇ、思い出したように亀ガードを採用するも、湯場のワン・ツーが的確に顔面を捉える。
内藤も亀田戦でこれが出来れば良かったが、相手が自分の懐に逃げ込んできたからなあ。
最後はインステップからのワン・ツー・スリー・フォーであきべぇをキャンバスに沈めた。
お見事。
あきべぇの敗因は勝負所を1ラウンドに持ってきたこと。
1ラウンドKO負けはそのまま実力差を表すとは限らない。
今回はファイトプランを誤ったということ。
多少の被弾は覚悟の上で中間距離で打ち合い、
終盤に勝負・・・しても十中八九、負けただろうけど。
振り回すフックは迫力十分、威力も十分だろうが、使いどころを考えないと。
亀田家は卒業したが、相変わらずジャブが出ないし、フックも単発。
現代ボクシングに逆行している。
湯場は大曲戦の敗戦がいい教訓になっていた。
ダウンもフラッシュ気味で、1ラウンド開始直後ということもあり、resilienceも充分にあった。
相手にコンビネーションブローもカウンターも無いことを完全に見透かしており、
冷静にファイトプランを遂行したというところか。
心中にかなり期するものがあったのだろう。
勝利後の表情がそれを物語っていた。

最後にTBSに物申す。
試合放送前のボクサーの特集は結構。
どんどんやるべきだ。
でもスポットライトを当てるべきはチャンピオンの湯場の方でしょ?
少なくとも両者の映像を均等に放送するべきだと思う。
ボクシングを中継したいのか、それとも亀田とその周辺を中継したいのか。
最後に一つ疑問。
なんであきべぇが赤コーナー?

WBC世界ミニマム級タイトルマッチ

2007-12-03 22:01:08 | Boxing
イーグル・デーン・ジュンラパンVSオーレドン・クラティンデンジム

オーレドン ユナニマスディシジョンで勝利

ショック・・・
イーグル王座陥落。
イーグル、八重樫戦よりもやや腰が高かったような気がする。
ミドルからロングのレンジを完全にオーレドンに支配されたのが痛い。
イーグルの特徴である左ジャブから繰り出す伸びのある右ストレートは、
右足を蹴り出して左のかかとに引き付けることで生まれるが、
この放り投げる右ストレートが相手の突き刺すような左ストレートに完全に殺されていた。
カウンター取られまくってたもんなあ。
左回りからのジャブ、ないしはフックで攻略するというプランに変更できなかったのか。
オーレドンも単純に懐が深いだけではなく、
ウィービング、ヘッドスリップ、ダッキング、サイドステップ、ステップイン&バックと
アウトボクサーに必要なものは一通り持っている。
特にカウンターセンスは抜群。
相手の右の打ち出しにあわせてのヘッドスリップからナチュラルにカウンターを取れる。
タイプは違うがノニート・ドネーアを思い出した。
あと必要なのはkiller instinctか。
浜田さんが言ってたようにこういうテクニシャンが自信とパワーを手に入れると怖い。
ミハレスのように大化けすることも十分に考えられる。
ロマゴンといいオーレドンといい、ミニマムも要注意だ。

3団体統一世界ライト級タイトルマッチ(WBA・IBF・WBO)

2007-12-03 21:59:07 | Boxing
フアン・ディアスVSフリオ・ディアス

フアン・ディアス 9ラウンドTKO勝利

フアン相変わらずすげーな。
小柄ながらも馬力で”強打”を”連打”するというファイトスタイルでフリオの心をへし折った。
フリオの長射程のジャブをしっかりアームブロックとヘッドスリップで防御、
ミドルレンジの左ボディは右でブロック、
その隙に左フックで一気に懐に飛び込んで有無を言わせぬ連打。
左一本で止められないのなら、強いワン・ツーで止めるべきだが、
それでもフアンは止まらないんだろうなあ。
いつかマイケル・カチディスとやってほしい。
階級は今がベストだろうけど、一つ上げてハットンをターゲットにするのも面白い。

日本スーパーバンタム級タイトルマッチ 下田昭文VS小林秀徳

2007-12-02 03:17:55 | Boxing
下田 ユナニマスディシジョンで勝利

左ストレートには相当の自信があるのだろう。
事実、打ち込むタイミングやキレは申し分ないレベルにあると言える。
ただ、左に頼りすぎの感も否めない。
やんちゃ坊主系の下田だが、こういうタイプはなべて不器用。
パンチの一つ一つは良いものを持っているが、それがつながらない。
あと、考えていることがぱっと見て分かりやす過ぎ。
ジャブの時はジャブだけ、ワン・ツーの時はワン・ツーだけ、右フックの時は右フックだけ、
カウンターのアッパー狙いの時はカウンターのアッパーだけ、というふうに
今しようと思っていることしか出来ないボクサーだ。
課題は左を見切られたときに対応できるかどうかだ。
パッキャオだってバレラには見切られた。
けどそこは想定の範囲内で、しっかり返しの右フックで対応していた。
課題はスタミナということだが、まだ克服できていないようだ。
5ラウンドまではフットワークもなめらかに使えて、
パンチの打ち出しもつま先でコントロールできていたが、7ラウンド以降はそれもなくなった。
棒立ちの姿勢での打ち合いほどスリリングなものはないが、相手によっては危険すぎる。
そういう意味では今日はラッキーだった。
あとはメンタル面か。
負けん気の強さは結構だが、ノーガードやよそ見(そのうち2回は時計見てた?)をできるほど
圧倒的な実力差があったわけではない。
ポイントは大差がついたが、これは有効打”だけ”を見た場合。
日本チャンピオンとしてはかなりの実力者だとは思うが、世界チャンピオンはまだまだ目指せない。
あと、相手の後頭部を押さえて抱え込む癖は早く矯正したほうがいいぞ。
亀田の次男みたいで非常に見苦しい。
最後にクリンチだが、これは徳山のクリンチを見習うとよい。
両手で相手の頭を押さえ込むのもちょっと見苦しい。
 
小林は・・・うーん、良いボクサーだとは思うけれど、何か一つ勝負できる武器が欲しい。
今回のタイトルマッチで明暗が分かれたのはそこだ。

何か下田の悪いところばっかりの感想になったけど、試合自体は面白かったし、
下田は課題が明確なだけに案外、粟生より早く世界戦線に出られるかもね。
粟生はちょっと自分のスタイルを見失っているような気がするから。
あとは放映時間が午前0時ぐらいになってくれれば・・・