モズリー 9ラウンドTKO勝利
久々に "Sugar" を観た気がする。
スピード、パワー、スキル、コンディショニング、ゲームプランの全てで王者を上回っていた。
マヨルガを沈めた左フックを軸にするのかと考えていたが、
その場合はマルガリートの左も相撃ちでヒットし、パンチ力に優っても、耐久力で勝てる保障はない。
しかし、コットとパブリックの敗戦を良く研究しており、
launch & leave とヒット&クリンチを織り交ぜてきたのはdeterminationの表れだ。
ことに序盤のクリンチはB・ホプキンスを彷彿とさせ、額で相手のアゴ(=jaw≠chin)に
ぐいぐいこすりつけるのはまさに「死刑執行人」のシルエット。
つまりはホプキンスとスパーしてきたわけだ。
高速ジャブの連打とスイング気味のカウンターの右でこの相手を止めるのは、
プランを立てることはできても実行に移すのは難しい。
弱点を見出すことと、弱点を突くことには雲泥の差があり、
後者を実行できるボクサーにはセンスが備わっているということができる。
メイウェザーを引きずり出すのはハットンでもパッキャオでもデラホーヤでもなくこの男かもしれない。
嗚呼、アントニオ・マルガリート。
8ラウンドのノックダウン、そして9ラウンドのストップと我が目を疑った。
「ボディが死ねば頭が死ぬ」とジョー小泉が以前に話していたが、
初回のボディブローを相当効かされたように見えた。
コットはリーチの無さと耐久力への不安からマルガリートのボディ狙いには来なかったが、
モズリーはそこから学習していた。
ジャブや軽いパンチでこの男を止めるのはウェルター級では不可能に近いが、
理にかなったカウンターならそれが可能であることが証明された。
マルガリートは3発目の左を強く打つ意識があるので、
ジャブ(左)・ストレート(右)・フックもしくはアッパー(左)につなげる際に、
右腕を引く勢いで左足親指でリングを噛み、左膝、左腰、左肩、左腕とパワーを乗せていく。
これを打たせないためには1発目あるいは2発目にカウンターを合わせるしかないが、
オーソドックス同士なら相手の左ジャブに自身の右を合わせるのが定石。
さらに実際に体を動かしてみると分かるが、上記の1・2・3の動作では1の時点で
かなりの体重が左足にかかることになる。
結果、相手の右カウンターの威力が増すことになる。
沈められた原因はダメージの蓄積だが、この試合だけでのものかそれとも以前からなのか、
そこは判断が難しい。
坂田がノックアウトされたアンダー・ジ・イヤーを中盤にもらったが、
あそこからはもう意識が朦朧としていたことだろう。
半年から一年は休養が必要かもしれない。
コットとの再戦も延期すべきだ。
若かりし頃は裏街道、実力は認められながらも表舞台にはなかなか上がれず、
蓄積された鬱憤をすべてぶつけて掴み取った座は三日天下だったという、
まさしくボクシング界の明智光秀(そんなふうに考えるのは管理人だけだと思うが)。
一方で後世この男がどう評価されるのか、そんなことを心配してる人は結構いると思うが、
歴史とは現在からの遠近法で捉えられるべき構造物(奥泉光)で、
20年後のボクシングがアメリカンスタイル主流かヨーロピアンスタイル主流かで
21世紀初頭のボクシングも見直されるだろう。
ちなみにモズリーは秀吉ではないはずだ。
家康はどこで息を潜めているのだ?
久々に "Sugar" を観た気がする。
スピード、パワー、スキル、コンディショニング、ゲームプランの全てで王者を上回っていた。
マヨルガを沈めた左フックを軸にするのかと考えていたが、
その場合はマルガリートの左も相撃ちでヒットし、パンチ力に優っても、耐久力で勝てる保障はない。
しかし、コットとパブリックの敗戦を良く研究しており、
launch & leave とヒット&クリンチを織り交ぜてきたのはdeterminationの表れだ。
ことに序盤のクリンチはB・ホプキンスを彷彿とさせ、額で相手のアゴ(=jaw≠chin)に
ぐいぐいこすりつけるのはまさに「死刑執行人」のシルエット。
つまりはホプキンスとスパーしてきたわけだ。
高速ジャブの連打とスイング気味のカウンターの右でこの相手を止めるのは、
プランを立てることはできても実行に移すのは難しい。
弱点を見出すことと、弱点を突くことには雲泥の差があり、
後者を実行できるボクサーにはセンスが備わっているということができる。
メイウェザーを引きずり出すのはハットンでもパッキャオでもデラホーヤでもなくこの男かもしれない。
嗚呼、アントニオ・マルガリート。
8ラウンドのノックダウン、そして9ラウンドのストップと我が目を疑った。
「ボディが死ねば頭が死ぬ」とジョー小泉が以前に話していたが、
初回のボディブローを相当効かされたように見えた。
コットはリーチの無さと耐久力への不安からマルガリートのボディ狙いには来なかったが、
モズリーはそこから学習していた。
ジャブや軽いパンチでこの男を止めるのはウェルター級では不可能に近いが、
理にかなったカウンターならそれが可能であることが証明された。
マルガリートは3発目の左を強く打つ意識があるので、
ジャブ(左)・ストレート(右)・フックもしくはアッパー(左)につなげる際に、
右腕を引く勢いで左足親指でリングを噛み、左膝、左腰、左肩、左腕とパワーを乗せていく。
これを打たせないためには1発目あるいは2発目にカウンターを合わせるしかないが、
オーソドックス同士なら相手の左ジャブに自身の右を合わせるのが定石。
さらに実際に体を動かしてみると分かるが、上記の1・2・3の動作では1の時点で
かなりの体重が左足にかかることになる。
結果、相手の右カウンターの威力が増すことになる。
沈められた原因はダメージの蓄積だが、この試合だけでのものかそれとも以前からなのか、
そこは判断が難しい。
坂田がノックアウトされたアンダー・ジ・イヤーを中盤にもらったが、
あそこからはもう意識が朦朧としていたことだろう。
半年から一年は休養が必要かもしれない。
コットとの再戦も延期すべきだ。
若かりし頃は裏街道、実力は認められながらも表舞台にはなかなか上がれず、
蓄積された鬱憤をすべてぶつけて掴み取った座は三日天下だったという、
まさしくボクシング界の明智光秀(そんなふうに考えるのは管理人だけだと思うが)。
一方で後世この男がどう評価されるのか、そんなことを心配してる人は結構いると思うが、
歴史とは現在からの遠近法で捉えられるべき構造物(奥泉光)で、
20年後のボクシングがアメリカンスタイル主流かヨーロピアンスタイル主流かで
21世紀初頭のボクシングも見直されるだろう。
ちなみにモズリーは秀吉ではないはずだ。
家康はどこで息を潜めているのだ?